「お替わりはいかが? 〜1468〜」

1999.07.11 (Sun) ==========================

□ 再び旅先のマナー 〜2〜

 二番目の "How are you?" もこのようなシチュエーションでは "Hello" と
同じ程度の意味しかもたない。学校時代に習った英語によれば初対面の挨拶は
"How do you do?"と相場が決まっているのに、店に入ったらいきなり初対面の
店員に "How are you?" と聞かれるから、これはどうしたことだ、と慌てふた
めき正直に "I'm fine thank you, and you?" とか答えたり、"I've got a
headache from being hung over. (二日酔いで頭が痛くてねぇ)" などと答え
ると、おそらくかなり奇異な目で見られることであろう。単なる挨拶なのだか
ら簡単に "Good." とか答えておkばよくて、わざわざ "and you?" とか聞き
返す必要はさらさらない。まあ、朝から元気が良ければ "Great!" と元気良く
ほがらかに言えば相手も気持ち良く元気になるかもしれない。

 英語の話しはこれくらいにしておくが、そうした簡単な挨拶さえ返せない・
返さない日本人は非常に多い。それどころか、"Hi" という挨拶に対してです
ら "Hi" と返せない人だって珍しくは無い。この程度の挨拶になると英語がわ
かるとか分からない以前の問題であろう。なぜこの程度のことに反応できない
のだろう。

 聞くところでは、ハワイのあるブランドショップの店員は日本人客を「高い
物を沢山買ってくれるので商売の客としてはいいのだけれど、声をかけても返
事も無いし、微笑みかけても冷たい仮面のような顔をしたままで、何か口をき
いたと思うと決まって "How much?" で、気持ち悪い」と評したとか評しない
とか...。多少誇張はあるにせよ、くだんの店員氏の言葉は良く理解できる。
黙って表情がないだけならともかく、高級ショップでも店員に声もかけず高価
な品を勝手にいじりたおし、挙句の果てに「いいのないわ」捨て台詞を残し、
店員に声すらかけずにプイと出て行く。全部が全部そうでないにせよ、程度の
差こそあれそういう無礼な客をハワイ州(オアフ島とは限らない)でも良く見
かけるのは事実である。

 いくら、控えめなのを美徳とする日本国民であっても、控えめであるのと無
礼であるのとは大違いだ。言葉が通じなくても心は通じる物だ。微笑みが必要
なところで微笑まず、何かあったときにはへらへら笑っているというのもいた
だけない、いや、それどころか大いに腹立たしい。

 旅を快適にするというのは、自分だけが楽しければ良いのではない。旅先の
人々も、旅先で出会った同じく旅の人たちも、みなが気持ち良く旅を楽しむに
はどうすればよいのか、そのあたりをもっと考えてもらいたい。それが出来な
い人には旅を楽しむ資格はない。

(完)