「お替わりはいかが? 〜1493〜」

1999.08.05 (Thu) ==========================

□ インターネット接続 〜3〜

 別に常時接続でなくてもよいが、安価な通信費用で使いたいときに使えるよ
うになってほしいものである。NTTの区域内通話はタイムプラス制度が導入さ
れたので、通常は三分十円、すなわち一時間二百円なのだが、これがタイムプ
ラス利用により五分で十円、つまり一時間あたり百二十円になる。仮に毎日二
時間ずつつかったとして通常だと一ヶ月六千円、一日二時間(一月六十時間)
だと一万二千円にもなる。これにプロバイダ接続費用がかかるから、定額三千
円のプロバイダだとしても一万五千円になる。タイムプラスを使うと月六十時
間の接続で七千二百円、プロバイダ料金とあわせるとおよそ一万円だ。リッチ
な独身貴族ならともかく、育ち盛りの子供やら家のローンを抱えた多くのサラ
リーマンにはかなり厳しい金額である。これでは家計を預かる大蔵大臣は気軽
にウンとは言うまい。

 先ごろ郵政省が米国などに比べて一般家庭への通信インフラ普及が決定的に
おくれいる通信環境途上国状態の解消に向けて、通信料金の定額制度導入を推
進すると言いだした。今ごろになってなにをか言わんやである。大体にしてお
役所仕事というのは、トラブルが深刻になるか、事故で犠牲者が多く出てから
か、手遅れになってから腰をあげるのが常だ。お役所の重い腰をあげさせるに
は尊い犠牲が必要らしい。それはともかくとしても、ようやく一月当たり五千
円程度でのデータ通信に関する定額接続が適当であろうとの見方を打ち出した。
この五千円というのがどこから出たのかその根拠がまったく提示されないのが
いかにもお役所らしい。どうせキャリアからの陳情やら何やらで経費積み上げ
で出た数字であろうか。キャリア自身も経費削減努力がどこまでできているの
か甚だ疑問が残る。どうもお役所とその管轄対象企業というのは尋常な関係で
はないのが気に入らない。このように言われたくなければ五千円と算出した根
拠を堂々と示してもらいものだ。仮に統計数値を根拠に使うならその統計の出
所を、自分でとった統計ならその調査方法までもきちんと提示すべきだ。そう
でないと根拠のない単なる思いつき数値、あるいはキャリアの要望だけを安易
に受け入れた金額であると言われても仕方あるまい。

 ともあれ、一般家庭でのデータ通信の電話代が安くなるのはよい事である。
これで決して十分だとは思わないし、一般のモデムを使ったデータ通信や、高
々64Kとか倍の128Kにしてもそれで十分だとは思わない。ある程度近い将来を
見据えた高速なデータ通信が安価に使えるようになるのは、日本では遠い未来
の話かもしれない。

(完)