「お替わりはいかが? 〜1471〜」

1999.07.14 (Wed) ==========================

□ メーカーvsユーザー 〜2〜

 だから何らかの誤解があってこのユーザーは苦情屋だと思われてしまうと、
苦情屋対策要員がその対応にあたることにあたることになる。どうも状況から
察するにくだんの件もこのような不幸なケースに相当すると想像する。この想
像が事実だと仮定すると、苦情屋対策要員をさしむける場合ではなかったのに、
それをやってしまったメーカー側の対応に問題があるいう想像ができる。この
ような話しはくだんのメーカーに限らずどこにでもありうる話しだから、よそ
ごとだと笑っていられるメーカーは無いはずだ。正当防衛のために持たされた
武器を、判断を誤って一般市民にむけたようなものといえなくも無い。もちろ
んそのような判断をされるような誤解を招いた市民の側にも問題はある。某国
では警官に止まれといわれて止まらなかったら銃で撃たれても文句はいえない
のと似たところがある。

 このような誤解をさけるためには、知っておくべき基本的な事がある。それ
は世の中には悪質な苦情屋というものが存在し、多くのメーカーのクレーム対
応窓口には、さきのような苦情屋対策要員がいるということがまず一つ。そし
て、購入した製品の異常に対してクレームをつけるのはユーザーの権利である
が、クレームをつけるにも苦情屋であると誤解されないようなクレームの付け
方というものがあることだ。

 あくまで誠意を持って頭ごなしに相手を否定せずに望むべきであろう。ユー
ザーの権利を頭から振りかざすのではなく、人間関係を良好に保つような言い
方が必要だ。それでも中には知識不足などで話しにならないようなサポート窓
口社員がいるのも事実だ。そういう場合は相手に警戒心を抱かせること無く相
手の名前を聞き出して、その場はおとなしく引き下がるのが大切だ。そして本
社のお客様相談窓口などに事実をありのまま、かつ誠意を持って紳士的にしか
るべき担当者での対応を依頼するとよい。これでたいていの問題は解決する。
あるいはどうしても相手の対応に納得行かなければ消費者センターなどに話し
を持ち込むのも良い。金品目当ての悪質な苦情屋達が消費者センターに話しを
持ち込むことはありえないし、消費者センターを仲介にしたやりとりにはメー
カー側も真剣にとりくむからだ。

 人間というものは弱いもので、自分の弱点や知識の無いところを赤の他人に
しつこくつつかれると警戒心が高まり防衛本能の発動となる。そうなると相手
は自分を攻撃してくる敵であるとしか写らなくなる。そのような誤解なく交渉
するのが大人の交渉術というものだ。相手を自分の立場に引き込むような話術
や説得力ある話し方の訓練を常日頃から心がけたほうがよい。

(完)