「お替わりはいかが? 〜1319〜」

1999.02.12 (Fri) ==========================

□ 2000年問題

 ようやくニュースや新聞でも頻繁に報道されるようになってきた「2000年問
題」というのをご存じだろうか。別に1999年の7の月に恐怖の大王が天から降
ってきて世界は滅亡して2000年を迎えることができない、ってな大予言にから
んだ話ではない。「2000年問題」とは西暦2000年になるとコンピュータはもと
より何らかの形で日付や時刻のカウントに依存する機器が正常に働かなくとい
うものである。原因はすでに多くの報道でご存じであろうからここでは省略す
る。どうしても詳しく知りたければ「2000年問題」をキーワードにして、Web
サイトを検索すれば山のようにヒットするであろう。

 私が勤める先もこの問題とは無縁ではない。いや「2000年問題」と無縁であ
るといいきれる会社はほとんどないであろう。たまたま自分が勤める部署は一
見無関係に見えるだけである。私も自分自身の仕事としてはほとんど関係ない
のであるが、部署としては大いに関係があったりしてまんざら他人事ではない。

 私の知人に、来年つまり2000年の1月1日に出発の予定で海外旅行を計画して
いた人が居た。そういう計画をたてるところからして「2000年問題」への認識
は推して知るべしである。米国では国務省が米国民にたいして年末から年初に
かけての海外旅行はできるだけ控えるように呼びかけている。これは「2000年
問題」への対応が遅れている国が世界にはまだまだ沢山あり、そういうところ
で思わぬトラブルに巻き込まれてしまう危険があるからだ。

 よもや旅客機がそれを原因として墜落したりすることはないとは思うが(絶
対にないとは誰も断言できないけれど)、こまかなトラブルは多く考えられる。
例えばクレジットカードの有効期限がうまく判断できなくてカードがつかえな
いとか、ホテルや飛行機の予約システムに支障が生じてしまい、目的の飛行機
に乗れないとかホテルに泊まれないなんてことが出てくる可能性は、普段より
格段に高いと思われる。だから国務省もさきのようなアナウンスをしているの
である。日本国内の旅行ならなんとでもなるかもしれないが、馴れない異国の
地で不自由な言葉でそういう複雑なトラブルに巻き込まれたらとんでもないこ
とになる。そんなことを知人に伝えたら、どうやらさすがに気味が悪いと感じ
たらしく、来年正月の海外旅行は断念したらしい。

 この問題は単にコンピュータだけではなく、マイクロチップという問題も抱
えており、年末から年始にかけてどのような事がおこるか予想がつかない。大
げさにさわぎすぎるという人もいるのだが、現実の世界で浸透しているコンピ
ュータやクロックデバイスのことを考えると、ちょっと気が遠くなり、何がお
きても不思議ではないとさえ思われる。思われるのだが、個人としては対策の
うちようがない。せいぜい年末年始の旅行を控えて、年末にはいつもより多め
に現金を引き出しておくくらいしか思いつかない。