■ 第3日目


◆ Pacific Whale Foundation

今日は今回のマウイ滞在のハイライトでもある、イルカウォッチングとスノーケリングツアーだ。係員の説明によれば、Pacific Whale Foundationは海洋生物保護を目的とした非営利団体で、寄付金とツアーや店舗での商品販売から得た資金で運営されており、主として海洋生物について子供達が学ぶための活動を行ったりしているそうだ。

昨日にも書いたが、当初私が申し込んだツアーが人数不足でキャンセルになったということで、このままツアーなしで無しで帰るわけにもゆかないので、同じLahaina港から出るもう一つのツアーのほうに切り替えた(費用的には$10ほどこちらのほうが安い)。

集合時間は朝の6時半とかなり早いのだが、私はPacific Whale FoundationのLahaina Shopから徒歩二〜三分程度のところにあるAston Maui Islanderに泊っているから楽勝である。準備も全て昨夜のうちに整えておいたし、朝食はボート内で軽いものが出るはずだから、とくに食べる必要もない。実際のところ6時におきても間に合うのだが、根が心配性のため5時半に目覚ましをセットしておいた。

そして5時半、けたたましく目覚ましが鳴りたたき起こされた。昨日と違ってすっきり起きたというわけではなく、たたき起こされたという感じである。シャワーを浴びるには時刻が早すぎるし、どうせ水に入るからということでシャワーはパス。下着を脱いで水泳パンツとショートパンツとTシャツを着れば終わりだ。私は競泳用のぴったりモッコリパンツしかはかないのだが、これは私はかなりの痩せ形であり、トランクスだとどんなものを買ってもガブガブで歩くトランクスになってしまうからだ。別に自分のイチモツをことさら見せびらかしたいわけではない。

ショップにゆくとすでに十数名は来ていて、私もレジの列(チェックインの列)に加わる。私の番になり、昨日もらったバウチャーを出すと、ちゃんと覚えていてすぐに$10のリファンド(返金)をしてくれる。ちなみにこういう風にショップ側の都合でツアーキャンセルになった場合は、希望すれば100%リファンドされる。そして、乗船券(といっても再利用するからコピーをパウチしたやつだ)と、ツアー終了後の無料のポスター、ツアー終了後にPacific Whale Foundation支援メンバー(年間何十ドルか払う)になったらもらえるTシャツの無料券、そしてイルカの解説をしたパンフレットなどを受け取り、店の外で待っているように言われる。

待っている間にも人は増えてくるのだが、先ほどチェックインしたときに乗船名簿をちらりとみたら、合計43名で1人客は私だけだった。 他の客はほとんどが男女のカップルで、あとは学生らしい女性が2名が1組、幼稚園にもいっていない程度の小さな子供を1人連れた家族が1組だ。ちなみに日本人も私一人だった。

時計をはめていないのでわからないが(時計、クレジットカード、トラベラーズチェックなどはすべてインルーム・セーフに入れてきた)、七時前くらいだろうか、ようやく港に向かってゆくことになりみんなでぞろぞろと歩き出す。

船は 「Manute'a」というカタマラン(双胴船)で、ラハイナのカーサジニアン号(中身は鯨博物館)のとなりにつながれており、エンジン駆動とセーリングの両方が可能なタイプだ。あとで水中から見てわかったが、喫水が非常に浅いのだが、双胴船であるためにそれでもことたりるのであろう。

船に乗りこむ前にシューズ(といってもほとんどの人はスポーツサンダルだった)は、係員が持っているシューズバッグにまとめて放りこむか自分で袋に入れて裸足で乗りこまねばならない。船は後部の操縦機能があり、船首の方はネットと上げ下げできるラダー(階段状の梯子)があり、水中へのエントリーやエクジット(水中から出ること)に使われる。キャビン内の船首よりは飲み物と食べ物のサービスコーナーになっている。そしてキャビンのほとんどの部分は、船の周囲に添って座る場所(海を背にむけて座る感じ)があり、中央部にも島状に座る場所(こちらは海に向かって座る)がある。私は特に深い考えも無く船の中央部に陣取った。

全員搭乗すると船はラハイナ港を離れてゆく。ここから考えてもいなかったことがおこった。ラハイナのあたりの海は向かいにラナイ島を抱えているので非常に波が静かだ。そうおもって安心していたら、港を出てすぐにかなり揺れ始めた。双胴船であるからまだマシなのだろうか、それでもそもそも船がフェリーなどに比べると圧倒的に小さいし、高速でぶっとばす高速船でもないから、とにかくゆったりと波にまかせるように揺れる。私が座っていたのは船の中央部なのでまだマシなのだが、それでも左右にゆれてくる。

