「お替わりはいかが?」の No.1535 (99/9/16[木])「そういう訳でハワイへ行こう」でも書いたとおり、JALの「No.1 マイレージキャンペーン」を利用して通常だとホノルル往復に四万マイルのマイレージが必要なところ、今なら二万マイルで行けるということで、妻子を残して「おじさんマウイ一人旅」をすることになった。
実際の行き先は、当初はホノルルを考えていたのだが、いろいろ故あってマウイに変更した。ホノルルは十年前に一度行ったきりだが、マウイは他に二年前にも行っていることもあって勝手がわかっているから、一人自由旅行をするには好都合である。これまでの私のマウイ行きは家族とツアー利用でカアナパリの高級リゾートホテル滞在というものだったが、今回は全く違う。
何が違うといって、マイレージ利用だから当然ツアーのわけがなく個人での自由旅行である。ツアーにありがちな制限がほとんどないかわりに、すべての手配の実行や手配確認の責任は全部自分にある。つまり良くても悪くても自分の責任なのである。さらに今回は現地では知人に会うかもしれないのだが、少なくとも我が家とマウイの宿の間は完全に一人旅となる。一人旅といっても行き先が国内ではなくマウイ島になっただけで、別に南極に行くわけではないからさほど大げさに考える必要もない。国内旅行より注意すべき点がやや多いだけの話である。
こういう個人旅行は一昔前なら、何度も旅行代理店や航空会社の窓口に足を運んだりする必要があったが、今回の旅行の手配に関しては一切どこへもでかけていない。ただ一つの例外はスカイライナーのチケットを買うために自宅近所の旅行代理店に行かねばならないくらいのものだ。あとは無料航空券の手配はもちろん、ホノルルとマウイ島の間のインターアイランドの航空券の手配、宿の手配、現地での島一周ツアー(「ハナ・アドベンチャー・ツアー」)の手配などすべて電子メール、FAX、電話で済ませることができた。特に宿や現地ツアーの問い合わせには電子メールが絶大な威力を発揮してくれた。電話だと国際電話料金がかさむし、面と向かえばさほど問題無い英会話も電話だと聞き取りにくいし表情も読めない上に最後の手段のボディランゲージと筆談もできないからそれなりに大変だ。レストランの予約くらいならどうということはなく楽勝だが、宿の予約や確認など重要なことになるとやはり自信がない。
このような問い合わせに対して電子メールを使うメリットは非常に沢山ある。何より問い合わせる内容を英語にするのに会話のようにリアルタイム性が要求されないから、辞書やら何やらを使って問い合わせ文を作成し校正する時間が十分にあるし、メールソフトやワープロソフトの英文スペルチェックを使ってつまらぬミスを見つけて修正する事だって容易だ。回答を受ける場合だって同じで、相手の言葉を解釈するのにリアルタイム性は必要無く、わからない単語や言い回しは辞書等で調べることができる。しかし、こういうメリットがあってもなおかつ英文メールのやりとりを嫌がる人が多い。別に大きな会社の取引を交渉するわけではないのだから堅く考える必要は無い。旅行や通信販売での問い合わせメールのやりとりなんて内容的にもごく限られているので、数をこなせばあとは辞書さえあれば結構なれてしまうものだ。
電子メールを利用することの他の特徴は、FAXと同じではあるが送ればほとんどすぐに相手のもとに届くことだ。ただし電子メールに対する相手の姿勢によっては、FAXのほうが相手の優先度が高いこともあるのは事実だ。とどくのはほぼ瞬時に相手にとどいたにせよ、相手がそれを読んで処理する仕事の優先度はFAXのほうが高い場合もある。また、利用料金の差もある。何度かやりとりすると国際電話で送るFAXの料金は馬鹿にならない。これがすでに電子メール環境があるなら、一回の接続にようするプロバイダ使用料金(最近多くは定額制度かそれに近い料金体系を取りいれているから問題にならない)と電話料金だ。いくら高くても二十円とか三十円程度で済んでしまうし、多くはしない通話最短時間一回分の十円ですむ。
さて、今回私が日本国内から手配したのは、JALのホノルルまでのアワードチケット(無料航空券)と、ホノルル・マウイ間のインターアイランドのアロハ航空の通常航空券、宿、現地ツアーだ。基本的にこれだけあれば成田からマウイまでの往復と現地滞在には問題無い。これだけのものを手配するのに必要だったのは、電話、電子メール、FAXだけだ。それらを駆使した結果、私の手元に4枚の航空券と宿の予約確認書、現地ツアーの予約確認書があるわけだ。あと、予約が必要だとすれば、東京から成田までのスカイライナーかNEXの券だけだろう。
まずはホノルルへ向かうためのJALのチケットだ。今回は二万マイルでハワイに行けるというJALマイレージバンクの「No.1マイレージキャンペーン」を利用したので、航空券手配にはJALの国際線特典予約デスクに電話をするところから始まるのだが、話を誤解無くスムーズにかつ短時間にすすめるためには、希望日程を何通りかは当たり前として、利用便候補も知っておくほうがよい。必要なのは希望日程における成田・ホノルル間のJALの時刻表だ。これなどはJALのWebページでも、あるいは http://www.itn.net/ といったサイトを使ってもよい。とにかく便の検索結果のハードコピーとメモを手元に置いておく。
そしておもむろにJALの国際線特典予約デスクに電話をする。この電話はとても混雑しており、話中のことも多く根気良くダイヤルする。何度目かのダイヤルの結果無事つながったとおもえば、今度は自動応答で混雑しているからこのまま待てといわれる。ここで短気を起こして切ってしまうといつまでたっても繋がらないので、じっと待っている自分の番が回ってくる。
オペレーターには自分の名前とJMB(JALマイレージバンク)会員番号を最初に伝えておく。あとは日程と出発地と目的地を告げて空きを探してもらうのだ。アワードチケット(無料航空券)は、空席があればかならずとれるわけではなく、全席の中でアワードチケットに割り当てられる枠には限度がある。その枠はお盆とか年末年始、ゴールデンウィークなどのピークシーズンには非常に少なくなり(人気路線だと数席くらいしかないという話も聞いたことがある)、オフシーズンには多くなるし、出発が近づいても空席が沢山あるようなときはアワードチケットの枠も多くなるそうだ。つまり席数は時期や予約状況によって動的に変動するのである。ちなみにトップシーズンのアワードチケットを取
るのが難しいのは言う間でもないが、日本の祝祭日にかかるような日程でもかなり前に予約をいれないとホノルル線のような人気路線ではとれないことも多い。実際、11月3日にかかる日程では2ヶ月前には空いていたが、その二週間後にはもうアワードチケットの枠は満席だったから、やはり早めの行動が良い。
無料航空券の愉快なところは、一旦予約を確定させ発券してしまった場合でも航空券の有効期限内で同じ路線なら原則として何回でも無料で予約変更をできることだ。正規運賃なら当然だが、格安券ではこういうことはできないことがほとんどだし、航空会社の正規割引運賃(ゾーンペックス、例えばJALの悟空やANAのGETなど)では不可能ではないにせよ、万単位の手数料が必要になる。旅に急な予定変更というのはありがちなのだが、正規運賃ならともかくアワードチケットでも可能だとうのは意外である。
マイレージを使って航空券を手配すると同じに進めなければならないのが宿の手配だ。これは旅行代理店にまかせてもよいが、どうせならこれも自分で手配すべきだろう。昔なら海外の宿に直接予約を取るのはかなり面倒だし、予約以前にどういう宿があるのかが分からなかった。ガイドブックという手もあるがガイドブックにのるのは得てして高い宿が多く、コンドミニアムやB&Bに至ってはほとんど載っていない。
しかし、今はこういう時に強い味方のインターネット(WWW)がある。当たり前の話だが、ハワイのホテルやコンドミニアムを探すのに日本語のWebサイトを探したのでは大した情報は得られない。どのような宿があるのかを探すのは当然米国の英語サイトである。アメリカへ行くのに英語サイトでの情報検索を嫌がっていているようではいけない。英語なんて怖がるたいしたものではない。そして日本語サイトやNIFTY-SERVEの旅行関係のフォーラムで、それらの探し出した宿についての利用者の評判などを探せば良い。もちろん自分が開拓者になってもかまわないが、まあ、その手の情報は多ければ多いほど少しでも公正なものに近づくであろう。
宿にせよ何にせよ、アメリカという国は利用者が何も言わなければそれで利用者は満足していると認識されるところだ。日本の文化では「YES」を明示しない限りそれは「YES」の意思表示ではないと解釈する傾向があるが、アメリカ人達は「NO」といわなければそれは「YES」の意思表示であるとみなすという。だからまずいことはまずいときちんと言わないと、ちゃんとしたサービスを受けられないことだって多い。だから評判が悪いという中には、日本流のやり方でろくに文句も言わず相手が気づいてくれるのを待っていて、結局解決せずに「この店は...」という人が多いのだが、これははっきりいって見当違いである。
宿でもレストランでも、問題があることが問題なのではなく、問題があったときにそれをきちんと指摘したとき、それがちゃんと解決されるかどうかが問題なのだ。例えば宿にチェックインして、部屋のエアコンが壊れていた。そこで文句をいえば多くの場合はちゃんと対応してくれるはずなのに、黙っていて文句もいわず「あのホテルのエアコンは壊れていて治そうともせずサービスが悪い...」というのはいかがなものか。もちろん日本流サービスですべてが完璧にできているのが理想であるのは言う間でもないが、それをアメリカに期待するのは無理というものだ。
我々日本人は、物事を最後まで言わなくても相手が察してくれる、あるいは察してあげる生活を続けてきた。これは良くも悪くも物事の価値観が似通った長い間の均質育成の結果によると思うのだが、特にホテルやレストランなどでは客の気持ちを察して、客の要求に先んじてサービスを提供することが良いサービスの証のようなところがある。この習慣はおおむね非常に快適であることは確かで、それになれてしまうとそういうサービスが無いと、短絡的に「サービスが悪い」と考えてしまいがちだ。だが、日本を一歩でたらそのようなサービスは期待できないし、期待するほうが間違っていると思うほうが無難だ。
とにかく良いことも悪いこともはっきりと表現することが大切だろう。もちろん言葉遣いは重要で、英語の場合は日本語のような丁寧語や謙譲語といった表現は基本的に存在しないが、丁寧な表現とかカジュアルな表現とかいうのはあるから、それらをきちんと使い分けるのは重要だ。
話しがそれてしまった。今回最初はホノルルを目的地としていたので、JALマイレージバンクの国際線特典予約デスクでは、成田・ホノルル間の席を予約した。当初希望の日程は帰りはあったのだが、行きが満席のキャンセル待ちであったため、帰りは席を押さえ行きをキャンセル待ちにしたまま、別日程なら往復が取れるというので別日程のほうで発券してもらった。こんなことは格安チケットでは出来ない技であろう。
