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| クィーンズタウン市内でみかけた 観光馬車 |
私はいつも滞在各地で、予備日として予定が空白の日を最低でも半日、できれば一日は作ることにしている。今回のクィーンズタウン滞在の最大の目的は、昨日のミルフォードサウンドのコーチ&クルーズツアーであり、それがためにこの街を最初の滞在先に選んだくらいだ。それを終えた今日は、一日目の午後に続きクィーンズタウンの街を楽しむことにした。
今回は、事前にあまり研究してこなかったので、昨夜のうちに持参したガイドブックで朝食に手ごろな店を探しておいた。午前7時半に起きて身支度をしてホテルを出て、向かったのがキャンプ・ストリートにある「ポトフ」という店だ。しかし、この短いストリートのどこを探しても見当たらない。通りの反対側を歩いてもやはり見当たらないではないか。
地元のレストランガイドを見ても、私の目に入った大抵のレストランは載っているのに、この店は何故か載っていない。どうやら廃業したのかもしれないと勝手に決めつけ、あきらめて「オコーネル・ショッピングセンター / O'connell's Shopping Centre (Centreはスペルミスではなくイギリス英語だとこう書く)」内のフードコートにある万国共通の「マクドナルド」で、ベーコンエッグマフィン(NZ$2.50)と、オレンジジュースのM(NZ$1.70)ですませた。これだけはやりたくなかったけど、この時間だとほとんどはこの系統の店ばかりか、カフェ程度なのでやむをえない。
朝食をとったあと、私がむかったのは「スカイライン・ゴンドラ」だ。まあ、早い話がロープウェイなのだけれど、ここのロープウェイはかなり急峻な勾配らしくて、上まで行くと絶景らしいと聞いていた。クィーンズタウンはとてもコンパクトな街で、空港側を除けば、主要部は全部徒歩圏内なので、オコーネル・ショッピングセンターからゴンドラの乗り場まで、徒歩五分とちょっとくらいであろう。入口でしばしパンフレットやパネルなどを見ていたらツアー団体らしいバスが到着して客がぞろぞろ降りてきたので、慌てて往復分のNZ$14.00を支払いゴンドラ乗り場へと急いだ。
日本のロープウェイと同じで乗り場に係員がいるなぁ、と思ったら、それは実はカメラマンのお姉さんであって、乗る人全部の写真を撮って、戻ってきたときにワンセットNZ$20.00(た、高い!)でオファーするというものだ。とりえず買う気はまったくないけど、まだ眠気が覚めきっていないので、引きつった笑みをうかべていうちに、勝手にドアがしまった。箱根の早雲山ロープウェイなら係員が閉めるのだけれど、ここは一切の補助無しに客は勝手に乗り込み、ドアはある地点までくると自動的に閉まるのだ。といっても、ドアが閉まる地点はゴンドラオペレーターの目の前なので、何かあってもすぐに止められるから大丈夫なのだろう。
眼下に広がる景色がだんだん雄大になるのを眺めつつ、所要時間数分程度で標高790mの「ボブズヒル」に到着。ゴンドラの扉が自動的に開くので、勝手に下りて出口を抜けて展望台へ行く。
「ふ、ふわーーー、す、す、すごい!!!!!!!!」
コンパクトなクィーンズタウンが眼下に一望でき、なおかつ、ワカティプ湖と両側に聳え立つ山は、昨日のミルフォードサウンドを想起させるものがあり、しばし、絶句したまま、見とれてしまった。正直なところ、こんな素晴らしい景色をみるのは初めてである。
眼下にはクィーンズタウンのコンパクトな街が航空写真さながらの光景でひろがり、目の前にはワカティプ湖と、山々がひろがり、山の頂には雪が残っている。これぞまさに絵葉書そのままの光景、写真集そのままの光景だ。日本国内でも眺めの良いところは多いけれど、こんな風に山と湖と街がバランスよく、自然にマッチした光景を一つの視野におさめられるところはそうそうない。
ここで、かなり長い間飽きることなく景色を鑑賞していると、「写真をとってくれませんか?」と英語で話し掛けてきたアジア人の若い男性が一人現れた。写真をとってあげて、私もとってもらい、「どこから来たの?」と訪ねると「香港だよ」といい、私のことを「日本からでしょう?」と一発で当てられてしまった。私だって彼が(英語をしゃべらなくても)日本人でないのは見てすぐに分かったけれど香港からだとは分からなかった。