出発してすぐに、小量のフルーツ(パパイヤ、イチゴ、パインナップル、キウイなど)とデニッシュが配られる。アメリカにしてはやけに小食だが、揺れる船で沢山食べるとろくなことにはならないからだろうか。

しかし、小量でも食事をしてしばらくするとだんだん気持ち悪くなってきた。いわゆるsea sickというやつだろう。あまり船に乗った経験はないが、それでも今だかつて船酔いとは無縁だったので正直なところ自分でも驚いた。とにかくこの静かな波でもかなりの揺れで、どこかにつかまらないとキャビン内をまっすぐには歩けないのだ。そういえば、乗船後の注意で、キャビン内を移動するときには、片手は必ずどこかにつかまり、もう片方は自分のために空けておけってなことを言っていたっけ、とか思いだす。

時計を持っていないのでどれくらい走ったかわからないが、マウイとラナイの中間地点くらいになると揺れはかなり収まってきた。波動の原理で浅くなると波は大きくなるのをまざまざと思い知った感じだ。それが証拠に、さらに船が進んでラナイ島に近づくとまたもや波動の原理で揺れが大きくなったのである。だから、中間地点辺りで私のsea sickはかなり回復した。実は途中で船首にでも立っていたら気持ち良くなるかと思っていったのは大間違いで、こうした小型船は船首の揺れが非常に大きい。丁度遊園地の「バイキング(船が前後にブランコのように触れるやつで私はあれに弱い)」に乗っている感じで、ここで決定的に気分がわるくなり吐きそうになったくらいだ(実際には吐かなかった)。

四年前の家族マウイ島ではアトランティスにのったが、あれも小さなボートで結構な時間をかけて潜水艦まで往復するが、向こうのほうが船足がずっと速いので波の影響を受けにくいから、大きさはこの「Manute'a」とほぼ同じでも向こうのほうがずっと揺れない。

船はようやくスノーケルポイントに到着した。正式な湾名は忘れてしまった(ハワイ語の名前は覚えにくい)がニックネームは「Aquarium bay」だそうで、全部で四百種を越える魚がいるという。ほとんど水族館のようなものだが、違いは魚が人を観察していることだ、とスタッフが客を笑わせる。なかなか英語のジョークには笑えないが、さすがにこの程度のことなら笑える。

このポイントに到着するまでにスノーケルが初めての人を対象にスノーケルのインスタント講習が行われていたが、私は聞く必要がないのでなんとなく聞き流していた。また、スノーケリング用のマスクとスノーケルはスタッフがみんなにどんどん配ってゆく。私にも渡そうとしたが「私は自分のがあるから不用だよ」と断る。一方で別のスタッフが水中に入るときの説明をはじめる。入る場所は船首のラダーを降りるか、横の一箇所から飛びこむかだ。スノーケルなどを配り終わったスタッフは、今度は足のサイズを聞きながらフィンを渡してゆく。私は「アメリカの足のサイズはよくわからんのだが、多分8ぐらいじゃないかなぁ」と言うと「それじゃこれを試してみて」と7-8のフィンを渡して次の人に行った。早速試してみるとジャストフィットで、サイズがあっているかどうか確認に来たスタッフに「ばっちりOKだよ、ありがとう」と言った。フィンは当然安い普通のもので、ダイビングでマリンブーツの上からつけるようなバックベルトのしっかりしたタイプではなく、素材もかなり柔でこれではあまりパワーは出ない。フィンは適度の腰としなりがないと駄目なので、さらに実際には脚力などにより各人に適したフィンというものが存在するのだが、ここでそんなことを考えても始まらない。フィンはどんなもので有ると無いとでは雲泥の差だ。さらに水に入るときの注意としてデミスター(曇り止め)のスプレーをするようにというが、これまた私は自分のいつも使っているものを持っているから不用だ。

そしていよいよ船はポイントに停止。しかし、この船は始末の悪いことに停船して錨をおろしていてもなお結構揺れる。動いても止まっても揺れるのがこのクラスの船の泣き所だろう。いつまでも船に居てはまたもやsea sickがぶりかえすので、さっそく水に入る。

