2000/9/8

Kona Coffee (Peaberry)

 Kona Coffeeって...

ハワイ島のコーヒー屋さんやスーパー、ホテル内のショップでは、"100% Kona Coffee" を売っています。確かにKonaで収穫できたコーヒーだけを使っていれば100% Kona Coffeeですが、実際にはコーヒー豆の状態で、まさに雲泥の差があるのをご存知でしょうか?Peaberryと呼ばれる最高級のものから、フレーバーをつけないと飲めないくらいのものまで実にさまざまです。

 なぜKonaでコーヒーが?

ハワイ島の東側は貿易風(trade wind)の風上(Windward side)にあたり、東からの貿易風は、島の山々の斜面にぶつかって裾野から山頂に向かって吹き上げてゆきます。高度が高くなるとともに気温も低くなり、空気中の水分が冷やされて凝縮し雲となって、そして雨となって山の東側の斜面に降り注ぎます。一方、風下側(Leeward side)である島の西側は、すでに湿気を放出してしまった乾燥した空気が流れ込みますからKohala地区のように、滅多に雨が降らない地域ができあがります。

ハワイ島の中央から南部にかけては、東からの貿易風はMauna KeaあるいはMauna Loaといった非常に高い山にさえぎられて、それを超えて西側に吹き下りることができません。雨を降らせた後の乾燥した貿易風はこれらの山々の頂上に吹き上げますから、Mauna KeaやMauna Loaの山頂は大変に降水量が少ないのです。冬の間何ヶ月か雪が降ることがありますが、雨はほとんど降りません。

Kohala地区のように、ハワイ島の風下側(西側)は一般に雨量がごく少ないのですが、Konaは事情が違います。Konaは島の西側にある風下側(Leeward side)であるにもかかわらず、夏の間には毎日定期的に雨がふるハワイ州内で唯一の地域です。Mauna LoaやMauna Keaの山々は大変に巨大であり、貿易風がKonaに届くのを完全にさえぎってしまいます。一方日中の間、太陽により暖められたKonaの空気は軽くなって、山の斜面を上ってゆきます。山の斜面をのぼるにつれ気温は低くなり、空気中の水分が凝縮して雲となり、夕方から夜にかけて山の中腹から裾野にかけて雨をふらせることになります。つまり、Konaはハワイ諸島の風下(Leeward side)にある地域のなかで、唯一夏の間に毎日定期的に雨が降る地域なのです。

前置きがながくなりましたが、このようにKonaから山の中腹にかけては、日中は強い日差しで温度が高く、夕方から夜には気温が下がって定期的に雨が降ります。大体高度400〜2000ftくらいのところが一番その影響を受けるようです。そして、水はけのよい火山灰土壌があり、これらの要因はコーヒー(コーヒーノキ)が育つには最適な環境なのです。

つまり、ハワイにはいくつかの島がありますが、日中の日照、夕方から夜にかけての定期的な降雨、そして火山灰土壌、これらを満たす場所はほとんどKonaしかありません。ですから、他のどの島々のどの場所よりもコーヒーに適した土地がKonaなのです。つまりKona CoffeeはKauai CoffeeとかMaui Coffeeとかとは比較にならない好条件に恵まれているのです。さらにハワイ島のなかでもKona周囲のごく限られた地域だけがコーヒー栽培に適しているのです。

 Peaberryって?

最初に書いたように、Kona Coffeeにはいくつかのランクがあります。最高級のPeaberry ("pea"とは豆粒大とか小粒とかいった意味で、"berry"はコーヒー豆のことです)、Extra fancy、Fancy、以下さらに何種類かの段階があります。しかし、Peaberryとそれ以外では決定的な違いがあります。

コーヒー豆は、コーヒーノキの果樹が赤く色づいた、いわゆる、コーヒーチェリーの種ですが、普通はコーヒーチェリー一粒に二粒のコーヒー豆が入っています。コーヒー豆にはくぼんだ線が入っていて、その線が入っている面は比較的平らになっています。この平らな面が向かい合わさって二粒のコーヒー豆が、一粒のコーヒーチェリーの種になっています。これらのコーヒー豆はその平らな面から "Flatberry"と呼ばれます。

一方、PeaberryはFlatberryと同じコーヒーの木から取れるコーヒーチェリーの種ですが、枝の先のほうにだけつくというものです。Flatberryは二粒のコーヒー豆が一粒のコーヒーチェリーにはいっていますが、Peaberryは一粒のコーヒー豆が一粒のコーヒーチェリーにはっています。ですから、Peaberryは形が丸い小豆状になっていてFlatberryのように平らな面がありません。また、一粒のコーヒーチェリーに一粒のコーヒー豆ですから、美味しさが凝縮されているわけです。

こんな素晴らしいPeaberryですが、枝の先にしかつかないために、全体の5〜10%しかとれません。ちなみに、PeaberryはKona Coffeeだけの専売特許ではなく、他の地域のコーヒーでもPeaberryというものは存在します。

Flatberry (100% Kona)

Peaberry (100% Kona)


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