同じアジア人同士だからすぐに区別がつくのは当たり前といえば当たり前。しかし、アメリカ人が見ると私はフィリピン人と日本人の混血か、100%フィリピンあたりに見えるらしくて純日本人だと思われたことはほとんどない。そういえば、この香港の男性に限らず、時期的なものかどうかわからないけれど、街を歩く観光客はアジア系の人が相当沢山いるのに気づいていた。それも香港、台湾、韓国あたりが主流のようで、とにかく多い、本当に多い。
展望台の外にいたら寒くなってきたので、何か暖かいものが欲しくなって時計を見ると10時すぎ。丁度お茶の時間となったので、その名もずばり「コーヒーショップ」で、「アールグレイ(ティーはこのように種類を選べることが多いのもイギリス文化の血を引いているからだろう)」と、「キウイのタルト」だ。上にのっているキウイは美味しかったけど、カスタードがプリンとクリームとゼリーの中間みたいでぷりぷりしすぎで、味はとてもいいけれど、食感が私の好みではない。タルトの外側は分厚くて大きくて食べるのが大変だった(笑)。
このボブズヒルにはスカイラインリュージュという、下り坂を利用して無動力でステアリングとブレーキ操作だけで、ボブスレーのようなコースをミニカートで下るアトラクションがある。私は今回はためらった挙句にパスした(後から乗ればよかったと後悔しきり)が、これが見ているだけでもなかなか愉快である。コースは初めての人向けのなだからなシーニックコースとか、もっとカーブや下りのきついものなどがあり、出発点まではリフトに乗ってゆくのだ。
カートをどうやってボブズヒルの頂上に上げるのか、行ってみるまでは疑問だったが、リフトを見ていて解決。ひどく単純で効果的なシステムが取り入れられていた。カートの終点で利用者は所定の場所にカートを縦列に並べる。するとコンベアが動いてリフトの下のほうまで自動的に運ばれて行く。リフトの座面の下にはフックがぶら下がっていて、ちょうどキックボードのステアリングのような形状のカートのステアリング兼ブレーキを引っ掛けてぶら下げて行く。そして、その先で人がリフトに乗るのである。
人が乗ろうが乗るまいが、リフトは動いているし、リフトが動いている限り終点に溜まったカートは自動的に上に運ばれて行くという仕組みだ。ひどく単純だが実に愉快で効率のよいシステムだ。幼児のおもちゃの乗用自動車玩具のように軽いカートだからこんなことができるのだけれど...。
このあとしばらく展望台のショップなどを見て、再びゴンドラに乗り下界へ戻った。つぎに行くのが下界へ下りてすぐ左手のところにある、キウイ&バードライフパークだ。入場料NZ$12.00を払い、まず一つ目のキウイハウスへ入る。
キウイは夜行性のため、活動する様子をみるのに暗く静かにしておかなくてはならないからキウイハウスもかなり暗い。チケットを買うときに音を立てるな、フラッシュ&ビデオ禁止などといった注意書きを読まされて(これは各国語版があるようで、私は国名を聞かれて日本語のを出された)いたので、それに従い静かにし、なおかつかなり暗いので目が慣れるまで数分はかかったろうか、とにかくじっとしていた。
結局そこには十数分いたけれど、ぜんぜんキウイらしいものがいない。見たことがないからキウイの大きさすら見当がつかなくて、目を凝らしてみたが動くものが何も無い。これはなんだ?まてよ、そういえば入場料を払ったときに、上の空であまりまじめに聞いていなかったけど一つ目の小屋じゃなくてその下にある小屋に行くといいわよ、しずかにしてあげてね、と言っていたのを思い出した。ってことはここにはキウイはいないってことか。
このキウイハウスは結構気温が低いので長く入っていると寒くなってくる。私も随分と体が冷えてきたので一旦外に出た。すると下のほうにもうひとつ似たような小屋があるじゃないか。で、そこへはいってみると同じように暗いのだけれど、いたよいたよ、いましたねぇ。写真でしかみたこと無かったキウイの実物が、鶏より一回り大きなそのずんぐりした図体とは逆に驚くほど身軽に歩き回っている。長いくちばしを土の中に差し込んだり、枯れ木の中に差し込んだりして餌になる虫を探している。しばらく彼らの行動に見とれていたが、やはり寒くなってきたので小屋の外へ退散した。
外へ出ると順路にしたがってポツリポツリと鳥のケージがあり、そこにニュージーランドあるいはこのあたりに特有の鳥が飼育されて
いる。順路を回るうちに、すぐ近くに水鳥がやってきたが驚くほど人間を怖がらない。こちらがじっとしていると、向こうが興味をもって逆にすぐ傍までやってくる。しゃがみこんだ私の足元銃数センチのところまで近寄ってきた。そして私が構えたデジカメの前でしっかりポーズを取るようにしばらくじっとしているのだ。「ねえ、君、私は君のためにここまで近寄ってあげたのだから、綺麗に撮ってくれよ!」と言わんばかりの目つきである(笑)。