最終的には行き先がマウイになったので、再度国際線特典予約デスクに電話をして、ホノルル・カフルイ(マウイ島)間のアロハ航空の便を予約した。このとき気をつけなければいけないのは、成田・ホノルル間とホノルル・カフルイ間を別々に予約発券したため、PNR(Passenger Name Recede:乗客の予約記録)がきちんと成田からカフルイまでつながっていることの確認が必要だ。別々になっていても何事もなければ問題はなさそうだが、イリーガルの時に問題になるかもしれない。
結局私のところには成田・ホノルル往復の航空券一組、ホノルル・カフルイ間の航空券一組が宅急便で配送され、同封の旅程表(itinerary)にはきちんと通しで旅程が作成され、航空券の予約状況もきちんと「OK」になっていいることを確認した。ツアーだとこうした細かなところを一切気にしなくてもよいのだが、完全個人手配だとすべては自分が責任をもって納得がゆくまで確かめねばならない。手配ミスがあってもそれは確認を怠った自分の責任なのだ。
足の確保はできたが、足と同じに進めなければならないのが宿の確保だ。大体この時期のハワイは空いているものだということで、最初は10/31を挟んで日程を組んでいた。しかし、この時期はマウイ島はラハイナの宿がどこも満員なのである。Webページでどこの空き状況を見ても、電子メールで問い合わせても満員だといわれてしまう。ある方から聞くところでは、10/31はハロウィンでラハイナでは派手な催しがあって客が集中するのだという。日本人である私にハロウィンは無縁だったので全く気づかなかった。
結局JALのアワードチケットでの空席状況とも考え合わせて、11/10に日本を出発し同日午前中にホノルル着、昼過ぎにはマウイ島カフルイ空港に到着だ。帰りは11/14の朝マウイを出て、昼のコナ発のJALに乗り日付変更線を越えて翌日11/15の夕方成田着である。予約した宿はラハイナの街へは買い物にせよ食事にせよ全部歩ける距離にある「ASTON MAUI ISLANDER」というコンドミニアム(ホテルルームもある)。ここのRACK RATE(いわゆる宿代の定価みたいなものだ)は、1ベッドルーム(つまりフルキッチン+リビング+ベッドルーム+バス・トイレ)でこの時期は135ドルなのだ。このレートをまともに受け入れる手は無くて、Webで調べると安いレートがある。そのレートが聞いたこと無い名前なので、一般の海外からの観光客に適用可能なレート(米国政府職員用レートとか軍人レートとか高齢者レートなどがある)かどうかを英語で問い合わせる。結局1ベッドルームで一泊99ドルのレートで予約できた。マウイの便利な場所のコンドミニアムでこの1BRがこの価格なら上出来である。
Webで予約することの心配は、本当にその予約が通ったかどうかだ。このアストンの場合は、記録を見ると9/28にWebで予約をいれて、予約確認書がとりあえずFAXで送られてきたのが10/3と結構時間があいている。さらに予約確認書が郵送されてきたのはその何日か後だった。念のため予約をいれた翌日に予約を入れたから早く確認書を送って欲しい旨の電子メールを出している。そのせいかどうかわからないが、予約確認書はFAXで二回送られてきた。
もう一つ予約したのが、一日かけてマウイの南半分を一周する「ハナ・アドベンチャー・ツアー」だ。こちらはガイドブックで存在を知り、Webの検索サイトでしらべるとちゃんとWebページを持っている。10日以上前に電子メールで予約すると割り引きになるというものだ。こちらは日本語で問い合わせOKだ。価格やキャンセル条件を問い合わせた後、FAXにて申し込みを入れ、予約確認書が電子メールで送られてきた。
こうして、JALの無料航空券(アワードチケット)での予約、ホノルル・カフルイ間のアロハ航空、ラハイナのコンドミニアム「アストン・マウイ・アイランダー」、そして一日かけて島をまわる「ハナ・アドベンチャー・ツアー」の手配ができた。
余談だが、土曜日にアロハ航空のリコンファームをしようとしたら、日本支社(東京)は何と休みであった。どうしようかと迷ったのだが、インターアイランドはバス並とはいえ結構混雑していることも多いし、初めての個人手配旅行でもあるので、妻のすすめもあってアロハのホノルル・リザベーションオフィスに電話をした。もちろん日本語で通じる電話ではないのだが、途中何度か聞き返した箇所もあったが問題無くリコンファームでき、リコンファーム番号を貰えた。
ホノルルまでのJAL往復、ホノルルとカフルイ(マウイ島)のアロハ航空、ラハイナ(マウイ島)のコンドミニアム「Aston Maui Islander」の予約、そして今回一番の楽しみである「ハナ・マウイ・アドベンチャー・ツアー」の予約とこれらの確認、とすべて済ませた。
そして出発前最後の土日にすべきことはパッキングである。私の場合、家族で行くにせよ今回のように一人で行くにせよ、荷物リストをパソコンのEXCELで作成する。持ち物にはパスポートや航空券、TCや現金のように大切なものから、Tシャツなど現地でも買えるものに至るまで仔細なリストを作成する。これは最初は面倒だが、次回には前回のリストが流用でき、目的地や日程、あるいは同行者に応じて内容を追加削除するのである。毎回メンテナンスすることで、不要な物はリストから消えてゆき、必要なものが追加される。
今回も、今年一月の家族ハワイ島旅行のリストを元にして、妻や娘の持ち物はごっそり削除した。三人が一人になると、特に物が多くなりがちな子供と女性のものがなくなると、衣類が三分の一どころか四分の一くらいになる。しかし減らないものもあって、現地調達できなくはないけれど、手元にあると便利な小物類などは一人でも三人でも同じだし、常備薬に至ってはこれまた同じである。
旅なれた人ほど、また行きなれた場所であるほど荷物はコンパクトになるのが常だが、たかだか数回のそれも年に一度や二度の旅行程度の私はどうしても安全とか予備とかを考えてしまい物が多くなってしまう。だからといってTシャツを一枚とかポロシャツを一枚減らしたところで、その分現地調達すれば荷物の量はかえって増えてしまう。Tシャツや肌着などはボロイのを持っていって現地で廃棄して帰ってくるのも手だ。宿にチェックインするときはある程度きちんとした格好をしているべきだが、その土地で過ごす間はほどほどにボロイ格好をしていたほうが、危険度は多少なりとも下がるというメリットもある。頭の先から足の先までピカピカの新品に固めるのは避けたほうがよい。
経験的にはこうした着替えの類の準備はすぐに終わってしまう。それは私の場合、行くところはほとんどハワイ諸島ときまっているから、衣類だって毎年同類でよく日数に応じて枚数を調整するだけだから、すぐに終わってしまう。衣類の類は、肌着やアウターなどの分類ごとにファスナーで開閉できるネット(洗濯ネットと構造は同じだが形状が違う)にしまって、それらを大きなポリ袋にまとめてしまってトランクにいれる。こうすることで万一トランクに多少水が浸入しても(さすがに水没はアウトだろう)衣類が濡れることは防げる。これは国内外を問わず私が使っているやり方で、めんどくさそうだが衣類をそのままバラバラに放り込むより数倍は出し入れが楽になるからお試しあれ。
実際に準備に時間がかかるのは、こうした衣類ではなく情報取得や情報整理といろいろなもののフェイルセーフ策だ。例えばクレジットカードの番号を控えておくのはいわずもがなだが、どこに控えておくか、また控えも無くしたり控えが悪用されないためにはどうするかなども重要だ。私の場合控えはPCでつくってプリントアウトを手持ちバッグとトランクの二箇所にいれる。その際控えを盗まれて悪用されては困るので、控えの番号は外国人にはわかりにくいようにする。私の場合の具体的方法はここでは書けないが、たとえば漢数字を使うとか、数字の0から9を別の文字などに割り当てるなどを工夫する。当然カード会社名も一見ではわからないようにしないと意味がない。やりすぎると暗号化した本人がわからなくなるので要注意だ。
この手の番号控えの類は意外に多くて、TCの購入記録からひかえたTC番号控え、利用する主要な施設や航空会社の予約窓口やフライト番号や発着時刻、緊急連絡先(例えば日本大使館や領事館)の電話番号、使わないかもしれないけどあれば便利そうなのがタクシー会社やシャトルサービスの電話番号だ。あるいは現地の各種シャトルバスなどの時刻表も最近はWebで入手できることもあるのでプリントアウトもあるとよい。私の場合、この手の情報はすべてPCを使ってEXCELで整理しそれを二部つくりトランクと手持ちバッグにしまう。しかし、経験的にそれらのA4サイズプリントアウトを外にいるときにいつでもすぐに見るのはなかなか難しいのが経験的にわかってきたので、今回はさらに工夫をした。
電子小物大好きかつPDA愛用派の私であるが、旅行に行くときは私はいつもA6版程度の小さなノートを持って行き、メモ代わりにしたりする。なんといっても図や文字が入り乱れる場合は絶対的に紙のほうが書きとめるのに便利だし、高価なPDAを出すと場所によっては狙われたりする危険だってあるが、小さなノートとコンビニの100円〜200円のシャープペンシルならその危険はまずないのである。電子的なシステムと昔ながらの方法は相対するものではなく、お互いに苦手なところを補完し合うべきものなのだ。互いに相手を完全に駆逐できるようなものではない。
さて、このA6版程度の小さなノートだが、今回は接着剤綴じや糸綴じではなく、スパイラルのワイヤー綴じのものを用意した。これはあるページを360度開くのにスパイラルだと楽勝だが、接着剤綴じなどだと具合がよくないからだ。このノートのページにさきの情報の縮小プリントアウトを糊で貼りつけるのである。重要なのは書き写すのではなくプリントアウトをそのまま貼りつけることだ。書き写すことでミスの可能性が格段に高くなるし、そのような愚は避けるべきだろう。また、このA6版はパスポートのカラーコピーも切り取ると二つ折りで丁度納まる大きさだから、それもついでに貼りつけておくとよい。パスポートコピーは滅多に必要にはならないが、たまにTCを使うときにサイン照合に求められるときがある。このとき今までの経験では少なくともハワイでは本物のパスポートでないと絶対駄目なんてことは皆無で、フォトコピーならあるけどそれでよいか?と尋ねると全部それでOKだった。
週末のほぼ一日をかけてこれらの情報整理と写し作成、現地情報の収集にあてた。面倒な作業だがこれも旅行の楽しみの一つなのである。まあ、番号控えの類は滅多に必要にならないが、なかったら非常に困ることもある保険みたいなものだ。
とにかく準備は整った。
