
いつもの時刻に起きると道路が濡れている。道路が濡れていようがいまいが、出かけるときに止んでくれればそれでよいのだ。
昨日までの朝食では、スクランブルエッグが結構塩辛かったので、今朝は"Traditional English"というタイトルの、ソーセージ2本と落とし卵(pouched eggs)にした。落とし卵ならそれ自身には味付けはしていないだろうと思ったからだが、これは大正解で卵2個をほとんど塩もふらずに食べた。
昨日も見かけたアジア人のカップルは今日も居た。食後に私がリビングで新聞を読んでいたら、旅立ち支度をしたそのカップルが入ってきた。どこから来たのか?と英語で聞くと、シンガポールからだという。なんでも、ニュージーランドは十年ぶりで休暇を二週間取ってやってきたのだそうだ。クライストチャーチ、クィーンズタウン(Mt.Cook、ミルフォードサウンド)、オークランド、ロトルアとニュージーランドの有名所を攻めるのだそうで、なんとも羨ましい限りだ。
まあ、筆者でも十年おきであれば、二週間の休暇は取得できるのだが、子供がいると二週間休暇が取れても学校を放り出すわけにも行かないのである。ちなみに、このカップル、何を待っているのかと尋ねたら、ツアー会社の迎えを待っているのだという。なるほど、そういうことなのね。
日本へはまだ来たことがないということで、何故なら日本語が話せないからだという。いや、東京などの大都会に居る限りは日本語を話せないことは旅行者にはさして重要ではないと言ってはみたものの、彼らの外見は控えめに言ってもかなり日本人っぽい顔立ちで、これは確かに困るかも知れないと感じたのも事実だ。
日本人は相手があきらかに欧米人ならば、話し方を加減したりするわけだが、見た目で区別がつかないとそういう気をきかせることもできないから、いきなり日本語の嵐がとんでくる可能性はある。日本人は自分と同じ様な顔立ちをしていかにも日本人のように見えるのに、実際は日本語は解せない相手と遭遇することには慣れていない。
ちなみにスシバー(寿司屋)の値段をきかれたので、それこそピンキリであり、ギンザのスシバーなどでディナーをしようものなら、最低でもUSD100.00以上はかかるであろうというと、大いに驚愕していたので、あわてて、私もそういう高級店では食べたことがないよ、ちょっとした普通の店でディナーでなければ(ランチならば)、最低USD10.00あたりで盛り合わせ(Comboか?)が食えるだろうというと、やや安心した様子(笑)
いろいろ旅の雑談などしているうちに彼らの迎えが来たので、互いに旅の無事を祈って分かれた。こういう小さな出合が旅の最大の楽しみの一つであろう。
さて、外を見ると雨もあがったようなので、予定通り空港近くの国際南極センターに行くことにした。
国際南極センターへは、どこぞのツアーもあるし、日本人ガイドの送迎付きののオプショナルツアーもあるようだが、そんなものをつかわう必要はまるでない。Cathedral Squareから空港行きのAirport Busが出ているので、それに乗れば国際南極センターの玄関のところに横付けにとまるのである。運賃はNZD5.00だ。
筆者がSquareに出ると、丁度バスがとまっていたので、行き先(Antarctic Centre)を告げてNZD5.00を支払い乗り込むと誰も居なくて貸し切り状態。ここからドライブを25分ほど楽しむと、いかにもそれとわかるところへバスが入って行くので合図をして降りる。乗るときは前だが、降りるときは前後どちらでもよい。
後ろから降りる地元の人をみていると、半数ほどの人は大声で「Thanks!」とか「Thank you!」と叫んで降りる。運転手も人によるけれど「Very Well!」とか返してくれたりする。筆者も、大声で「Thanks!」と言って降りる。
日本でもバスを降りるときに「お世話様!」とかいって降りることもあるけれど、いけないとは思いつつ、つい黙って降りてしまうことも多い。といっても、都会だとそういう感じというだけで、田舎のほうに行くと、「ありがとう」とか「お世話様」とか口に出ることも多いので、どうやら都会特有の悪癖なのかもしれない。
