「お替わりはいかが? 〜1278〜」

1999.01.02 (Sat) ==========================

□ 嫌いな番組

 日本テレビの番組に「電波少年」という番組がある。以前から時折新聞の投
書欄に批判の声が載ることがある番組だが、私もこの番組が嫌いである。私自
身は進んで見たことはないのだが、家人が見ていたりしてたまたまその場に一
緒にいると見てしまうこともある。

 何が腹が立つといって、無茶が多すぎるのである。まだ駆け出しのタレント
や役者志望などを相手に、彼らは仕事の為に局のいいなりにならざるをえず、
プロデューサには逆らえないのをいいことに、騙しを重ねるのである。別の仕
事だと偽って他国につれて行ったり、ある企画のプレゼントだと称して他国へ
目隠し状態で本人に知らせずにつれていってそこでとんでもない企画をさせた
りする。中にはそうやってつれてゆかれて企画を押しつけられたが、もうイヤ
だと自己主張をして逆らうタレントの卵氏もいるようだが、あたりまである。

 とにかくこの世界は視聴率が全てだという。視聴率が下がれば番組関係者の
クビすら危なくなるから、何がなんでも視聴率を取ろうとする。そのためには
手段を選ばない、多少あくどいことでも、無茶でも、迷惑をかけても、法に触
れないぎりぎりのところで番組を構成し視聴率を確保しようとする。

 中には、その無茶な企画が最後まで達成できたあの涙のシーンの感激がよい
などという声もあると聞くが、馬鹿な話だ。無謀なことをぎりぎりのところで
なしとげて感激もへったくれもあるまい。それも小型とはいえカメラを抱えた
人間が側についていることが多いのだから、緒戦はやらせの世界ではないのか。
やらせの世界で似非涙もへったくれもあるまい。気の毒なのはそうやって消耗
品同様に視聴率のためにこき使われる若いタレントの卵連中だ。これがベテラ
ン俳優とかを相手に同じ事ができるのだろうか。同じ事がベテラン相手にでき
るなら是非ともやってほしいものだ。ベテランには頭があがらないくせに、駆
け出しにたいしては、視聴率の名の下に無茶も無謀もなんでも来い、本人の意
思などそこにはほとんど存在しないではないか。これは絶対フェアではない。

 この電波少年という番組などは、最近の番組としてはかなり悪質な番組であ
る。元旦のゴールデンタイムに特集として放送して良い番組ではない。どうも
この番組に限らず、私の個人的な尺度では日本テレビの番組の質が年々低下し
ているように感じる。その逆にテレビ東京がなかなかがんばっているように思
える。それでも私の思いと視聴率は比例しないようで下らぬ番組は続く。