第2日目

寝惚けてる…

何となく睡眠から引き戻されて時計を見たら4時55分で外はまだ暗い。そうか、時差が3時間だから日本は7時55分、ということは時差惚けかしらん、とか夢うつつで思っていると、ちょっと待てよ、ニュージーランドのほうが3時間進んでいるのだから、逆に日本はまだ1時55分じゃないか、などと考えていたらいよいよ目が覚めてきてしまった。こりゃいかん、いかん。そうこうしているうちに再び眠ってしまい、7時半にセットした目覚ましの音で目が覚めた。

B&Bでの朝食

身支度をして部屋を片づけてダイニングへと降りる。ここでの朝食は、昨日のホストの説明によれば8時から9時までだという。ダイニングへ降りたのは8時をちょっと回っていたけれど、すでに年輩のカップルが二組ほど居た。ダイニングには全部でテーブルが6つほどある。

どこに座って良いかわからないので、待っていると奥から出てきたスタッフ(というのか?)が、「滞在して初めての朝食ですか?」というので「そうだ」と答えると、小さいテーブルに案内してくれて、コーヒーか紅茶かを聞かれたので紅茶を頼む。フルーツとジュースとシリアルはバフェなのでご自由にどうぞということだった。

しばらくしてトーストを(薄切り2枚分)を持ってきて、料理の注文を取りに来た。料理と言っても4種類だけで、筆者は「KIWI STYLE」というのを頼んだ。これは、ソーセージ2本とベーコン、ポテト(フレンチフライではなくハッシュドポテト)と卵2個がついているもので、卵はスクランブルにしてもらった。

こうやって書くと大した量ではなさそうだが、実際には結構お腹いっぱいになってしまった。私が食べている間に他のゲストもやってくるが、皆さん恐らく昨日と同じ席なのだろう、ためらいなくテーブルに向かっている。ダイニングに居るのは、年輩のカップル、母親と幼児に毛の生えたような女児連れ、年輩の女性二人連れ、若い女性一人、そして見た目は三十半ば(実にあつかましい)のアジア系に見えるけれど国籍不明の中年男性(誰だ、それは…)が一名だった。

出かける前に

朝食を終えてリビングで新聞の天気予報をチェックする。今日は晴れ、明日は曇り時々雨、明後日はシャワー(を〜い)……むう。今日は晴れとなると、晴れているときでないと行けないところ、雨だと意味がないところへ集中的に行くことにしよう。

Bed & Breakfastというと家庭的でゲスト同士も食後にリビングで談笑し…と想像している人も多かろうが、ここは部屋数も10室以上と多く、プチホテルといった感じで、ゲストの方も食事を済ませると部屋に戻るか出かけてしまうドライな方ばかりのようだ。夕方見てもリビングには人影はなかったなぁ、そういえば…。

一度部屋に戻って、スーツケースに用心のためベルトをかけ、ベッドメイキングの邪魔にならないように端によせてして、いざ街へ出発。

カンタベリー博物館

天候も良くなるとうことで、まずは宿から歩いて5分ほどのカンタベリー博物館へ行く。

歩きながら予定を考えるが、午前中はガスっているだろうから、昼過ぎあたりにクライストチャーチゴンドラに乗ってクライストチャーチの街を山の上から眺めることにしよう。その前に、博物館の後は、晴れていないと厳しいであろうクライストチャーチ植物園(博物館の隣)へ行ってみよう。

そういうわけで、まずCroydon House Bed and Breakfastを出て、右に歩いてゆく。まっすぐ行けば、ほぼ博物館のほうに行けるのである。

筆者は博物館が好きで、一人旅のときは必ずどこかで博物館へ行く。博物館とか美術館なんてのは、誰かと一緒に行くところではなく、一人で行って、気に入ったところ、興味のあるところを誰にもせかされることなく、のんびりと飽きるまで見学するところだと思う。

朝もやでかすむ、アートセンター(カンタベリー博物館の前) 館内に展示してあった南極用の雪上車
朝もやでかすむ、アートセンター(カンタベリー博物館の前) 館内に展示してあった南極用の雪上車

カンタベリー博物館の入場は何と無料!。1Fと3Fの2フロア構成で、ニュージーランドの自然史とマオリの移住から始まるニュージーランドでの人の歴史を紹介している。筆者が興味を持ったのは「Bird Hall」というニュージーランドの鳥の剥製の展示室だ。