先ほどの説明のときダイビングをしている人といって聞かれて手をあげた人が何人か居た(私は現役ダイバーではないのでもちろん手はあげない)が、その人はちゃんとボートダイビングのエントリーを心得ていて、あらかじめマスクを装着し、飛びこむ手前でフィンを着けて、飛びあがって飛び込むのではなく、船の縁に立ち、片手でマスクを押さえた。こうしないと飛びこんだ衝撃でマスクが外れて飛ぶことがあるからだ。ダイビングならマスクと口に加えたレギュレターの両方を押さえるし、反対側の手でタンク(ボンベとは決して言わない、ボンベと呼ぶのは大きな間違い)の下部を押さえるわけだ。そして、一歩空に踏みだすような形で、ある程度足を開いて、そのままの格好で自然に落下する。足を開いている理由は深く沈み過ぎないようにするためだ。もちろん私もそうした正しい方法で飛びこんだ。ここを見るだけでダイビングの経験があるかどうかが簡単にわかる。

ダイビング経験の無い人、あるいは教えてもらったことの無い人は、プールに飛びこむようにマスクを手に持ってそのまま高くジャンプして飛びこむが、あれは危険だ。海はプールとは違うことを絶対に忘れてはいけない。だてにちゃんとしたエントリー方法がダイビングで教習されているわけではない。海を甘く見ると確実に事故につながることは肝に命じておくべきだ。どんなに波が無いように見えても、危険なことは山ほどあるのが海だ。

それにマスク装着についても、なれていないと水中での装着が難しいだろう。ダイビングの訓練中では水面下数メートルのところでうしろからいきなりマスクをはずされて、それを海底に落とされて、自分で海底まで取りに行って再度装着し、マスクを水中(水上ではない)で装着して水中で中の水を抜く(マスククリアという)することを学ばねばならない。私の場合は、かなり昔の話しであるが一応そうした訓練はしたことがあるので、普通の静かな波であれば、スノーケルの息ができる範囲であれば、顔が水中に有っても水上に有ってもマスクを装着してマスククリアは簡単にできるが、これはちゃんと教わらないと危険だ。だからマスクをせずに飛びこむのは、飛びこんだ瞬間から視界がきかなくなることも含めてあまり賢いことではない。

さて、肝心のスノーケルだが、水深はボートの付近で水中十メートルを越えるくらいあろうか。先に水に入ったスタッフとそれを見守るかのようにスタッフのカヤックがラナイ島のほうに進んでゆく。私もあとからそれを追いかけるが、みなスチロールの棒のようなものをもって浮いて進んでいるから、それを持たずに普通にフィンで泳いでゆく私はあっというまに追いつける。近づくとスタッフが魚の説明をしている。

ここで日本とアメリカの魚に対する文化の差というものを感じた。日本は古くから魚を採り、魚を食べ、魚を育ててきた。学校の理科でも魚類については結構いろいろなことを学ぶ。しかし、アメリカではハワイや西海岸、東海岸の一部など限られた場所を除いては、生きている海水魚とは無縁の生活をしている。テキサスあたりで生まれ育った人はほとんど生きた海水魚とは無縁だろう。

このツアーでも説明の焦点はそうしたメインランドの観光客に焦点があてられているから、スタッフ(実際にはスタッフはかなりいろいろ知っているはずだ)の説明も日本人の私からみたらかなり幼稚なものだ。小学校レベルといってもよい。イルカの話しにしても、イルカが温血動物で哺乳類であることは日本の小学生なら誰でも知っているが、アメリカ人はそうではないらしい。こういう人を相手に海洋生物をまもろう、といっても実感がわかないであろう。自分とは縁が無いからとりあえずどうなってもいいけど、ならば守れ!といったほうが格好良いじゃん!みたいな雰囲気がアメリカの海洋保護を遠くから見る一般の人たちではないか。日本人の場合は一方的に「採るな」ではすまないから、どうしても人間の食とのかかわりのなかで保護を考えてゆかねばならない。保護といっても食い尽くしてしまわないための保護だが私はそれで良いと思っている。何故なら地球の年齢からすると今の人類が誕生してから現在までは中年のまばたき数回分くらいもならないだろう。そのせいぜいまばたき十回の間に目に飛びこんだ虫なんて無くなってしまえばなにも感じない。地球にとっては人間なんかどうでもいいのだし、人間が地球を守ることなんてできやしない(兵器の発達で地球を太陽系の二番目の小惑星帯にすることは可能かもしれない)のである。ならば、きれいごとを言わないで、人間が生きられる環境を守ろう!というべきだ。神は決して人間だけを特別扱いしない。神が自分に似せて人を作ったなんてのはとんでもない間違いで、思いあがりもはなはだしいといえよう。蟻も人間も自然にとっては全て公平に同じ公正要素の一つにすぎない。