いよいよ出発の日が来た。フライトは成田発ホノルル行き日本航空72便で出発時刻が22時15分という遅い時刻の便だ。後からわかったことなのだが乗客を乗せて成田から飛び立つ定期便の中では、これがその日最後の飛行機なのだ。
旅行では鉄道利用派の我が家が成田までゆく場合、JRの成田エキスプレスか京成スカイライナーのどちらかを選ぶのだが、京成スカイライナーは成田に夕方六時半頃に着くのが最後の電車だ。夜十時過ぎの飛行機に乗るのにその四時間近くも前についたのではいくらなんでも早すぎる。そういうわけで新宿あるいは池袋発の成田エキスプレスを探したところ、七時半頃に到着する成田エキスプレスがあったのでそれを予約しておいた。今回の旅行ではすべての事前手配は自宅からインターネット(Web)と電子メールと電話とFAXだけで出来たというのに、皮肉なことに日本国内のトランスポーテーションである成田空港までの足はわざわざみどりの窓口まで行かねば切符が買えない。これなども事前にインターネットでクレジットカードをデポジットにとって当日窓口発券でよいと思うだが、鉄道各社は自らは動かず利用者を取りにこさせようとす旧態依然たる発想から抜け出せないでいる。
成田エキスプレスは四人が二人ずつ向かい合う固定席になっており、そういう意味ではスカイライナーのほうがよいのだが、時間があわないものは仕方ない。千円高くて時間は余計にかかり四人掛け固定であまりいいところはないのだが、唯一のメリットは自宅から乗り換えなしで行ける最寄のターミナル駅である新宿か池袋から成田まで一本でゆけることだろう。
さて四人掛けの一人は私が占拠したのだが、のこり三席には親子連れが乗りこんできた。親子連れといっても子供は高校性くらいらしく、父親はおそらく五十代だろうか。父親は席に落ち着くなりガイドブックを読み始めた。どこのガイドブックかと思ったらハワイのガイドブックである。洋服を黒でシックにまとめた母親のほうはやはりワイキキの観光地図らしきものを見ている。この光景をみて何故かほっとしてきた。自分でも理由はわからないが、それまでの「海外完全個人手配一人旅」の緊張がほぐれたような感じだ。
いつもならこの成田エキスプレスの向かいには娘がすわり、私の斜め向かいには妻がすわるのだが、今日は赤の他人が座っているのがやはりとても寂しい。最初は赤の他人から始まった家族も年月を経て切っても切れない絆ができあがっているのを改めて感じた。しかし、その一方で一人だから気楽で移動も素早くできるのは絶大な効果がある非常に大きなメリットで、これが家族三人になると移動速度も三分の一くらいになってしまう。一人旅の気楽さと一人旅の寂しさのシーソーなのだ。
山手線大崎駅付近で、私の乗った成田エキスプレスが満員の山手線内周り電車を追い抜く。むこうは通勤地獄の真っ只中なのに「へへへ、こちらはこれから海外旅行だぜ、マウイだぜ」などという妙な優越感を感じてしまう。これが普段ならば追い抜いてゆく成田エキスプレスをみるたび、旅心がそそられて胸がキュンとなるのだが今日は逆である。ざまあみろだ。
成田エキスプレスは東京に停車して乗客を乗せたところでほぼ満席に近くなった。見ていると「LOOK JTB」の新しいシールを貼り付けたスーツケースがやけに目に付きJTBという会社の威力の大きさを改めて感じた。ハワイへの旅は時差の関係で夜が極めて短いから、毎度の事ながら向こうの初日は睡眠不足でぼーっとしていることが多い。それを少しでも避けるため、電車のなかでも眠っておこうと思うのだが、海外完全単独旅行の緊張と興奮でなかなか眠れない。その上夜も七時近くになり、さすがに腹もへってきてさらに寝付けない。
それでも時々うとうとしながら空港第2ターミナル駅についたのが七時半。そのまままっすぐエスカレーターを上がってゆくと、自動的に第2ターミナルのほぼ中央に出る。さすがわが日本航空はここではでかい面をしていて、チェックインカウンターの半分に当たるG〜Lまでを全部日本航空が占めているのだ。そのうちGからIまでがツアー(団体)客用チェックインカウンターであり年中混雑しているところだ。J〜Lが個人客カウンターでここはいつも空いている。特にJはエクゼクティブとファーストクラス専用だからなおさら空いている。ここでクレームタグにはホノルル(HNL)経由のカフルイ(OGG)のタグをつけてもらう。こうしておけばホノルル国際空港でインターアイランド(島間)路線へ乗り継ぐときに国際線到着ロビーを出てすぐ、インターアイランドの航空会社にチェックインするまえに荷物を預けることができて楽なのだ。
機内で少しでも睡眠をとるために食事はいまのうちに済ませておく。第2ターミナル出発デッキの上にある売店やレストランは公称夜九時までの営業だが、閑散期のこの時期は実際には八時半を回った時点でかなりの店が閉じてしまうから要注意だ。第2ターミナルビル内のサテライト側ではないほうの免税店も夜は九時半までだから、JL72便やその近くの時間帯の便で出発される方で免税店で買い物をしたい方は早めに出国手続きをすませたほうがよい。そうでないとせっかく楽しみにしていた国内免税店での買い物ができなくなってしまう。
機内での私の席は33K、つまり成田-ハワイ線のB747-400(通称ダッシュ400)では、機首に向かって右の窓際で比較的前のほうだ。となりの33Jは空席らしく通路側の33Hに一見がっしりした日本人かアジア系にみえる米国人らしき人が乗ってくる。この人は席に座るなりアイマスクと耳栓を取りだして眠り始めた。一見変な感じだが実は現地についてから頭をすっきりさせるためにはとにかく眠っておくのが大切だ。私は喉が渇いたのでJAL特製ソフトドリンクのスカイタイムだけを貰い食事は断って眠ろううと努力したが、電車の中同様の理由でなかなか眠れないものだ。
ハワイ時間で朝七時頃(日本時間の午前二時頃)だろうか、早くも夜が空けてきて東の空(つまり進行方向)を赤く染める。赤い夜明けの太陽がエンジンと主翼を照らせてとても美しい。この光景を眺めることができるのは、飛行機が東に向かって飛んでいるときに限られ、さらに時間的にもほんの一時の短いもので、なおかつ機上でもごく限られた席に座っている人だけが見ることができるという非常に美しく希少価値の光景だ。本来ならぐっすり眠っていてこういう光景も見れないはずだが、少し眠っては眼がさめるからこういう事を知っているのだ。そういう意味では本当はなにも知らないほうが良い。そうこうするうちに朝の軽食のデニッシュが配られる。さすがに腹がへったので今度は断らないし、ここで食べて頭をはっきりさせないといけない。
夏休みなどのピーク時に家族連れツアーでハワイに行った人はわかると思うが、ホノルルのイミグレーションは混雑して時間がかかるので有名である。それが航空券のチケットをツアーでなく個人手配でとれば、当然座席はツアーより前であり、さらに機内持ちこみ荷物は頭の上でではなく、前の座席の足元に置いておけばなお良い。こうすると機体が完全に停止して客室乗務員への「ドアモード変更」の機長アナウンスと同時に立ちあがってドアのところへゆき。皆がまだ立ちあがって頭上のものを取ろうとしているときにドアのところに立っていることが出来る。
今回この手を使って(実際には一つとび隣の席の米国人の後を追って)やってみと、なんと、なんと、通路でビジネスクラスの客を追い抜き、JL72便の乗客の中でほぼ先頭でゲートを脱出できた。さらに運の良いことにいつもはサテライトとイミグレーションを結ぶ WIKI WIKI バス を使うのだが、今回はもっともイミグレーションよりのゲートに到着したらしく、そういうものは使わないで徒歩だけで最短距離でイミグレに直行できた。実際問題、機内から出遅れた場合はWIKI WIKIバスには長蛇の列が出来ており、なおかつ三両編成の小さなWIKI WIKIバスの輸送能力はきわめて低いからここでかなり待つことになる。そういう時は六時間半の運動不足解消もかねて、WIKI WIKIバスなどとっとと諦めてイミグレーションまで速足で歩くのが正解だ。のんびり気分のハワイ初めてツアー客といっしょに、ぼけーっとこんなところで時間を過ごすべきではない。混雑したホノルル国際空港へ到着したら一刻もはやくここを抜け出す事を考えたほうが得策というものだ。どうせ帰国時には時間があまってホノルル国際空港内をうろうろすることになるのだから。
ともあれ、私の場合そういう訳でいつもならすでに人で埋まっているイミグレーションが、今日はだれもいなくてほぼ先頭で突入できたのである。どうもイミグレーションでは挨拶もしない日本人が多いから、せめて私くらいはということで「Good morning, Sir」とにこやかに挨拶をする。すると相手も人間だから、にっこりと「Good morning」と返事が帰ってくるのだ。これは日本のイミグレーションでも同じ事でパスポートを出すときに「お願いします」と言い、パスポートを返してもらったら「どうもありがとう」が当たり前であろう。しかしながら見ていると九割以上の日本人は、係官から何か尋ねられない限り日本でもハワイでもイミグレーションで言葉を発する人はいない。いつもならここで滞在日数とかきかれるのだが、今回は何も質問無しで黙ってパスポートを通して入国OKとなった。当然「Thank you, Sir(言うまでもないが女性の係官ならMa'am)」を忘れない。するとむこうも「You are welcome. Have a nice stay!」だ。この一言でこれからの滞在も気分が楽しくなるというのに、せっかくの挨拶を交わさない気の毒な日本人が多いのが不思議でならない。
この後はバゲッジクレームで自分の荷物をピックアップするのだが、ここもいつものツアーならすでに人がいっぱいなのに、今回は私がほとんど先頭で機内脱出したものだから、待っているのは私がイミグレーションの後トイレに言っている間(一人なので荷物を持たないうちに用を済ませるのは大切な心がけなのである)に出てきたエクゼクティブクラス(JALホノルル線にはファーストはない)の乗客ばかり。荷物がかなり遅くなるだろうと思ったら、さらにラッキーなことに、ほとんどエクゼクティブの荷物につづいて、つまりエコノミーのほぼ先頭で出てきた。これは偶然そうなっただけのはずだが実に幸先が良い。
そして税関を抜けて(といっても係員の横を "Hello" といって通りすぎるだけ)、すぐ正面にあるインターアイランド(隣島)乗り換え用荷物預け場所に行くと...なんとなんと、コンベアが壊れているので自分でもっていってくれとのこと。しかたなくホノルル国際空港国際線到着口のEXIT2(多くの人が向かうEXIT1は団体(ツアー)出口、人が少ないEXIT2が個人出口)へトランクを転がしながら向かって行く。その時成田で付けてもらったカフルイ空港までのタグがついているのを、出口付近の係官がみて「カフルイならその荷物はそこで預ければよにのに」というので「そうしたいのだが、コンベアが壊れているのでだめなんだ、自分で運んでくれって」と説明すると知らなかったらしくて驚いていた。その係官に税関申告書を手渡して無事国際線ターミナルビルから脱出完了だ。オアフ島に滞在するなら、ここからシャトルやらタクシーに乗れば良いのだが私はマウイ島滞在なので、そのままインターアイランドターミナルに向かう。インターアイランドターミナルは国際線ターミナルの個人出口を出て左に向かってまっすぐだ。ここはすでに何度も来ているのである程度勝手がわかっているのでスーツケースとともに左側へ直進。途中左手にツアー客が人数を集まるのをまったりしているが、こちらはそんなのを横目にすいすいとネイバーのターミナルに向かう。なんといってもこれが個人の旅行の良さのひとつだ。
