「お替わりはいかが? 〜1300〜」

1999.01.24 (Sun) ==========================

□ KAILUA-KONA 〜2〜

 カイルア-コナの街はオレンジ色である。どういうことかというと、アリイ-
ドライブを照らす街灯は全てナトリウムランプなのである。さらに明るくてけ
ばけばしいネオンはほとんど見あたらない。物静かに店の名前だけを照らす小
さな看板が並ぶだけだ。

 世界でも、チリのアンデス山系、アフリカ西海岸のカナリー諸島山頂、そし
てハワイ諸島のハワイ島のマウナ-ケア山頂の三カ所は天体観測の好条件に恵
まれており、標高4205mの山頂にはハワイ大学マウナ-ケア天文台を中心に全部
で13台の望遠鏡があり、日本の8m光学赤外線望遠鏡「すばる」もある。ちなみ
に海岸のあたりは真冬でも27度くらいで年中海水浴が出来るが、マウナ-ケア
の山頂付近はスキーも出来る。このように天体観測の拠点となっているため、
条例により明るいネオンサインなどは条例で規制されているという。だから、
ハワイ島では、道路の照明などはナトリウムランプ(日本ではトンネル内の照
明に使われているオレンジ色のあれ)である。これが何とも幻想的で静かな雰
囲気をかもしだしている。けばけばしいネオンや明るい水銀灯ではないから、
非常に静かな雰囲気になる。

 実際、この街は年に何度かの祭りの時以外は、非常にしずかな街でマウイ島
のラハイナは俗っぽくなりすぎてそれがイヤになってこの街に越してきた人も
いると聞く。マウイ島のカアナパリは典型的な天国のリゾートであり、さんさ
んと降り注ぐ太陽に豪華なリゾートホテル、ちょっとしたショッピングやレス
トランゾーンがある素晴らしいリゾートで、資金さえあれば何日でも過ごした
くなるところだ。だが、このカイルア-コナはカアナパリとは違った静かさと
くつろぎがある。カアナパリがリゾートならカイルア-コナは生まれ故郷の近
くの田舎町といった雰囲気である。静かで優しく過ごせる街、それがカイル
ア-コナであろう。

 マウイ島も私が最初に訪れた1986年夏からすると随分俗化してしまい、日本
人観光客も増加した。特にオアフ島のブランドショップではすぐに売り切れに
なってしまうものでも、マウイ島のカアナパリのホエラーズビレッジのショッ
プでは比較的入手しやすいため、ブランドショップの袋を三つも四つも下げて
歩いている女性グループを何組も見かけたのには心底がっかりした。その点、
ハワイ島にはそういうブランドショップはほとんどなく、唯一ワイコロアのキ
ングショップがそういうブランドの集合体になりそうなところで、実際日本人
がたむろしているところだ。だが、カイルア-コナはそういうものとは無縁だ。

 もう一度、この街をゆっくり訪れたい。