一昨年の訪問では「Milford Sound」への現地ツアーに参加したが、その時の説明に「ニュージーランドには元々鳥の天敵となる動物が存在しなかったので、鳥も空を飛んで逃げる必要もなくなり、飛べない鳥(flightless birds)が多く存在したが、人間の移住とともに鳥たちの天敵も持ち込まれて繁殖し、飛べない鳥は彼らの餌となってほとんど絶滅した」というのがあった。そのツアーで通ったテ・ア・ナウというちっぽけな街にはTAKAHEという飛べない鳥の像があったのが印象的だった。実は博物館でこのTAKAHEの剥製を見ることが出来たのである。一昨年のガイド氏の話も思い出しながら、しばらくその前を離れることが出来なかった。

クライストチャーチ植物園

カンタベリー博物館に居たのは一時間ほどだろうか。外へ出るとまさに抜けるような晴天になっていて大変に気持ちの良い天気になった。予定通り、これまた入場無料のカンタベリー博物館の隣のクライストチャーチ植物園に入る。このクライストチャーチ植物園は広大なハグレーパークの二割以上を占めており面積はおよそ30haだという。基本的には筆者がこれまでにみたハワイやオーストラリアの植物園と同じで、日本の植物園のように花がいっぱいというわけではなく、緑が一杯の公園というところだ。途中温室などを見学しながら公園中央部にあるカフェでカプチーノ(NZD3.50)でひと休み。

園内はすでに秋まっさりだ 温室内には花が沢山ある
園内はすでに秋まっさりだ 温室内には花が沢山ある
噴水越しに見えるのはアートセンター こういうものもあるところが「植物園」
噴水越しに見えるのはアートセンター こういうものもあるところが「植物園」

リカートン・モール(Riccarton Mall、あるいはWestfield Shopping Centre)へ

さて、これからどうしようか。おもむろにビジター・インフォメーション・センターでもらった地図入りパンフレットを眺めていると、リカートン通り(Riccarton Ave.)にでることができ、そこまできたらあと一息で、Westfieldという通称Riccarton Mallはさほど遠くなさそうだと思えてきた。

休憩も十分にとったので、トイレを済ませてからいざ出発。植物園を出るとテニスコートと駐車場のあるところに出てきてその先がRiccarton Ave.だ。通りには歩道のほかに、公園敷地内に自転通行可能な遊歩道があるのでそこを歩く。そして交差店にでてまっすぐ行ったつもりが実は左折してしまっていて、50mほど歩いたところで通り名をみて間違いに気付いた。

Westfield Shopping Centreの全景
Westfield Shopping Centreの全景

この交差点を境にRiccarton AvenueがRiccarton Roadになるのだが、ふと見た通り名はDean Ave.とある。こりゃいかん、と、交差点に引き返して正しい道路へ向かう。この通りはかなり交通量が多い。それでもアメリカあたりと違って、ちゃんと安全に歩ける歩道があり、さほど多くはないが人も歩いている。これはアメリカなんぞに比べたら遥かに治安が良いこと、市内はバスが非常に便利に走っておりこれを利用することを市が推奨しているからというのもあろう。アメリカ人があまり歩かない理由の一つは、歩いていると襲われるという治安の悪さによるところが多いからだという。

歩いているうちに段々暑くなってきて、ナイロンのジャンバーを脱ぎ、セーターも脱いで丁度良くなった。

鉄道の踏切を越えた当たりから通り沿いに店が出てくるようになり、その数が増えてきてやがて小さな街の繁華街のようになるが、まだMallらしいものがあらわれない。植物園を出てかれこれ30分くらい歩いたころにようやくK-Martの文字が見えてきた。

海外では何かとスーパーや地元のショッピングセンターに鼻がきくのである。ふふふ…。

今日は、午後からゴンドラに行かねばならない(この晴天というチャンスを見逃せない)の軽く覗くだけだ。ここにはK-Martというアメリカではお馴染みの雑貨スーパー、Pak'n Saveという食品スーパー、デパートのFarmersをキーテナントとしておよそ100店舗ほどが立ち並ぶクライストチャーチ市内では最大のショッピングモールで、規模的にはハワイで言えばホノルルの南の外れにあるカハラ・モールのような感じだ。ただし、K-Martには。アメリカのそれに見られるようなキャラクター雑貨商品はほとんどというか全く見かけないのはケアンズの時と同じである。

市内からはバスで片道NZD2.00だし、バスの本数も非常に多く、地元のスーパーやショッピングセンターを楽しみたいという方には、文句無くお勧めの場所だ。

バスに乗ろう!