インターアイランドターミナルのエスカレーターを上がると手前がアロハ航空なので、そこのエコノミークラスカウンターでチェックインの列に並ぶ。列といっても二人ほどが先に並んでいるフォーク並びだ。客が非常に少ないので「今日はやけに空いているじゃないの」と案内係りの女性に声をかけると「午前中はこんなものなのよ」だそうだ。私の番が来てカウンターに進み、チェックイン処理はすぐに終わり、ついでに帰りのリコンファームも行きのときにおわっていることを確認しておいた。こちらに来るときにインターアイランドの飛行機は遅れてもとにかく来ることさえできればよいが、帰りは国際線のJALに乗り継ぎだから予約便に乗れないと困る。こうした予約の確認はやらないよりやりすぎるほうがまだましというものだ。
さて日本航空72便の機体のドアを出てからここまでなんとたったの三十分。いつもなら一時間以上はかかっているのになんと早いことだろうか。これが素早く自分だけで行動できる一人旅+他人を待たなくて良い個人旅行のメリットであろう。アロハ航空はツアーで乗るとかなり日本人がいることが多いのだが、今回は時期外れということもあって日本人は数名いるかいないかだ。日本人にみえたけど言葉は英語だったという人が意外に多い。ホノルルまでのJALの乗客は日本人ばかりだが、そこから分かれて隣島に向かうと日本人はほとんど見かけないのが不思議といえば不思議だ。ハワイというとワイキキしか頭に浮かばないのかしら。あるいはツアーの過半数、格安ツアーの大半がワイキキに集中しているからであろうか。
インターアイランドのアロハ航空やハワイアン航空の座席は指定ではなく先着順の自由席でありなおかつオーバーブッキングが当たり前だから、三十分前にはゲートに行って列に並んだほうがよい。しかし、今回は乗り継ぎ時間に余裕を十分とってある上に、JAL72便から出て国際線ターミナル出口から出るまでに異常に早かったので時間があまってしまった。何か食べようかと思ったがインターアイランドのターミナル内には大したものがないし、何より食事をしたいと真剣に思うほど空腹ではなかった。結局ターミナル内のニューススタンドで手ごろなガイドブックがないか探してみたり、ちょっと珍しいものがないか漁っているうちにゲートへ向かったほうがよい時間になった。ゲートについてしばし待ったあと、アナウンスがあり米国人乗客が搭乗ゲートに並び始めたので私も列の先頭に加わった。
私が乗ったアロハ航空210便は定刻通りハワイ時間13時前にマウイ島のカフルイ空港に到着した。ちなみこの路線に乗るなら絶対左側(帰りは右側)の主翼近辺を避けた前寄りの窓際だ。マウイ行きだとホノルルを飛び立ってからすぐダイアモンドヘッドを真上から見ることができるから覚えておくとよい。これはハワイ島のコナへ飛ぶ場合も同じである。
カフルイ空港では見覚えのある勝手知った通路をどんどん進んでバゲッジクレームへ行く。二年前にはツアーでここで集められたなぁ、とか思い出がよみがえる。インターアイランドの路線に乗るとよくあるようだが、チェックインが早いと荷物だけ早く着いてしまうことだ。とにかく届けばよいということらしく、アロハのカウンターでのチェックイン時に荷物を預けたにもかかわらず、予想通り私の荷物が先に着ていたので、荷物番の制服係員に半券を渡して引き取る。もちろん「Thank you」の一言を忘れずにである。
さて、宿までのシャトルを呼ぶのに電話をかけなくてはいけない。ホテルの正面玄関までドアツードアで送ってくれるのは、エアポートシャトルかスピーディーシャトルで、両方とも専用電話があるはずだ。帰りはスピーディシャトルを予約したので、行きはエアポートシャトルにしようと決め、受話器をあげてDIALという丸いボタンを押したあと「15」をダイヤルだ。受話器の中でピポパポといっているから単なる短縮ダイヤルだろう。電話が通じると先方は当然容赦ないノーマルの英語でたたみかけてくる。時々聞きそこなって聞きなおしたが、名前や目的地、人数を言い、さらに料金($26)や税の有無を確認する。相手はそこ(バゲッジクレーム)を出て渡り左に曲がって3番エリアで待てという。そのとおりに外へ出るけど、わかんないよ〜、3番エリアとはどこなのだ? よくみると、あったあった。1番がタクシー、2番がエアポーターシャトル(名前が似ているけど別物)で、エアポートシャトルは3番にすでに止まってバンの腹の「AIRPORT SHUTTLE」を確認し私の名前を名乗るとわかってくれた。
ここから宿まではちょっと道路が混んでいて一時間以上かかった。途中マウイオーシャンセンターを通りすぎるが、何も無いところにいきなりこれだけがあって、外観からすると大した大きさではなさそうなのに、入場料$17は高い。ドライバー氏のそうした説明を聞いて、乗り合わせた米国人カップルも「ばかばかしい価格だ」と驚いていた。このようにドライバーは途中観光案内もしてくれて荷物もホテル入口まで持ってきてくれたので、運賃$26を支払うのに$20×2枚をだして「$10 back, please」。
さてASTON MAUI ISLANDERにチェックイン手続きをする。チェックインタイムは15時だが、今は14時すぎ。ルーム係りに聞いてくれたが30分だけまってくれという。しかたないので、ベルデスクに頼んで荷物を預け、我が懐かしき街ラハイナのフロントストリートへ出た。しばらく懐かしさにまみれてあるきまわっているうちに、昼食をとっていないことに気づき、今から重いものを食べても...と、ザ・ワーフ1FのOrange Juliusでハンバーガーデラックスとスプライト(小)を食べる。
ちょっとだけ軽いものを食べるというと、ほとんどハンバーガーやピザの類しかないのが米国なのか。その間にコンビニで買ったコーリングカードを取りだして、トールフリー番号とPIN番号をメモ帳に書き写す。これは何かというと一種のプリペイドカードで800番の無料通話を利用したもので、カードで指定された800番に電話し、つづいてPIN番号(暗証番号)をいれ、ガイドにしたがって国際電話でも島内電話でもすきなところをまわせば通じるというものだ。これは$20で日本まで約40分ほど話すことができるとってもお得なカードでぜひ利用していただきたい。カードには$10のものと$20のものがある。私は滞在中毎日十分ほど妻にラブコールをしていたが、それが四日分でほぼ丁度だ。一分何十円かという勘定なのでこれは日本国内の長距離電話や携帯電話に比べても距離を考えると十分に安い。逆にいえば日本の電話が思いっきり高過ぎるのである。
そんなことをしているうちに三時になり無事部屋に入れた。部屋は1ベッドルームであるがひろい!今まで高い価格でとまったリゾートホテルが嘘みたいだ。ただ、割り当ての部屋が駐車場の前の1Fで(といってもほとんどの部屋の前には駐車場がある)植え込みがあるとはいえ、レースのカーテンとかないからちょっと開けられない。米国人は気にしないのかもしれない。また、木造2F構造なんでちょっととなりの音がよく聞こえる。これでは夜のあえぎ声とかも響きそうだなぁとかつまらぬことを考えてしまう(派手な声を出せば間違い無く聞こえるだろう)。しかしラハイナでこの広さこの価格($99/nightで、これはProperty Specialという割引レートである)は許せるし、立地条件はかなり良い。カアナパリの高急ホテル一泊で、ここなら広い1BRで三泊できる。しかし正直なところを言えば、部屋に入ったとたんに家族と一緒ではない寂しさが心に広がったのも事実だ。
部屋で一休みして着替えて貴重品を暗証番号六桁を自分でセットするタイプの電子金庫にいれてから、食料品を買いに出発。Foodlandというスーパーがあるはずだすが、これが日本人向けではなく、地元や米国人滞在者向けであり日本のガイドブックの地図には全くのっていないといてよい。存在を知ったのも英語のWebサイトを見たからだ。ハワイといえども押し着せツアー利用の大半の日本人から離れた行動をしようとすると、英語サイトで情報をあつめるのは当たり前中の当たり前だ。しばしあるきまわってようやくFoodlandを発見、ああ、つかれた。しかし、寝不足で頭がぼーっとしているためか、
とわけのわからぬものを購入。帰ってきて広げてみてしばし唖然とする。
調味料はなにもないはずが、塩とコショウが置いてあった。日本から塩、コショウ、醤油のミニペットボトルをもってきたのに。でも、これで何をつくろう、そうか材料から察するにシーフードパスタにするつもりだったようだ。いかん、海老があるのに白ワインがないぞ、他のシーフードがないぞ。まあ、仕方ないか。電熱なのでパスタを茹でる湯を沸かすのに時間がかかるが、なんとかパスタをゆで、そのとなりでフライパンをあたため、オリーブオイルを加熱して海老を炒め、ほどよく香りがたってきたところでゆであげたスパゲティを若干のゆで汁とともに一気に入れる。これをよくまぜて塩、こしょうであじをつけ、フレーバーのためにちょっと醤油をふってできあがり。どんな味がするんだか半ば恐怖だ。
しかし、食べてみるとかなり意外なことに美味しい、海老しかないのが逆に幸いして、海老の香りとスープが出て、醤油がそれにからんで、オリーブオイルの香りも味もよく意外にいける。まさにひょうたんからこま、これはなかなかよい。海老ははずさずに他のものを入れてみるといいかもしれない。
かくして一日目は終わった。
夢の中で叫んだ自分の声に目が覚めてしまい、それからなかなか寝付けなかった。一晩過ごすとこの広さで一人というのも大分慣れてきた。
朝食の前に昨日手に入れておいた何種類かの Free(無料)の案内小冊子と自宅でWebからとって縮小プリントしてきた、West Maui Shopping Expressの時刻表を見ながら考える。目的地はカアナパリとラハイナ・キャナリー・モール。このバスのカアナパリ・ラハイナコースはつねに同じ停車順序で往復しているわけではなく、その時間帯によってラハイナ(ワーフシネマ)とキャナリーモールの二つについて廻る順番が変わってくる。全停留所の時刻表はラハイナで Free の案内小冊子があるようなところには大抵置いてある。検討した結果、ラハイナから最初にカアナパリへ行き、そこからキャナリー・モールへ行って、最後にラハイナに戻るのが最善のようだ。キャナリー・モールではラハイナ行きは多いが、カアナパリ行きはぐっと少ないのである。
