「お替わりはいかが? 〜1470〜」

1999.07.13 (Tue) ==========================

□ メーカーvsユーザー 〜1〜

 ある家電メーカーの製品保守について、最初は個人のWebページで発信され
た内容がついにテレビのニュースや全国紙の紙面を飾るまでになってしまった。
私自身は双方の言い分を直接聞いたわけではないし、それらの言い分に科学的
根拠のある証拠があるわけでもない―――さるサイトには電話を録音したと称
するオーディオファイルがあるようだが、それが捏造や偽造でないという科学
的証明がないので、それを聞いて真に受けることはできない―――以上第三者
として盲信するのはおろかなことだが、捏造であるとの証拠も無いわけであり
頭から嘘だと決めてかかるのもよろしくない。

 基本的には、メーカーのサポート窓口といえども人間であるしユーザー側も
人間であり、人間と人間のやりとりなのであるから、片方の言葉や行いに対し
て他方が反応するだけのことである。両方とも心を持った人間であることを忘
れずに、冷静になってある程度は相手の立場や心境を考えてやることで、妙な
行き違いやら感情の衝突を避けることはかなりの場面で可能である。だが、不
孝にしてこじれてしまったら、当事者同士では水かけ論や拒否合戦に終始する
ことが多くなってしまい冷静な解決の可能性はかなり低い。そういう場合は第
三者(消費者センター等)と当事者がテーブルを囲んで互いに納得行くまで話
し合うしかない。それがいやなら米国のように徹底的に訴訟合戦を行い互いに
消耗してどちらかが力尽きるまで戦うしかないだろう。

 さて、何にせよ多くのユーザーは紳士的で常識のある人がほとんどだと思う
が、世の中にはそんな人ばかりではない。脅迫になる寸前のグレーなところで
脅しをかけ、暗に金銭の要求を匂わせるけしからぬ奴等がいる。自らの口で金
品やら何やらの要求をすると脅迫になってしまうから、そこにやんわりとしか
しきつく脅しをかけ、相手の口から金品やらの提供を引き出すという手口だ。
大企業になれば、総会屋に対抗するために警察OBを雇ったり契約したりする総
会対策屋がいるように、クレーム処理窓口にもそのような人を入れていること
が多い。メーカーはそんなことはおおっぴらに認めようとしないだろうが、そ
んなのは周知の事実である。クレームを言うのは善良なユーザーだけではない
のである。時には目には目を歯には歯をといった対応が必要になり、よからぬ
相手につけいらせないことも必要なのである。

(続く)