閑話休題。というわけで説明はたいしたことは無いが、説明の合間にスタッフが数メートル程度の海底にもぐって実際にその生物を指差したりする。このスタッフはウェットスーツを着ているからいいけど、こちらはモッコリ強調型の水着一枚である。しばらく入っているとだんだん体が冷えてきたし、かなり底も浅くなってきているので、私は群れから離れて一足先にボートの戻ることにする。

十メートルくらいの海底のサンゴがクリアに見とおせる水の透明度はなかなかのものだ。岸にちかづくほど、太陽光が底まで届きやすくなって、船のあたりでは全部のサンゴは青にしか見えないが、さきのツアー客の「群れ」のあたりにゆくと、黄色や薄いピンクなどかなりいろいろな色を帯びていることがわかる。そのサンゴの間を縫うようにいろいろな魚が単独であるいは群れで泳いでるのは、やはり水族館の光景だろう。

だが、魚の多さでいうと、やはりビッグアイランドのKahaluu Beachにはかなわない。あそこではかなりの確率でウミガメにであえるし、そうでなくても腰までつかれば十分なくらいの魚がいるし、足の届かないところまで行けば、もうそこはまさに熱帯魚の海である。魚が居ない場所を探すのに苦労するくらいだ。魚を手軽に見たければハワイならおそらくほかのどこよりもビッグアイランドのKahaluu Beachを強く強くお勧めする。それにあそこならボートツアーのようにツアー費もかからない。書店やスーパーでハワイの魚を両面にカラー印刷したプラスチックの板が売っているので、それを買い求めてKahaluu Beachでゆっくり魚を観察し、あれかな?いやちがう、これだろう?とか考えるほうが多分ずっと楽で種類も多く観察できる。

さて、もう一方のハイライト、イルカのほうだが、結論から言えば今回はイルカには出あえなかった。テレビで見るように船首のほうを船に合わせて泳ぐなんてのを見たかったが、ああうのはそうそう出あえるものではないらしい。代わりに出あったのは飛び魚だ。実は飛び魚が飛ぶところを生まれて初めて見た。最初は海鳥かと思ったが、よくみると細長くて、かなり長く(ほんとうにかなり長距離を飛ぶのには驚いた)飛んだ後に水中に消えるので飛び魚とわかった。これは私には一つの収穫だった。

私は一足先にボートにもどったが、それから数分くらいで他の人もぼちぼち戻り始めた。スタッフから冷水を大きなカップにいっぱいもらってから(水に限らずソフトドリンクはいつでも飲み放題、ランチから後はビールも飲み放題)、今度は船の中ではなく、へさきのほうで背中をよかっかりながらゆっくり休める場所を確保した。

皆が戻ったあと、船はその場を離れて帰路につく。スタッフはランチの準備をはじめる。いくつかの肉や野菜を用意したセルフサービスのオープンサンド(というかバーガーというか)だ。早速人の列ができるのだが、見ていると普段のアメリカ人に似あわず皆ちんまりと盛っている。まるで日本人の食事みたいだ。多少なりともsea sick気味の人が多かったのかもしれない。ちなみに私はというと、行きのことがあったために腹は全然空かないので、そのまま水のお替わりだけをもらって(冷たい氷水が実にのどに心地よい)、船首で日光浴を決め込む。ここで寝転んでいると、たっていたときと違って全然気持ち悪くならないことに気づいた。それどころか揺れと強い日差しが心地よくてうとうとしてしまったくらいだ(もちろんサンスクリーンは肩と腕にたっぷり塗っていた)。それでも近くをみたり船の中を見ていたりすると、また気持ちが悪くなりそうなのでそのままねそべってサングラスをかけて目を閉じる。日差しが真上から落ちてくるからサングラスが無いと目を閉じてもまぶしいのである。

こうしておそらくまた1時間と少々結構な揺れを伴いながら、船はラハイナの南、ラハイナショアーズの前あたりを通ってラハイナ港に帰着した。

この手のツアーに参加する場合、自分は船に酔ったことがないと思っていても過信しないことだ。今まで船が大丈夫な人でも遊園地のバイキングは駄目という人は、やはりこの手の低速の小型ボートのツアーはきついかもしれない。これは小さめの船で出る、ディナークルーズにも通じる可能性もあるので注意が必要かもしれない。ひとつの指標が遊園地のバイキングで、あれが駄目な人は、このツアーも駄目な可能性が高い。