そうえば昨日の買い物で朝食のことを考えていなかった。やはり寝不足で買い物をするとろくなことがない。飲み物もろくに買っていないのだ。外で朝食をとってもよいのだが、まだ昨日午後ついたばかりで様子がよくわかっていないこともあるし、ふとキッチンを見ると昨日購入したシュリンプフレーバーのカップラーメンがあるのでそれを食べる。
どうも電熱コンロというのは湯沸かしには向いていない。最強にしてもガスコンロのようにぼこぼこと勢い良く沸騰することがなく、ぽちぽちと小さな泡がたってくるだけである。これではまだ沸いていないと思ってしばらく放置すると、沸騰の勢いは弱いままで湯は蒸発して少なくなってしまう。どうにも歯がゆい奴である。
さて質素な朝食をすませてワーフシネマセンターにむかう。ここは文字通り映画館があり、昨日からポケモンが始まっているようだ。南北に2kmほどのラハイナのフロントストリートの店舗街の中では南よりにあるが、その正面にある有名なバンヤンツリー(菩提樹)とともにラハイナのランドマークとして欠かせない存在だ。West Maui Shopping Expressというシャトルバスもここが起点の一つだし、各社のツアーバスもラハイナのワーフシネマセンターは欠かさない。JTBのOLI OLIバスなどはこのワーフシネマセンターの真正面に停車する。
そういえば一昨年までは、シュガーケイントレイン(さとうきび列車)のラハイナ駅とワーフシネマセンターを結ぶ赤い二階建ての無料シャトルが出ていたが、今年は無料二階建てバスは見かけなくなり、かわりに一乗車$1でWest Maui Shopping Expressを運営している会社がシャトルを運営しているらしい。滞在中一度も二階建てバスを見かけなかったところをみると、おそらく同じトロリータイプのバスになったのだろうか。
West Maui Shopping Expressはサンフランシスコのケーブルカーみたいなデザインの窓ガラスのないオープンスタイルのバスで一乗車につき$1と安い。ツアー会社のお仕立てバスだと当然の事ながら日本人だけが乗っているのだが、このバスには米国人の子ずれ旅行者、おじちゃん、おばちゃん、おにいちゃん、おねえちゃんたちが乗ってきて、日本人はたまにハネムーンカップルらしいのが乗るくらいだ。
マウイ島はオアフ島と違って日本人客は比較的少ない。それでもカアナパリの The Westin Maui といったホテルには日本人は多いが、ここラハイナには日本人が少ない。今は時期的なものが大きいが、基本的にラハイナには日本のツアー会社好み・日本人観光客好みの高価で豪華なホテルが存在しないから、ツアーを使うことが多い日本人客は自ずからラハイナに宿泊滞在することはめずらしくなる。ラハイナで日本人客をみかけるのは、ツアーの仕立てたバスに乗ってこの街に遊びにくる昼間だけであり、朝晩は米国人や地元の人ばかりである。
私が乗った West Maui Shopping Expressのバスはカアナパリエリア再北端のラハイナ・リゾートへ向かいそこから南下してホエラーズビレッジを経由するので、私はホエラーズビレッジで下車する。ここはワイキキにつぐブランドショップの集合地帯だが私はそんなものには興味はない。しばらく懐かしさもあってあちらこちらをうろうろし、鯨博物館を見てさらに懐かしさに浸ったあと、ここへ来た目的の店である「エンデンジャード・スピーシーズ(絶滅寸前種の意味)」にくる。売上の一部が絶滅寸前種の救済に寄付されるということだ。ここで娘のリクエストのものを購入し用事は果たした。ABCストアで切手と絵はがきを買うが、レジ切手が欲しいというと店の中の機械で売っているという。ここで買うと20セント切手二枚で40セントなのが手数料が入って60セント、33セント切手二枚が85セントである。他にここでは売っていないので仕方ない。ちなみにカフルイ空港のニューススタンドで買うと55セント切手が75セントだから、そこよりは安い。ラハイナに滞在しているのだから、ラハイナの郵便局で買えば額面通りで買えるのは言う間でもない。
ホエラーズビレッジの1Fのフードコート内のチャイニーズコーナーで、"Korean BBQ Beef"と小さいサイズのコカコーラを求める。三種類のつけ合わせを自分で選ぶことができ、豆腐と白菜キムチと胡瓜キムチをオーダーする。肉のつけ合わせはサラダ代わりのライスであり都合がよい。肉がやや堅めであるがまあまあ食える。キムチが結構辛くてひーひーしてくるのだが、これには甘いコークが旨く調和する。どうも日本だとこういう組み合わせを食べることはほとんどないのだが、ここにくると乾燥した気候も手伝って不自然でなくなるのが不思議だ。コークを飲みながら、自宅と英会話教室の先生に絵はがきを書くが、普段外国からはがきなど出すこと無いしもらうこともない(大抵はE-Mailで事足りる)ので、横にしたとき住所は右側か左側かどちらに書くのかわからないのが情けない。
そんなことをしているうちに、ラハイナ方面行きのバスが来る時間になった。バスの便数はホエラーズビレッジからならほぼ一時間に一本あるのであらかじめ時間を考えて行動すれば全く問題ない。ここからキャナリーモールはラハイナまでの途中にあるが、この便はそうはゆかなくて、まっすぐラハイナに戻ってしまい、そこからカアナパリにむけて北上する途中でキャナリーモールに立ち寄るからちょっと時間がかかる。またこのバスは意外に時間が正確で、ハワイアンタイムではなく、ジャストインタイムである。早めに停留所に着くと発車時刻まで止まっているからありがたい。West Maui Shopping Expressは信用してよいバスだ。
ラハイナ・キャナリーモールには約50ほどの種々の店があるが、キーテナントは食品スーパーのセーフウェイと雑貨中心のロングスドラッグだ。菓子類などはどちらにも置いてあるので、値段を比べて安いほうで買うのがよいが、おおむねロングスドラッグのほうが安いようだ。私が求めたマウイ・クッキーはセール中でABCストアで$1.99なのが、$1.39になっていた。何を買いに来たということはなかったが、ここは前回ひょんな事から立ち寄ったのだが、今回もう一度ゆっくりみてみたかったのである。
ラハイナへ戻り一旦宿に帰ると、ここはコンドミニアムであるがアストンがメイドサービスをつけているので、ちゃんと部屋がメイクアップしてある。買ってきたクッキーなどを置いて、フロントストリートに出る。妻から要請されていたワーナーブラザーズスタジオストアでハワイ(マウイ)オリジナルのトゥイーティーちゃんグッズを買うためである。いろいろ悩んだ挙句、MAUIのロゴ入りトレーナーやキーチェーンを買ってから店を出て、フロントストリートに戻る。フロントストリートをぶらぶらしていて、ふと通りの向かいをみると、なんとここにもエンデンジャード・スピーシーズがあるではないか。前からあったけど気づかなかったのか最近できたのかは定かではないが、例によって日本人の興味を引くものはないらしく、ガイドブックにもあまり乗っていないようだ。ここにこれがあるのならわざわざカアナパリまで行くことは無かった。
さて、今日はどうしてもやりたいことが一つある。それはフロントストリートからラハイナサンセットを見ることだ。実はフロントストリートには西側に店の並び途切れて道路が海に面しているところがあり、ここからサンセットが非常にきれいにみえるはずなのだ。幸い今日は雲がほとんどなく、ラハイナから真正面に位置するラナイ島の山頂付近に沈む夕暮れをみることができるだろう。雲はぜんぜんないと赤い色が生えないし、ありすぎると太陽が見えないが、今日は太陽を隠さない位置に手ごろな大きさの雲がある。
今の日の入りは17時35分ぐらいなので、10分ぐらい前から道路の歩道の海際にたって柵によりかかりながらサンセットを待つ。周囲を見ると同じようにサンセットを見ようとする人が同じようによりかかっていたり、道路に備え付けのベンチに座ってスチロールの容器に入ったデリ(おかず)を食べていたりするが、皆サンセットを待っているのである。やがて太陽が山の端にかかり赤味が増してゆき、そばの雲もオレンジに染まる。私はこのときとばかりとデジカメを出して何枚も撮影し、合間にレンズ付きフィルムでも撮影する。一月のハワイ島コナでは曇っていてサンセットが見られなかったので、今日のような綺麗な夕暮れには大満足だ。このラハイナサンセットが今回の旅の目的の一つでもあるのでとにかく大満足。
日も落ちて暗くなってきたので、Foodlandへ行って食料を調達する。まだ、スパゲティが残っているから昨日の続きだ。大きなマッシュルームを三個、マウイオニオンを一個、そしてアヒ・ポキの醤油味(マグロぶつ切りをスパイスや醤油、ごま油などであえたもの)をカウンターの対面コーナーで半ポンド買う。アメリカ人のおばちゃんも同じ物を同じ量だけ買っていたのが愉快だ。
今日はキノコスパゲティにしたが、やはり海老ほどではない。というか、海老がないとあの風味がでないのだ。オリーブオイルに海老の風味が溶け込むからあの風味と味がでるのだろう。海老によくあう素材を探したほうがよいかもしれない。これは帰国していろいろやってみる価値がありそうだ。
今回はせっかくフルキッチンがついたコンドミニアムなのだから、夕食をそとで取ることはあまり考えていない。少しでも「生活」したいのである。コンドミニアムのフルキッチンを使ってみてわかったのだが、アメリカのキッチンは高さが丁度良い。どうも日本のキッチンは低すぎて腰が痛くなることが多い。これでコンロが電熱式でなければもっといいのだが、これは安全上やむを得まい。一般に壊れやすいというが便利なのがキッチンシンクについているディスポーザーだ。生ゴミを水を流しながら電動でこなごなにしてしまうというもので、海老の薄い殻とか、りんごの食べカスなどはこれで全部処分できる。例えばジャガイモの皮をピーラーでむいてもシンクの中の皮を拾わないでそのまま排水口におとしてしまい、水を思いきり出しながらスイッチをいれて十数秒程度でこなごなになるようだ。
またここは対面キッチンで、シンクと調理台が居間に向いているが、これが思ったほど水も飛ばずなかなか使い勝手が良い。シンクの水道栓がちょっと手前に傾いているのだが、この傾きのために水道栓の付近が水ひたしになることが少なくひねりやすいのは目から鱗のアイデアだ。
さて二日目も予定通り満足に終わった。明日はいよいよ今回のメインイベント「ハナ&Y東マウイ一周アドベンチャーツアー」の日だ。車の中で眠ってしまっては芸がないので早くベッドに入るとしよう。
このページの先頭へ戻る
トップページへ戻る
三日目は日本から電子メールとFAXを使って予約しておいたプアラニアドベンチャーズ(SUPERBEANS,INC)の「ハナ&東マウイ一周アドベンチャーツアー」に参加する日だ。このツアーは最小催行人員が二名なので、万一私しか予約がないときは自動的にキャンセルになり、その場合前日に連絡があるはずだが、何も連絡がなかったからOKなのだろう。