筆者も知らなかったのだけれど、実はこのクライストチャーチは南極観測のゲートウェイなのだそうで、この国際南極センターにもアメリカを始めとする各国の南極観測用の資材や研究施設などが置かれていて、それが「国際南極センター」なのだ。筆者のような観光客は、その中で観光用に設けられた施設を有料で見学するわけだ。
さて、中へ入ると入場料はNZD18.00で、雪上車試乗込みだとNZD30.00だ。他に各国語で案内を聞くためのSNOW PHONEなるものの賃料がNZD5.00だ。私は雪上車には興味はないので、通常の入場料とSNOW PHONEだけをかりて合計NZD23.00だ。このSNOW PHONEだが、あえて借りる必要があるほど大した説明は聞こえてこなかった。この程度ならば、会場の英語のアナウンスを聞き、説明を読んだ方が良いのではないか、と感じた。SNOW PHONEの解説は数カ国語で聞くことが出来て、その中に英語もあれば日本語もあるのだがイマイチ必要性が感じられず、NZD5.00を損した気分だ。
中へはいると最初に南極の四季が気温と風以外で体験できる。すなわち音と光と説明だ。ここでは、悲劇の南極探検家であるスコット氏の日記の一部が朗読されたりして、その大変さの一端を教えてくれる。
ここが過ぎると、難局の気候体験があるが実はたかだかマイナス8度程度なのでさほどでもなさそうだ。一応防寒ジャケットを借りることが出来るが、入っているのはガキンチョばかりなのでここは通り過ぎる。
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| バスがとまると正面には雪上車が止まっていた | アメリカの南極観測資材の倉庫 |
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| ビジターセンター入り口 | 昔々の犬ぞり時代の南極観測はこんな風? |
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| 寒そう!でも、作り物だから寒くない (氷の洞窟) | 皇太子殿下御夫妻も訪問された |
そのまま先へ進むと、ニュージーランドが南極に設営しているスコット基地の入り口を模した展示場になり、ここが主たる展示場で南極の自然について、狭い展示場所ではあるが他では見られない濃い展示と説明をみることができる。ここで、地元の小学生の団体に遭遇し、館員の人が説明していたので、なにげに聞いていたのだがなかなか分かりやすくて楽しかった(笑)。
さて、このあと、氷の洞窟の模型を抜けて美しい南極の写真が音楽とともに大きなスクリーンで上映されるのを十数分にわたり楽しんで終わりだ。ちなみにこのスクリーンに投影される光景は圧巻で、大変にすばらしい。これを見るだけでも来た甲斐があるというものだ。
このように書くと短く思えるかも知れない。実際、入場券売り場には1〜2時間が所要時間であると書いてあった。しかし、滅多に他では見ることのできない展示やビデオ映像を熱心に見ていると、筆者は軽く三時間を越えてしまっていた。まして、どこぞの日本のオプショナルツアーのように一時間半後に迎えに来られたのではおちおち見学もできないではないか。繰り返すけれど、普通のバスに乗りさえ出来れば、まったく不自由なく来ることが出来る場所なので、自力でバスで来ることを強く推奨したい。
さて、見学を終えて、キーチェーンとマグネットを売店で購入したら昼時も過ぎていて腹が減ったので併設のカフェテリアで簡単な食事を取った。ダイエットコーク(NZD1.95)とパニーニ(NZD7.50)だ。味については別に感激するほど旨くもなく、怒り狂うほどまずくもない普通の味である。
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| カフェテリアの隣にあるショップ | 滞在二度目のパニーニ |
バスは20分間隔でくるはずで、手元の時刻表にはエアポートバスのクライストチャーチ市内行きの空港出発時間があり、おそらくそれに2分ほど足した時間であろう、と読んで、バスが来るであろう時間まで残ったコークで休憩していたら、コーク腹になってしまい、苦しくなってきてしまった(笑)。