またイルカは自然のもの、必ず出あえるとも限らない。期待せずに見られなくてもともと、見られたらラッキー程度に思うべきだろう。スノーケリングも魚が目的なら絶対にビッグアイランドのKahaluu Beachのほうが良い。子供でも安心して魚ウォッチングができる点でボートツアーとはかなり違うからだ。

ツアーに参加したら必ず水に入るべし。海に入らなくてイルカも見られなくては単に暑くて日焼けして船酔いするためにきたようなものだからだ。それでもラナイ島やマウイ島を普段はみられない角度から見られるのは良い。船酔いを覚悟してでも海から見るラナイ島やマウイ島は感激する。特にマウイ島は離れてみるとValley Islandの名前のとおり、まさに渓谷の島であり、ラハイナやカアナパリが雨のふらない砂漠地帯でリゾートエリアだけが人工的に緑化されていることがとてもよくわかる。

二度参加するほどのものでもないが、一度も経験がなければ強力な酔い止めの薬でも飲んで参加してみるのは面白いだろう。イチオシということはないが、そこそこ面白いツアーで、ボートからのダイビングやスノーケリングの経験が無い人なら透き通るような十メートルを越える海底が足元に広がるをみるだけも価値が有るのは確実だ。私はダイビング経験があるからそういうことも初めてではないが、そういう経験がなければ、これはすばらしい経験になるだろう。

上陸したあと、フリーのポスター(ウミガメのいいやつがあったのだ)をもらうべくショップにもどるが、ポスターがどうでも良い人はそのまま別の場所へと行ったようだ。そこでポスターをもらって、ちょっとした土産と卵からかえるところのウミガメの作り物の小さい置物があってこれが著しく可愛らしかったので購入する。

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◆ Buns of Maui

私は船では昼食をとらなかったのだが、しばらく歩くとさすがに腹がすいてきた。B級グルメの旅としては、一昨日、昨日と閉まっていたところをもう一度確かめたい。それは「Buns of Maui」という、Old Lahaina Centerにあるベーカリーだ。店内はさほど広くないが、若干のテーブルがありそこで食べることもできるし、PCが二台あってWebを見ることもできるようだ。

ちょっと迷った後、クロワッサンとパイナップルのマフィン、それにスプライトのレギュラーサイズを買い求める。これだけで$5.80だ。スプライトはレギュラー(日本のLサイズくらい)なので、途中のみながら帰っても全然減りそうに無い。

部屋に戻って、美味しそうなマフィンを味わう前にとりあえずシャワーである。シャワーを浴びてさっぱりしてから、汗をかいたTシャツ、ショートパンツ、朝まで着用していた下着、モッコリ水泳パンツをランドリーに放りこみに行く。このとき便利なのはアタックの小パックで、これはアメリカの大型洗濯機でも十分1袋で間に合うからだ。同じ物がアメリカの洗剤だと数倍の容積になってしまうから、やはり小型するのは日本の特技だ。

洗濯はおよそ三十分くらいかかるだろうと踏んで、部屋に戻ってパンを味わう。クロワッサンは日本の美味しいパン屋には及ばないが、これがアメリカのパンかと思うほどアメリカにしては美味しいパンだ。これは繊細な味が特技の日本のパンになれた人でも、アメリカという場所を考えるなら十分お勧めできる一品だ。ただ、大きさは日本の標準的なクロワッサンのゆうに二個分はあるのだが...。もう一つのマフィンのほうもなかなかうまい。アメリカでマフィンを食べると大抵はばさばさで閉口するが、ここのはしっとりとしてパインの味もなかなか良い。が、さすがに二個分の大きさのクロワッサンと、日本の四倍ほどの容積のあるマフィンは腹におさまらず、マフィンは半分で断念。

ここで、腹が膨れた眠くなるの諺通り、ソファに横になってしまい十分くらいのつもりが気づいたら1時間も眠っていた。やはり初日、二日目、三日目の半分と活動しどおしだったから疲れたのだろう。今日はこの後ゆっくりすることにして、ランドリーへ今度は乾燥をしにゆく。洗うほうは$1.25だが、乾燥するほうはわからなかった。というのも私が使った器械はたまたま壊れていたのか、時間とコースをセットすると、普通なら幾らいれろという指示が表示されるのに、それが出なくていきなりまわり始めるのだ。なんどかやってみたがやはりまわってしまう。ここはおとなしくそのまま有りがたく無料で乾燥させていただくことにする。セットしたのは38分(半端だがWhite&Colorのボタンを二度押すとこういう時間表示になるのだから仕方ない)だ。乾ききらないとは思うが、これくらいにしたほうが痛みにくい。それに部屋でもかなり速く乾くから、あとは部屋につるしておけばよい。