このツアーの主催会社は、EKAHI TOUR から独立された小暮よしひろ(Yoshi)さんが運営されている会社で、日本語ガイドによるガイドツアーである。申し込んだ後から知ったのだが、LOOK JTBなどのオプショナルツアーとしても契約されているようだ。私はWebサイト http://www.maui.net/~micrin/ を検索サイトから調べあてて直接電子メールで予約し、デポジットの為のクレジット番号は国際FAXで送付しておいた。
ツアーのピックアップはホテルまで来てくれるが、それに遅れてはまずいので、ピックアップ時刻の7:15AMには15分ほど早い7:00AMごろに宿の入口で待っていた。すると時刻通りにプアラニ・アドベンチャーズのロゴの入ったバンが現れた。私が宿泊する Aston Maui Islander にピックアップにこられたのは社長の奥様だった。そこからカフルイのサンドイッチ屋さんにゆき、そこで他の方四名(カップル二組)を乗せた車と合流するというか、私が向こうに乗り移るわけだ。実際にツアーに使う車は人数が五人少なめなので、七人乗りのミニバンになり一人の私は大好きなナビゲーターズシートに乗せてもらえて、超ラッキーでウキウキである。なんといってもやはり一番前が良い。
車は、落ちあい場所のサンドイッチ屋さんを出ると、すぐに36号線(Hana Hwy)を東へ向かう。
ボードセイリングの世界大会を開催中のホオキパビーチ(Hookipa Beach)を左手に見て、さらに進み最初の停車ポイントは、映画パピヨンの最後のシーンや、ジェラシックパークの冒頭のシーンの撮影に使われたケアナエ半島(Keanae)が見えるところだ。
つぎにワイルアの見晴台を通り、ナヒクのフルーツスタンドに立ち寄る。日本では見かけないフルーツも少なくないが、パッションフルーツの中味というのをここではじめてみた。こちらだとスーパーやABCにパッションフルーツとオレンジのミックスジュースが売っているのだが、これなんだぁと妙に関心。ここの展望コーナー(?)から見える景色も絶品である。
カフルイをでてしばらくしてから、このフルーツスタンドをぬけてハナにつくまでが全米でも屈指の難所だそうで、カーブの多さはは確かに天下一品。まさにワインディングロードであり、見とおしのきかないヘアピンカーブがこれでもかというほど続く。右側が山側、左側が海側というワインディングロードで、右側通行の国だから右へ曲がるヘアピンカーブでは見とおしもへったくれもない、ぜんぜん先が見えない。それでも毎日のようにこの道を運転するプロのツアードライバーはさすがに違う。
私はミニバンの助手席にのっていたから非常によくわかるのだが、レンタカー(米国人運転)はナンバーをみなくてもそれとわかるおっかなびっくりの運転をしている。初めてこのHana Hwyを運転する人と毎日のようにこの道を通るプロのツアードライバーとは比較するのは酷というものだが、しかし傍目からみるとレンタカーの運転のほうがはっきりいってむちゃくちゃ怖い。先に何があるか道路の様子も熟知して、危険な場所をきちんと事前に認識できている地元のプロドライバーと、はじめてくねくね道を通る人をくらべたら気の毒だが、あれをみていて「こりゃ自分でレンタカーを運転してくるところじゃねぇな」と感じたのが正直なところだ。これが日本人の運転するレンタカーになると、なれない右側通行が加わるからかなり危険なのは間違ない。時々この道を初めて走ったけどゆっくり行けばなんとかなったよ、という話しを聞くのだが、たしかになんとかなっているだろうとは思うが、私のように感じる人もいるのも事実なのだ。少なくとも初回はガイドツアーにのって自分で走るのは2回目にしたほうがよいであろう。余談だがゆっくり走っていると今度は後ろからツアーの車に煽り立てられることも覚えておいたほうがよい。
このあと、車はハナビーチパークでランチタイムだ。メニューはあらかじめツアー会社のほうで仕入れてクーラーボックスで持ってきたサンドイッチだ。私はそのサンドイッチ屋でシュリンプサラダのスモールサイズを「to go(持ち帰り)」にしてもらって(最初は here(そこで食べること)で頼んだのだが、あまり時間が無いことに気づき、店員に頼んでto goにしてもらった)、クーラーボックスに一緒にいれていただいた。場所柄雨が多い場所なのだが、やはり時々雨がぱらつくので屋根のあるベンチで新婚さんのお邪魔をしながら、いや、お話をしながらの食事だ。どこかの飼い犬のシェパード(の雑種かも?)が現れて私のそばから離れないので、「Sit!」というとちゃんとおすわりをして躾がいい。おもわず「Good boy!」と頭や首をなでてやると体で喜びをあらわず。犬は犬好きなちゃんと見分けるのである。もちろん食べ物は与えないのはいうまでもない。
さて、つぎはかの有名な Hasegawa General Store だ。ここはHanaの生活の中心であるといっても過言ではない。UPSのparcel(小包)の中継もしているようで、入口の掲示板に日付と名前が書かれていることからもそれがわかる。中は、まさに田舎の何でも屋で、具体的な製品名にこだわらなければおよそ無いものはないのではないか。掲示板をしばらくみていたのだが、いろいろな掲示があり地元のコミュニティの中心の一つであるのがよくわかる。
ここを出て走ると右手に「路傍のマリア像」がある。教会から盗まれてここ(小さな溶岩洞窟の中)に置かれて以来ずっとあるのだそうだが、驚いたのはその隣に白い洋服を来た綺麗な若いお姉さんが立っていたことだ。あれはいったいなんなんだろう...。ヒッチハイカーには見えないし....。こういう発見があるのもツアーだからこそであり、自分が運転していたのではそんな余裕は皆無に違いない。そして車はさらにすすみ、七つの聖なる池(プールズオブオヘオ)の上の橋をわたって公園管理事務所近くで下車。
ここから十数分くらいかけて歩くことができるトレイルがあるので、そこを歩く。一人なので自分のペースでゆっくり歩いたりさくさく歩いたり自由にできるのがうれしい。途中で同乗のカップルの写真を撮ってあげる。随所に良い景色があるが、絵はがきに出てくる写真と同じ光景がそこに広がるのが驚きだ。ここの公園事務所にゆくと、ハレアカラ国立公園のパンフレットとハナハイウェイと通ってからわざわざきたんだぞという証明書が貰えるので私は$1を寄付して証明書を貰う。
次は「翼よあれがパリの灯だ」で有名なチャールズ・リンドバークの墓を見学する。彼は一時ここに別荘を構えて住んでいたそうだが本来の居住地はニューヨークだ。しかし末期癌に侵されて自分の死期を悟り、ニューヨークの雑踏では死にたくないということで特別機でマウイに渡り、自分で葬式の手配なども全部行って、結局到着後一週間で亡くなったという。こういう話しを聞くことができるのもガイドツアーの良さであろう。
ここから先は、レンタカーでは通行規制(保険が降りない)の区間だ。未舗装区間のでこぼこ道になり、これまでの左右のゆれから上下のゆれにかわる。ガイド氏の言葉を借りれば「横ゆれと縦ゆれの両方が楽しめる3Dアドベンチャーツアー」なのだ。途中何箇所か停車するが、ハレアカラの南麓から見上げる光景は、ビッグアイランドでボルケーノからチェーン・オブ・クレーター・ロードを降りて海岸付近からボルケーノを見上げる光景とそっくりで、これらニ島が兄弟島であることをうかがわせる。ただ、ここはValley Island(渓谷の島)のニックネームの通り、雨による侵食がビッグアイランドよりすすんでおり、色もビッグアイランドのボルケーノの黒、マウイ島のハレアカラ山の茶や薄緑と違うが、うける感激はそのままビッグアイランドのそれが脳裏に読みがえりもう胸はいっぱいになる。ここを見た方はぜひビッグアイランドでボルケーノへゆき、チェーン・オブ・クレーター・ロードを下って(ツアーだとそこまで下りないと思うので自分でレンタカーを運転する必要があるだろう)、また山に引き返すときに見える風景を見てほしい。
さてここを過ぎるとツアーはハイライトを終わったことになる。最後はテデスキーワイナリーでワインのテイスティングだ。私はここでパイナップルワインというものを初めて飲んだが、いや意外に美味しいものだ。本当なら何本か買い求めたいところだが、さすがに持てないのでワインは購入せず、そのかわりに、やはり試食して美味しかったホワイトチョコにパイナップル片とマカデミアナッツをいれたものを買いものとめた。一般のホワイトチョコみたいに甘くなくて実に美味しい。「BIG TIME」ブランドの「HAWASIIAN MACADAMIA NUTS PINAPPLE SNOW」というピンクの箱のチョコである。これはマウイ広しといえどもここでしかうっていないらしい。唯一の例外は....マウイのある街のある店だけらしいが、これはぜひこのツアーに参加してガイドさんから直接聞き出していただきたい。私はそれを聞いて、翌日その店に行って詰め合わせの個数は違うけれど、まさにそのものが売っていたのをこの目で確認した。
このテデスキーワイナリーを出ると全行程は終了でキヘイでカップル達と分かれて、ラハイナまで送ってもらってツアーは終わりだ。分かれるときに素晴らしいガイドをしていただいたガイド氏(この日は偶然社長のYoshi氏)にチップを渡して終わりだ。
時刻もそこそこ遅くなったので、ホテルにリュックを置いて手ぶらで夕食を食べに出かける。たしか Lahaina Square内デニーズがあるはずなのだが、それがすぐにわからなくてしばらくうろうろした。ようやく見つけたのだが、外国で一人で見知らぬレストランに入るのは勇気がいるもので、入り口階段(デニーズは二階)付近でしばし躊躇っていた。それでも入ってしまえばあとは簡単で別に心配することは何もない。ここでロコモコとコークを頼んでオーダーが出来あがるのをしばし待つ。
この Lahaina Square は撤退した店が何軒あって寂れてきている。タコスのタコベル、フィットネスセンター、デニーズ、自転車屋くらいが残ったメインビルに残った主要テナントのようだ。ここは日本人はおろか観光客そのものがあまり来ない地元の方ばかりの店のようだ。もっとも、日本人観光客が来ないのは明らかな理由があって、「どこのガイドブックにも紹介されていない」からに他ならない。多くの日本人はガイドブックにある店にしか行かないからだ。それに Lahaina Square そのものが載っていないガイドブックだってある。私はこの日のツアーで裾がちょっと汚れたチノパンと一張羅ではない着古したポロシャツだけで荷物ももたず、Honolulu Advatiser(ハワイの地元新聞)をかかえてロコ(地元民)のような顔で入っていった。いかにも日本人観光客!って格好だと目だって仕方ないだろう。注目を浴びたい向きにはいかにも日本人観光客という感じで大勢で入ってゆくと、店内の客の視線が集中することうけあいだ。もちろん日本語メニューなんかない、と思う....私が案内通りに座ると黙って英語メニューが出てた。まあ日本語メニューなんか要求しなかったのが....。