そういうわけで、ざっとK-Martの中だけ見て、市内へむかうバスのバス停へと向かう。

ちなみに、市内からRiccarton Mall (Westfield Shopping Centre)へ行くには、City Exchangeという巨大なバス乗り場のPlatform Bから赤いバスの5番のHORNBY方面行きに乗ればよい.SOUTHSHOREというのは反対方向なので要注意。ちなみに前述したとおり市内とこのモール(Riccarton Mall()の間はNZD2.00である。

クライストチャーチ滞在でバスに乗るのはこれが始めてであるが、別段難しくはない。乗るときに行き先を言って運転手が告げた運賃を支払うだけのことだ。市内からだと、左手にいかにもショッピングモールという建物が見えてから合図の紐を引けばよい。

Cathedralにはやはり晴天が似合う 観光用のトラム(路面電車)、一日10ドルと高い!
Cathedralにはやはり晴天が似合う 観光用のトラム(路面電車)、一日10ドルと高い!

ここから、市内に戻るには、緑色のThe Orbiterという山手線のように市の周辺を回っているバス以外なら、どれに乗ってもOKであるから、本数は非常に多く、平均数分程度でバスがくる。市内に戻るには、"City, Please" の一言とNZD2.00があればよい。

昼食

とても甘かったけど美味しかったカレー
とても甘かったけど美味しかったカレー

さて、市内へ戻ってきたら13時過ぎなので、あまりのんびりしていられない。そこで、昨日の昼夜に続いて、このCity ExchangeのとなりにあるThe Crossingのフードコートで昼食である(しかし芸がないねぇ)。

昨日の昼にビジネスマンのお兄さんがカレーの皿とライスの皿を持ってきて、カレーをライスにかけて食べていたのを思い出し、それが妙に美味しそうだったのである。

しばらく迷ったあげく、何種類かあるカレーから一種類とライスとナンとドリンクがセットになったもの(NZD10.50と結構高いなぁ…と思ったらコンボなんか頼まなければいいのに…) を頼んだ。

しかし、何でライスとナンの両方が付いているのだ?何でナンだ?とかまたしても下らないギャグを思いついて一人でニヤニヤしながら、まずはカレーを一口。とたんに椅子から飛び上がり数メートルはあろうかという天井に頭をぶつけそうになった。

いやはや何とも「甘い」のである。それもかなり甘い。これはしくじったと思ったが後の祭。だが、不思議なことにライスと混ぜてグチャグチャにしてカレーライスとして食べると、一口すすむごとに段々美味しく感じてきた。ナンで食べるとどうナンだろう、とか、またしてもアホなことを考えつつ、カレーの器に残っているカレーを何で、いやナンですくって食べてみると、いけるじゃん、結構....。この甘さ攻撃に頭がゆるんだ所へ、Diet Cokeの甘さでとどめを刺された筆者の頭が、完全に玉砕し食べ終えてフードコートを出る頃には「ナンなんだ、あの甘さは、ナンとも言えないナン」とかいうことしか思いつかず、完全にアウト。

でも、慣れてくると結構美味しかったね、恐ろしく甘かったけどさ。

普通のバスでクライストチャーチ・ゴンドラへ

ここからゴンドラに行くには二通りだが、便利なほうの公共バスを使うことにする。

乗るバスは28番であるのはわかっているし、ビジターセンターで28番バスの時刻表をもらってきたので、City ExchangeのPlatform DからLyttelto/Rapaki行きに乗ればよいこともわかっているが果たしてどこでおりるのだろう?

なんて考える暇もなくバスがやってきたので、運転手にゴンドラの駅へゆくことを確認してNZD2.00の料金を支払う。そのときに「4時間以内ならこの券を見せれば帰りはそれでのれりから無くさないように」と言われた。4時間以内の乗り継ぎは無料なのは知っているが、これもそれに入るのかは不明だけれど、運転手が言うのだから間違いあるまい。

さて、乗ること二十数分で目的地へ到着。最初は街を走っているのが、いつしか住宅街にかわりそのうち周囲には何もなくなり、目の前に山が迫ってきたと思ったら、ゴンドラの看板が見えて乗り場のほうへバスが入って行き、下の写真のような風景になるので、これは居眠りでもしていない限り見逃しようがない。

ゴンドラの駅へ入るためにバスが幹線道路を離れてから合図をすれば十分である。クライストチャーチ・ゴンドラに乗るのに、高価なツアーなんぞ使う必要は皆無である。

クライストチャーチ・ゴンドラ (カヴェンディッシュ山 "Mt. Cavendish")

ゴンドラのチケットは大人往復でNZD16.00とそれなりに高いのは観光施設の常。料金を支払うとどこからきたのかと聞かれたので、なんでそういうことを聞くのだろうと思うと同時に、どうやら筆者の顔に怪訝な表情が浮かんだらしく、係員はすぐに「マーケットリサーチのためだ」と付け加えた。ちらりと覗き込むと、実際、レジに国名か地域名を書いたキーがあるようだ。

ゴンドラの駅舎、バスはすぐ横に止まる
ゴンドラの駅舎、バスはすぐ横に止まる ゴンドラ自身は4人乗りくらいの小さなものだが、結構速い
山頂からマコーマックス湾を望む
(McCormacks Bay)
同じくマコーマックス湾だが、すでに夕方の気配