気候的に乾燥しているということはないので、ハワイやケアンズ(冬)のように咽が乾かないのである。
筆者は一人旅で、ツアーできているのではないから、のんびりコークを飲みながら、こうやって旅行記を書いたりしているけれど、先ほど日本人ガイドの運転する車でやってきたツアー客は、きっと嵐のような速度で中を駆け巡り、展示をゆっくり楽しむ暇も無く、ショップをゆっくり除くわけでもなく、こうやってゆっくりとカフェで休憩することもなく、去ってゆかねばならなかったのだろう。そう思うと大変気の毒である。
やはり、自分の足でくることができるところは、そうしたほうが自由が利くし、いろいろな発見もあるものだ。
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| 有名なエイボン川のパンティング |
やってきたバスでいったんSquareに戻り、さて、どうしよう....と、またもやビジター・インフォメーション・センターに戻り、いろいろなパンフレットを長めながら、明日はアカロア日帰りツアーでも申し込もうかと思って思案したが結局断念した。
移動前日の長距離ツアーは避けたい(体調を維持するために予定を思い切って軽くするのは大切だ)と考えたのが最大の理由だが、他にもイマイチ天候が不安定で天気予報が当たらないからでもある。
実際には断念した理由はほかにもあり、車が小さなバンだったりして、万一それにSARS拡大地域からの客と一緒になったりしたら、これはちょっとかなわないと思ったからだ。同じアジア人同士だから差別とかそういう気持ちはまるでないが、用心のためだ。
ちなみに、ニュージーランド航空の機体には全機種にクリーンルームとか無菌室の空気の浄化につかわれれているという高性能エアーフィルターが使われて空気浄化をしているらしいので、あまり心配はない。
実際、これまで報道されている中でも機内で感染が広まったという話はない。それがあったらとっくに世界の航空路線でパニックになっているだろう。それにそうなると国際線はおろか国内線だって乗れないではないか。現実の他人との接近度を考えると日本の首都圏の超満員電車での長距離通勤のほうが飛行機よりはるかに感染の危険度が高いことは間違いない。
滞在中の筆者は、観光めぐりではなく、地元の人が日常生活で行くような所をあてどもなくさまようのが好きなのだ。そういう意味では映画館も行きたいが、今回の状況では狭くて換気のよくないところに長時間大勢の人と一緒にいたくないこともあってパスした。とはいっても、ニュージーランドのクライストチャーチは極めて安全だという感じがする。特に私が行くところは、今回はどこも観光客そのものがすくなかったりしたし、あとはショッピングセンターとかガラガラのバスに乗っていたりするだけで、他には屋外でカプチーノを飲んでいたり、と、まあ、暢気なものなのだ。
まあ、そういうわけで、明日のアカロアは止めた。こういうときは自由がきく個人旅行のほうが、体に無理がない。無理がないと言うのは疲労しすぎないということであり、抵抗力が維持できるからだ。とにかく、一人旅ではハードスケジュールで疲れは照るのは禁物だ。
明日のアカロアをやめたのはいいけれど、さて、今日の残りはどうするか。
ふと、思いついたのが、昨日THE ORBITERで通り過ぎた時に、大きく見えたショッピングモール"The Palms"へ行ってみようということだ。どうやって行くかは、ビジター・インフォメーション・センターに行ってバス案内を見ればよい。すると、70番か60番があり、どちらもコアサービスなので15分間隔の運転だ。
この街は本当にバスが多い。市民の数にくらべたらむちゃくちゃ多い。ちょうど東京の地下鉄並の便利さである。その便利さの中に仕事場と自宅が入っているだろうから、通勤にはバスを使う人も多いし中学生や高校生もみなバスを使っている。アメリカのバスと違って、ここではバスは安全で快適で便利な市民の乗り物になっている。