そのあと暗くなったフロントストリートを散策。有名なババ・ガンプは恐ろしく混んでいて、店の外まで待ちの客が列をつくる始末。全部米国人であるが物好きはいずこも同じと見える。また最新のガイドブックにも掲載されているプラネットハリウッドは閉店してしまっているので注意されたい。
今日は、午前中の間にぜひ見たいのが、フロントストリートのドームシアター「THE HAWAII EXPERIENCE DOMED THEATER」 で「HAWAII, ISLANDSOF THEGODS」というハワイ諸島を紹介した映画だ。午後はメインランドからマウイに移ってきた知人(プライバシー保護の観点からこの部分は完全に省略)と会う予定だ。
昨日はツアーピックアップが7:15AMと早かったので、今朝はちょっとゆっくり起きて適当に朝を済ませた。そしてまず最初に向かったのがラハイナの街の南端にある「505フロントストリート」だ。ここの存在は知っていたがまだ一度も見たことがなかった。ここもショップやレストランが集まったところなのだが、私は買い物にきたわけではなくてどんなところか見たかっただけなのだ。
朝が早いのでまだほとんどの店は閉まっているが、ここで開いていたコンビニ(ギフトショップ)で、「ハナ&東マウイ一周アドベンチャーツアー」で通った「ハナ・ハイウェイ」についていろいろ説明している小冊子「MAUI'S HANA Highway」を発見、さらに「MAUI SCREEN SAVER / CD-ROM 51 FULLCOLOR IMAGES」というものを見つけてこの二つを購入した。ちなみに私が今回の旅行で自分だけのために買ったものはただこれだけだ。あとは妻や娘への土産、家族で楽しむ菓子類、ごく少数の義理土産の類だけだ。飲み水がないので買ってついでに買い求めてリュックのサイドポケットへいれる。マウイ島にしてもビッグアイランドにしても、島の西側は気温が高く湿度が低いので水分を気をつけて補充しておかないと脱水症状を起こすことがあるから、ペットボトルの水は必須である。
ドームシアターは朝10時から毎正時上映開始で、その20分前からチケットを売り出すのだが、まだ時間がかなりあるので、さらにこのあたりを探索する。505フロントストリートの中を抜けるとビーチのほうに出る。時間がはやいせいか、まだ人も比較的少ないようで綺麗なビーチだ。今度来た時はさきのコンビニでビーチマットを買い求めて寝転んでいるのも一興かもしれない。ラハイナは小さな港町なので、中心部にはビーチは存在しないが、このあたりにくるとこんなふうにビーチがある。ただし淡水シャワーなど一切ないのは言う間でもない。
そうこうしているうちに、十時が近くなってきたので、505フロントストリートを後にしてドームシアターのほうに向かう。ここの入場料は大人$6.95(税別)だ。70mmフィルムを使って球の四分の一を切り出したようなスクリーン、つまり球をその中心部を通る平面で切り取り、さらにそれを半分にした形状のスクリーンが目の前に広がる。上映される「HAWAII, ISLAND OF THE GODS」は手もとのパンフレットによれば次のような内容だ。
内容はハワイの歴史というか神話から始まって、現在のハワイの自然を海中で、陸上で、そして空から撮影した物で、特にカウアイ島のワイメア・キャニオンの空撮は、目の前左右180度近く頭上90度近くにまで広がるスクリーンに投影されて、まさに自分が飛んでいるような錯覚に陥る。入り口が小さいので見逃して見落としがちだが、これは一見の価値がある。ラハイナへ行ったら是非これをみていただきたい。もちろん映画中の解説は英語しかないが、めちゃくちゃ難しい英語ではない。それにヒアリングが苦手な人は映像だけを見ても大変素晴らしいものだ。美しい物に言葉はいらない事を実感する。
昨日のツアーでテデスキーワインの売店で売っていた「BIG TIME」ブランドの「HAWASIIAN MACADAMIA NUTS PINEAPPLE SNOW」というピンクの箱のチョコが、ガイド氏によればある店に売っているというので、それを確認すべく足をそちらのほうに向ける。このように主要な箇所は全部徒歩でゆけるのがラハイナのいいところである。端から端まで歩いてもたかだか2kmほどだから、まさに徒歩がぴったりの街なのだ。そして目的の店の中に行くと....確かにあった。ただ、テデスキーワインで売っていたのは15個入りだが、ここのは箱は小さくて10個入りのタイプしかなかった。他の島で売っているのかどうか知らないが、少なくともホノルル国際空港やマウイのカフルイ空港の売店には売っていなかった。
さて、映画が終わったけれど、友人がピックアップしてくれるまでまだちょっと時間があるので、オールドラハイナセンター内の食品スーパーマーケット「Foodland」に隣接したスターバックス・コーヒーに向かう。私はエスプレッソはあまり好きではないのだがコーヒーが飲みたい。そこでレジ近くで店内メニューを見上げると今日のコーヒー($1ちょっと)というのがあるので、今日とは何だと聞くと「特製のハウスブレンドだ」という(結局毎日ハウスブレンドなのではないか)のでそれを買い求めて店内で休憩。店内にはマウイの映画やイベント案内をしたフリーペーパーがあるのでしばしそれを読みながら時間つぶし。
このあとは知人と会って知人宅にゆくことになり楽しいことが沢山あったが、プライバシー保護の立場からこの部分の詳細は省く。
四泊六日というのは短くて今日はもう帰る日になってしまった。私はレンタカーを借りているわけではないので、空港までの足はマウイ島のシャトルサービスの一つである Speedi Shuttle のピックアップを日本でWebから予約しておき、その予約確認の電話は昨日のうちにすませておいた。個人手配で失敗しないコツは、こうした予約の確認を確実にこなしてゆくことだ。特にピックアップを依頼する場合は、待ち合わせ場所もよく確認しておかないと互いに違うところで待つことになることだってあるから要注意だ。このシャトルサービスは価格は人数が多いほど割安になり一人だとわりと高くてラハイナと空港間の片道が$26(チップ別)である。
予約したピックアップの時刻は7:00AMだが、シャトルが早く来てしまいその場にいなくて置いてけぼりを食ってはたまらないので、部屋は早めにチェックアウトをする。ピックアップまではまだ15分ほどあるので、最後に Aston Maui Islander の外観写真をデジカメで撮りまくる。
ピックアップタイムである7:00AMの5分前くらいにシャトルがやって来た。ホテルに入ってきた Speedi Shuttle のバンを見つけて嬉しくなり、おもわず片手を上げて合図すると、ドライバも手を上げて合図を返してくれる。一応カフルイ空港行きを予約した者だと確認してから乗車する。カフルイ空港は時間によってはチェックインが混雑するので、空港へは早めに着くようにしたほうがよい。この日はメインランド行きの航空会社のチェックインカウンターはかなりの列だったが、アロハ航空のカウンターはそうでもない。
このチェックインのときに成田までのスルーバゲッジを頼むのはいわずもがな。JALの航空券とパスポートを見せて、日本の成田までのスルーバゲッジを依頼する。航空券の予約時点でホノルル経由のカフルイまでの往復であるという旅程が航空会社のコンピュータに完成されインプットされているので、処理も簡単。出てきたクレームタグには、ホノルル経由の成田行きになっており便名も間違いなく、さらにちゃんと私の名前も入っている。いつまでも空港の外にいても仕方ないので、早々にセキュリティチェックを通って中に入る。
カフルイ空港はセキュリティチェックを抜けてエスカレーターを上がったところに何軒かの土産物屋やニューススタンドがある。ここのニューススタンドでペーパーバックを物色していたら、日本人のおばちゃんが入ってきて切手を買おうとしたが言葉がまるでわからないらしく、売店のおばちゃんもそのおばちゃんも困っているので通訳としての助け舟をだしてあげる。さらにおばちゃんがポストの場所も私に聞いてくるのだが、さすがにそれは私も知らなくて店員のおばちゃんに教えてもらい、お客のおばちゃんをポストのところまで連れていって、日本宛ての住所の書き方("JAPAN" と "AIR MAIL"だけをしっかり書けばあとの住所は日本語でよい)と投函の仕方を教えてあげた。話しを聞くと三島めぐりツアーで、最初がマウイでそれからビッグアイランド、そしてオアフに行くらしい。「ビッグアイランドは私も一月に行ったけれど良いところですよ、どうか気をつけて楽しんできてくださいね」と私が言うと、このおばちゃんは満面の笑みを浮かべて丁寧にお礼を言ってくれた。ハワイの日本人客というとどうもマナー違反の我が侭し放題の奴らばかりが目立ってしまうのだが、こういう礼儀正しい人もいるのだということで少しは気が楽になった。ちなみにそのおばちゃんとはしばらく後にも空港内ですれ違い、再度お礼を言われてしまい、かえってこちらのほうが恐縮してしまった。
さて、アロハ63便は定刻通り出発するが、行きと違って帰りはダイヤモンドヘッドの真上は通らない。しかし着陸前に急旋回かつ急降下して滑走路に進入するから前方席右側窓際に席を取る(席は早い者勝ち)と迫力満点である。「うわー、落ちるぅ〜」とは極端ではあるが、でもそんな感じ。
ホノルル国際空港では、インターアイランドターミナルからメインターミナルに向かうのに二通りの経路がある。到着ターミナルによってどちらが便利かはちがうだろう。私の場合は何故かいつも Baggage Claim に近い側のターミナルなのでそちらからの経路しか知らない。もう一つは「U.S.Main Land/International」と書かれたほうの通路で、こちらにゆくと、メインターミナルのセキュリティチェックの内側に直接行くことができるようだが、外側にあるメインターミナルの各社チェックインカウンターを使うことはできない。この場合は恐らくゲートのところのカウンターでチェックインすることになるのだろうが、使ったことがないから詳細はわからない。
日本人の多い八月などの時期だと、ほとんどの日本人はツアー客で、それもホノルルに立ち寄る客が非常に多いため、皆さん Baggage Claim 方向に進んでエスカレータをおりて Baggage Claim に向かって行く。ホノルルで宿泊せず直接帰国する場合に、ひよこのようにこの日本人の列についてゆくと、メインターミナルでは到着ロビーのフロア(1F)に出てしまうので、改めて2Fの出発ロビーに行くのはいささか大変だろう。特に乗り継ぎ時間が少ないと、あせるばかりでどこへ行って良いかわからなくなり、パニックになる可能性があるので要注意だ。