このキウイ&バードライフパークで一時間ほど過ごしたろうか、気づくとデジカメのバッテリーが切れてしまいスペアバッテリーをもっていないことに気づいたので一旦部屋に戻ることにした。こんなふうなことが簡単にできるのもコンパクトな街の良さである。
デジカメ君はお腹いっぱいにしてあげたが、その主人である私はお腹がすいてきた。ハワイなら一度はサイミンを食べるのにここにはさすがにサイミンはない。でも、何かスープヌードルが食べたくなって(別に日本の麺が恋しいわけじゃない)、目に付いたのが「香港レストラン」という小さな店だ。そこで注文したのが「ベジタブル・ヌードル・スープ」(野菜タンメン)と喉が乾いたのでいつものとおり「ダイエットコーク」を注文する。前者はNZ$11.00、後者はNZ$2.50、とまあ観光地価格としては普通の値段だ。といっても日本の観光地価格より数段安いけれど。
このタンメンだが、麺は極細の日本のラーメンでは見かけないタイプで、絶品というほどのことはない。具はキャベツとにんじん、マッシュルーム、ブロッコリーなどといった色とりどりで沢山入っているので良いのだが、ちょっと節操がないかもと思ったりする。
しかし、スープがとても美味しい。エビのスープのようだが、非常に薄味だが、すっきりとしており、しっかりとしたベースの味のスープでむちゃくちゃ美味かった。日本で言えば街のラーメン屋ではなく、高級中華料理店の味に近い感じだ。このさっぱり麺だと日本のラーメンのような太い麺はあわないのは確実で、なるほどこのスープならこの麺なのだと納得。
午後からは、クィーンズタウンガーデンの散策だ。湖側の散策路を歩くが、一周するとそれなりに距離がある。しかし、湖沿いを一周するコースを歩くと、歩き始めてしばらくしてから、またしても目の前にワカティプ湖と両隣の山々の絶景がいやでもめに飛び込んでくる。またしても息を呑む光景。これはクィーンズタウンのハーバー側でみるのとは大分違う。ここの公園の端のほうまで来る観光客は見かけないけど、ここもまた一見の価値がある。何よりここは無料のアトラクションなのだ。クィーンズタウンに泊まったら、ぜひクィーンズタウンガーデンの湖側(外側)の散策路を突端まで歩いて欲しい。
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| クィーンズタウンガーデンの入り口 | ワカティプ湖に突き出すような公園 からワカィプ湖畔を眺める |
公園の突端からワカティプ湖を望む |
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| 公園からクィーンズタウンの街と反対側 の湖畔方面を望む |
公園内は大変美しい | 公園のもうひとつのゲート |
このあと、街にもどり、PaperPlusという書籍・文具店で「UPSIDE DOWN」、つまり上下逆さまの世界地図を買った。すなわち北極の位置に南極があり、南極が北極で....ああ、ややこしい。北海道が下にあり九州が上にある、そのうえ日本の上にニュージーランドがあるという地図。これ、日本ではおそらく売っていないだろう。実はこの地図の存在はとあるCATVの番組で知ったのだが....。
さらに街を散策してショップなど覗きながら、アルパインスーパーマーケットでジュースなどを買い、時計をみると夕食時だ。さて、どうしよう。一人旅で一番困るのがディナーだ。都会ならともかく、ラハイナやクィーンズタウンといった観光地では、家族やカップルでくるのが当然だから、当たり前のことにそういう客をターゲットにした店が多い。大体ディナー時に店内が薄暗いムーディーなレストランに予約無しで男性一人が入れるものじゃないではないか(笑)。
そこで観光街を避けて、地元民の比較的多いショットオーバーストリートに行き、みつけたのが、アルパイン・スーパーマーケットの隣のタイ風料理のカジュアルな店(カフェっぽい)「ザ・ハッピー・ウォク」(The Happy Wok)。ここでNZ$11.50のコンビネーション・フライド・ライス(野菜・エビ・イカ・豚肉のタイ風チャーハン)を頼む。キッチンからは勢い欲鍋をふり炒める音が聞こえてくるが、この音と香りは期待できそうだ。出てきたのは、見かけはしょうゆ風味チャーハンだが、味もちょっと甘めながら結構美味である。いや、こうした店の料理としてはかなり美味、相当美味。B級グルメとしては星二つ半くらいはあげてしまおう。
というわけで、クィーンズタウン最後の夜はふけてゆく。
(第3日目終了)