70番はThe Palms付近はTHE ORBITERと同じ道路を走るので、昨日見ているからわかりやすいと考えてそちらに乗ることにして、City ExchangeのPlatform Cに向かった。待つこと5分ほどで目的のバスがやってきた。中心部からはほぼまっすぐ北上するだけなので、所要時間は十分もかからない。
目的のThe Palmsで降りたのはよいが、どうもどこにも入り口がない。本来メインゲートがあるであろうところは、増築工事(かなり大規模な工事で完成すればおそらくクライストチャーチで一番大きなショッピングモールになるであろう)が進んでいるのだ。いや、多分増築だと思うが、明日、宿のホストに聞いてみよう。結局、非常口が入り口として解放されていたようなので、そこから入ってしまった。
ここは、大きさ的には想像通りで、Riccarton Mallより小さいがEastgate Mallより大きい。店の種類もまあ似たようなものだ。どこも雑貨系スーパー(K-MartかWarehouse)と食品系スーパー(New WorldやPak'n Save)とデパート(Farmers)があり、他に必ず本屋(Whitcolls)がある。そういう意味では、やはり、Riccarton Mallを見れば十分だと言えよう。K-Martもアメリカのそれにくらべると、オーストラリアもそうだったがかなり品そろえが違う。
The PalmsではK-Martでおやつのキットカットとキャドバリ−のクランチの小さい奴、それにポテトチップスの小袋で、締めてNZD3.30を買っただけで、他には特に買い物をするでもなく、再び70番に乗ってCity Exchangeに戻った。
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| またしても The Clossing のフードコート |
時刻は間もなく夕方5時。昼が軽いパニーニだったのでお腹がすいてきた。最初はラム料理をうたっている安そうなカジュアルレストランをオックスフォード・テラス沿いに探してみたが、TGIF(Thank God, It's Friday. 日本語で言えばハナ金というところか)で、平日なら一人客が居る店でも、どこもカップルかグループだらで、一人オジサンが入るにはいくらカジュアルでも場違いな雰囲気がプンプンしてきたので、初日に気に入ったThe Crossingのフードコートに行くことにした。(しかし芸がないねぇ)
さすがに金曜日はどこも営業時間がながくて、ここもまだ全部の店がやっていた。芸のないことに初回と全く同じメニューを頼むが、ありゃりゃ今日は随分塩辛いぞよ。まあ、塩辛い点を除けば結構いけます。
周囲を見ると男女のビジネスパーソンらしき人や、一人旅の旅行者らしい人が沢山居て、同類がここに多くいたことに妙な安心感を覚える。やはり、筆者のカンはまちがっていなかったかしら。
食べ終えて外へ出たのがまだ17時半。腹ごなしに歩いてSouth City Centreへ向かう。今日、妻と電話で話していてニュージーランドのみかん(温州みかん)をたべたか?ときかれたことを思い出したのだ。
食品スーパーのNew Worldに入ると、SATSUMA MANDALINというものを売っていた。説明があってそれを読むとまさに温州みかんの特徴そのものなので、とりあえず3個と、ニィーズウィーク(英語版だけれど、隅っこに漢字があるので太平洋版は日本で刷っているのかしら)、ルーニーチューンズの歯ブラシを見つけたので、それを一本購入して合計NZD9.35を払い、ぼちぼち歩いて戻る。
ちなみに夜にこの日記を書きながらみかんを食べてみたが、これから旬ということもあって甘くてとても美味しかった。機会があればおためしあれ。
途中、Squareのインターネットカフェで妻にメールを書いた後、日本の新聞社のサイトのニュースを読んだりして一時間でNZD3.00なり。
さて、これで今日は終わりだ。明日は、クライストチャーチ最後の日になるので、天気も良さそうだし、カフェでのんびりカプチーノでも味わいながら、ゆっくり過ごすとしよう。
(第4日目終了)