Baggage Claim に下りるエスカレーター脇の通路を出て(くれぐれも下りエスカレーターを使うための一方通行の出口からは出ないこと)、アロハ航空のチェックインカウンターを左後ろに見ながらWIKI WIKIバス(空港構内を巡回するバスで幾通りかのコースがある)などが通る一般道へ出て、そこの歩道をメインターミナルに向かう。わかからなければ、出口付近には必ず警備のおじさん・おばさんがいるので聞けばきちんと教えてくれる(おそらく日本語は解さないだろう)。実際私は一月のビッグアイランドからの帰りにわからなくなって聞いたし、今回も念のために聞いてみたが二度とも英語できちんと応えて
くれた。
メインターミナルにつくと、そこはいきなり日本人ツアー客のトランクやら人の山で、これまたどこへゆけばわからなくなるのだが、そういうものには一切目もくれず、まっすぐJALエコノミークラスのチェックインカウンターへ行き搭乗手続きをすませる。ここでカフルイで作ったクレイムタグを要求されたので提示し、引き換えにボーディングパスを貰って手続き終了だ。
ホノルル空港にはいると、日本へ向かう飛行機が使うゲートは26〜34なので、セキュリティチェックを抜けたら、ゲート26〜34へ向かう方向の通路はどこをみても日本人だらけだ。まだ、時間はたっぷりあるのでちょっと空港内を探検だ。私自身はDFSのブランドショップには全く興味はないが、それでもどうしても土産物屋に入りがちだったし、時間的な余裕はあっても一時間くらいだったが今回は一人で素早く行動したせいもあって、たっぷり二時間はある。
ホノルル国際空港のセキュリティエリアには「Pacific Aerospace Museum」があり時間をつぶすにはぴったりである。ここではハワイを中心とした航空史を知ることができる。入場券を買うときに係員に言えば日本語案内か日本語案内レシーバーを貸してくれる。入場料は$3と安いので時間つぶしにはぴったりだ。多くの観光客はここが最後の買い物基地となるだけに、DFSや他のショップに入り浸りだが、こういうところは人も少なくすいていて実に良い。人であふれかえるホノルル国際空港の中で米国人客もあまり入らない穴場だ。ここの隣には有料シャワー&休憩ブースやビジネスセンターがある。
また空港中央部にあるゲート14〜23にむかう通路はセキュリティを抜けて後のメイン通路から三角形状に二箇所からつながっているが、この三角地帯の真中に何があるか知っている人はどれくらいいるのだろうか。何があるかというと、実は庭園がある。庭園の周囲(通路の下)は各社のラウンジなのであるがこちらは私は縁がない。庭園は日本風のエリア、中国風のエリア、トロピカルなエリアと三つありこれはちょっと楽しい。庭園にはベンチもあるので下りて、しばし休憩するのもいいだろう。何故中国かという話しはあるが、ハワイの歴史にはやはり中国も欠かせないのである。
私が乗る日本航空79便はコナから来た便で運行はJAL waysで、JAL waysとJALのコードシェア便、機種はDC-10だ。予約時点でのシートリクエスト通り席はほぼ前方の14Kだ。この便のDC-10では最前列2列がエクゼクティブ(1番〜2番)、3列目(13番)から後ろがエコノミーだから、14Kはエコノミーのほぼ最前列だ。こんなことはツアーではまずありえない。
今回はラハイナに滞在したが、正直なところこれまでの私のリゾートホテル滞在よりずっと楽しかった。ラハイナに宿をとったおかげでラハイナの街を端から端までゆっくりと見ることができたし、「Aston Maui Islander」はその中央にあって、どこへ行くにも徒歩数分程度と絶好の場所だ。もちろん長所・短所はあるが私は気に入った。私自身が宿泊した経験でいえば以下のような条件をすべて満たすからならぴったりだと思われる。
価格的にはカアナパリのホテルの一泊でここに二〜三泊できるから、私の基準では日本人が多いカアナパリ等の高級ホテルはもう沢山だと感じた。ここを根城にすれば街歩きも楽しめてちょっとした生活もできるので楽しいことは保証できる。
Aston Maui IslanderのURL http://www.aston-hotels.com/
このURLから予約が可能。私が予約した時はSSLでセキュリティ保護されたWebページから、クレジットカード番号を入れた上で(予約デポジット)予約が完了したが、今はWebのシステムが変わっているようだ。予約が受付けられると、数日後に予約確認書がFAXと郵便で送られてくる。万一それがこないようならe-mailで催促するとよい。
ハワイ島とは異なり、マウイ島(東マウイ)は完全舗装道路のみを使ってハレアカラを中心に一周することはできない。道路は島の南側のキパフルから西が未舗装区間となり、レンタカー会社によっては通行禁止、そうでなくても通行時の事故には保険が降りないという条件があり、万一のときには米国の法廷で争うことになる。それらを承知であれば、デコボコ道であるが通行は可能だ。
しかし、カフルイからハナ・ハイウェイ(36号線)を通ってハナまで行くのは文中にも書いたとおり大変である。レンタカーだとハナまでいって、またくねくね道を必死になってもどることになり、ドライバーの疲労はさけられない。また、ツアーバスが後ろから追いたてることもあるので、できるかぎりツアーの利用をすすめる。このコースはツアーで行ったほうが道中の美しい景色を堪能できる。
ここをまわるツアーは日本語ガイドツアーなら私が利用した「PUALANI ADVENTURES (SUPER BEANS INC.)」があるし、英語ツアーなら EKAHI TOURが出している。ほかに ROBERT HAWAII などのバンも見かけた。言葉の問題がなければどれを選んでも良いが、「PUALANI ADVENTURES」のは、やはり日本人が日本人のために催行しているので、こまやかな心遣いが嬉しいことが多い。
くねくね道を乗り物酔いしないように、こまめに窓を開けて新鮮な空気をいれてくれるとか、気持ち悪くなったらすぐにいってくれれば可能な限り早く車をとめて休憩するとかいった基本的な問題もクリアしてくれる。また、乾燥地帯が多いアメリカ人は水が好きらしく、日本人からみればしょぼい滝であっても停車してはしゃいだりするが、我々の目からみれば降りるほどのものではないような場所だ。こういうところは「PUALANI ADVENTURES」のほうはすっと通過して行き、ポイントにはきちんと止まってくれる。
個人的には、ぜひ一日を確保して「PUALANI ADVENTURES (SUPER BEANS INC.)」の「ハナ&東マウイ一周アドベンチャーツアー」を強くおすすめする。カアナパリにいてホエラーズビレッジだけに足を運んでいないで、一日をこのツアーで過ごすと新たなマウイを発見すること請け合いだ。出発前予約が望ましいが、前日などの無茶でなければ現地到着してから、電話をして空きがあれば申し込んでもよいのではないだろうか。とにかくお薦めツアーだ。
PUALANI ADVENTURESのURL http://www.maui.net/~micrin/
ここにツアーの概略があり、予約時の条件によっては割り引きもある。
予約専用電話(マウイ島) (808)-871-7233 (日本語OK)
ラハイナのコンドミニアムに滞在するのはよいが、困るのが食料品の仕入れだろう。ラハイナのコンドミニアムでも最もロケーションがよいのは
Aston Maui Islander だ。ラハイナの南端の「505フロントストリート」の隣にLahaina Shores があるが、ここは端にあるだけにやや不便で後述のスーパーマーケットまで歩くとなると十数分はかかるであろう。Aston Maui
Islanderからなら徒歩五分程度で簡単に買い物にゆけるのが、ラハイナセンターのとなりの「Old Lahaina Center」内にある「Foodland」というスーパーマーケットが便利だ。
ラハイナやカアナパリから大きなスーパーというと、ラハイナキャナリーモールの「SAFEWAY」が有名だ。ここは24時間営業だから便利だが、私のようにラハイナ滞在で車を使わない場合に重宝なのが「Foodland」である。食品を中心に日用消耗雑貨もそろえてあり、アルコール類もそろえてある。対面販売コーナーではハワイ名物である「POKI」も買うことができる。一人や二人なら1/2lbs(半ポンド)あたりが適量だろう。"Half pounds of AHI POKI,
please" とか言えば買える。種類が多いので毎回違う物を買うのも一興だ。
この「Foodland」については日本語ガイドブックで細かく解説されているものは皆無。昔とは場所が移動しているので、古いガイドブックの地図だと違うところにあるかもしれないが、現在は「Old Lahaina Center」内にある。
Aston Maui Islander に宿をとる場合は、宿の前の通り(WAINEE St.)をそのまま北に2ブロック先まで歩いて5分ほどだ。夜になるとこの通りは人通りがほとんどなくなるから、フロントストリート沿いに遠回りをしたほうが安心ではある。スーパーの袋片手に、日の落ちたフロントストリートをホロホロ(散歩)するのも良い。価格的にもそんなに高くはなく(むしろ SAFEWAY より安いことが多い)、わざわざSAFEWAYまでいって時間をかけるよりも、ここですませてしまったほうが良いこともある。
マウイ島に関しては、今回行ったことでツアーと個人手配の両方を使ったことになる。この両者に関してどちらが良いとか悪いとは一概には言えないが、私の考えは「初めての土地はツアー」で行き、「二度目以降は個人旅行」で行くのが良いように思う。
今回は、いかなる旅行代理店も解さずに、航空券、ホテル(コンドミニアム)、現地ツアー、帰りの宿から空港までのピックアップなどすべて、インターネット(Web)、電子メール、電話、FAXだけで済ませることができた。
特にインターネット(Web)の威力は絶大で、ホテル情報や飛行機の情報はもとより、現地のシャトルサービスや価格、現地のバス(West Maui Shopping
Express)の時刻表などもすべて入手できた。これらの縮小プリントアウトを小さなノートに貼りつけていって大変重宝した。インターネットを活用すれば、旅行代理店を儲けさせることもない。
個人手配だと、下調べから確認・利用に至るまですべて自分の責任でやらねばならず、手間はかかるのは事実だし、現地で電話して確認をいれるなどになると電話で英語をやりとりすることになるから、それなりに多少は英語が話せないと難しい物がある。しかし、そのあたりをクリアできれば、個人手配のほうがずっと楽しい。何より他人に束縛されないのが良い。ツアーは最初その土地の様子を知るためにはもってこいだから、最初はツアーが良いが二度目は行動範囲を広げるためにも個人手配もよい。
Copyright (C) 1999, あいちゃん, All
rights reserved.
筆者に無断でこのホームページの全部もしくは一部を転載、複写、再配布することを堅く禁止します。