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◆ 力の源Foodland

全てかたずいたのが四時過ぎだ。さきほど妙な時刻に疲れて長く眠ってしまったからまだ体と頭がおかしい。とりあえず身支度をして(といっても全てポケットに放りこむだけ)フロントストリートへ出る。ちょっと出るのもここから数分以内なのは有りがたい限りだ。

まずフロントストリート505へ向かう。特に目的はないが、来年に備えてLahaina ShoresからのんびりとFoodlandまで歩くとどれくらいかかるか調べたいからだ。最初は15分くらいだろうと思っていたのだが、実際にはそんな甘いものではない。通勤時のように一所懸命歩けばそれくらいでゆけるだろうが、実際には途中の寄り道時間を差し引いて20分はかかっている。やはりラハイナらしくのんびりと歩くからだし、それくらいの速度のほうが家族連れを想定すると適当だ。これが実際には往復になると40分だから、ちょっと買い物に40分は辛いものがある。Aston Maui IslanderならばWainee St.を直進すれば私で数分以内、子連れでも七分以内だろうからまったく問題は無い。それにラハイナの中心部にあるからどこへ行くにも等距離なのがいい。West Maui Shopping Expressの乗り場があるWharf Cinema Centerまで徒歩二分か三分なのもいい。どうやら来年の家族旅行もこの宿にしたほうがよさそうだ。それにLahaina Shoresには2BRはないが、Aston Maui Islanderならある。昨年Astonの管理になって改装したばかりだから、室内も設備も新しい。ビーチが欲しければABCストアかWhalers General Storeでビーチマット(ござ)を$1ちょっとで購入してLahaina Shoresのところまで行けばよい。あそこまで行っても十分ちょっとくらいでゆける。

さて、またもやFoodlandだ。ここで今夜のB級グルメだが、今夜はキッチンをちょっとだけ使わせていただく。前から一度試したいと思ったのが、アメリカの調理済み冷凍食品だ。キッチン付きコンドミニアムに泊るB級グルメとしては絶対にはずせない。

しばらくFoodlandの中をうろうろした結果、

を買った。夕食にはこれに前に買ってあるワイン(Maui Blanc)と、バレンシアオレンジが付くことになるから、少なくともプレートランチよりは栄養バランスはマシであろう。

Foodlandの中をうろうろしているうちに、体調は完璧に復活した。どうやらFoodlandは私の元気の元のようだ。滞在中はほとんど毎日来ているから、商品のありかも大体わかっているし価格もそこそこ安いのがよい。実は私がラハイナで一番好きな店が、このFoodlandである。逆に言えばここに行きたくてAston Maui Islanderに泊っているといってもよい。

ハム・ソーセージは皆パックがでかいが、めずらしく薄切り小パックがあったし、Maika'i priceで安くなるので買い求めたが、同じ量なら日本の半額以下だ。Ahi pokiはこれはB級グルメとしては絶対かかしてはいけない。ハワイではサイミンそしてDELIで買ったpokiを食べずしてB級グルメは絶対に名乗ってはならないくらいのものだ。

ミートソースはというと日本のレトルトのそれに限りなく味が近くまったく違和感はないが、パスタのほうはというとかなりお粗末。イタリアが怒りでアメリカに大砲をぶっぱなしそうな代物だが、ここはアメリカだからパスタについては素直にあきらめたほうがよい。

ちょっといけたのがポットパイだ。ちょっと塩辛いのがいけないが、結構美味しい。電子レンジで五分ほど暖めるだけだが、パイ皮はさっくりしているし、中のとろりのシチューは体を元気にしてくれる。

これにMaui Blancがあるから、気分的にはもうB級ではない。だが価格はB級で今日夕食のために調達したものは税込みでも$8.34で、下手なプレートランチほどの価格で収まっているのはさすが冷凍食品大国だ。ちなみにAhi pokiが0.47lbで$2.43、ポットパイが安くてなんと$1.45、スパゲティが$3.39で、パストラミはMaika'i priceで$0.74である。ハワイは物価が高いが、それでも東京にくらべるとかなり安い。とりわけ食品の類は安く押さえられているようだ。

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