ゴンドラからの眺めは素晴らしいといいたいが、丁度伊豆の大室山から眺める伊豆半島の風景や、函館山から見る函館の光景とそっくりである。景色の綺麗さという点では、クライストチャーチのスカイライン・ゴンドラには到底及ぶべくもないニュージーランドは風景の綺麗なところでが多いが、ここに限っていえば伊豆・函館並ともいえるし、伊豆や函館がニュージーランドほどに美しいところもあるともいえる。まあいずれにせよ、クィーンズタウンのように息を飲むことはない。

これは、南島では東側は乾燥地帯で雨が比較的少ない一方で、西海岸というかフィヨルド側というかタスマン海側は多雨の地域で、緑の多さも自ずから違ってくることにも由来するように思われるが、本当の理由は定かではない。クィーンズタウンのスカイラインゴンドラはまた乗りたいと思うが、ここは一度でいいかもしれない。

見ていなければ見る価値は大いにあるが、一度見ればそれで十分かもしれない。

インターネット・カフェ

さて、街に戻る28番バスが来たのは3時半前後だったと思う。City Exchangeに戻ったのが4時前だ。Whitcollsというニュージーランドの本屋のチェーン店をまたぞろ覗いてみる。欲しい本はいくつかみつけたのだが、どれも日本でアマゾンあたりで買うほうが遥かに安いので、今回は書籍購入は断念。

外へ出たら4時半前くらいで、Cathedral Squareのすぐ目の前にあるインターネット・カフェ(正確にはカフェではないが...)が日本語の使えることを店頭のビラにうたっているので、そこでNZD3.00で一時間を借り、妻と知人にメールを出す。妻には毎日電話しているのだがメールだとゆっくりかけると言うこともあって、今日の出来事などを報告。インターネット・カフェを出たら5時半で丁度夕食時だったが、衛生面での常識的な行動としてそのままビジター・センター脇の大変に綺麗な公衆トイレにゆき石鹸で手を洗う。

ニュージーランドの人は清潔好き?

そういえば、日本の公衆トイレには、デパートやレストラン、ショッピングセンターなどの一部を除けば、トイレの手洗い場に石鹸が付いているところは非常に少ないように思う。しかし、ここ、ニュージーランドでは、逆にどこのトイレにも必ず石鹸がついていて、今回の旅で石鹸のないトイレの手洗い場は見かけなかった。小便器付近はあまり綺麗じゃなくて臭っているようなトイレでも、石鹸は必ずあった。そして地元の人の多くはきちんと石鹸で手を洗っていたようだ。

また、アメリカではおなじみの茶色い再生紙のペーパータオルもほとんど見かけない。かわりに温風ドライヤーがほぼ必ずといってよいくらいに設置してあった。これは一重にニュージーランドの人の自然保護に対する姿勢の表れだろう。

日本の多くの公衆トイレには、石鹸もなければ温風ドライヤーもない。トイレへ行ったのに石鹸も使えず、決して清潔とはいえないハンカチで手を拭く行為に甘んじなければならないのを考えると、本当に日本人って清潔好きなのか疑問になる。

MOM'S 24での夕食

さすがに今日の夕食までもThe Crossingのフードコートというわけにはゆかないので、スターマート(コンビニ)で新聞を買ってから前日に目を付けていた「MOM'S 24」というJapaneseとKoreanの店に入る。迷った挙げ句頼んだのはビビンパ(NZD10.00)とハイネケン(NZD5.00)だ。ビビンパはごく普通のものでなかなかイケる。これにキムチと何故か味噌汁がついている。回りを見ると料理は何を頼んでも味噌汁はついてくるようだ。こういう店ではあるが欧米系の客もそれなりに居る。気軽に一人で夕食をすませることのできるフードコート以外の数少ない店かもしれない。

ビビンパとキムチとビールでムチャクチャお腹が膨れてしまった。食べながら先ほどかった新聞(THE PRESS)を見ると、妻が電話で教えてくれた通りNZでもSARSの疑いのある人がでたとのこと。だが、読み進むとどうも他にも患者の疑いのある例が見つかっているのだという医師の話も載っていたりする。実際問題、先進国で疑い例まで含めると発見されていない国は無くて、単にWHOに報告されていないだけではないのだろうか。日本だって実際の疑い例なんてのは、報告数の何十倍、何百倍もいるに間違いないとおもうけどねぇ。診断方法が確立していない以上正確な数字は無理だろうけど。

さて、滞在二日目が終了。クライストチャーチでの滞在はまだ丸三日ある。どうか晴れますように。

(第2日目終了)

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