「お替わりはいかが? 〜1542〜」

1999.09.23 (Thu) ==========================

□ 米国連邦政府がたばこ訴訟を起こす!

 報道によれば、アメリカ合衆国司法省は22日、喫煙による健康被害により連
邦政府は医療費支出を余儀なくされたとして、フィリップ・モリスなど大手た
ばこ企業11社に対して、医療費の返還などを求める訴訟を起こしたという。

 たばこについて国がたばこ会社を相手取って大規模な訴訟を起こすのは、少
なくとも日本では例が無いが、米国ではどうであろう。調べてみると、米国の
たばこ業界は1998年に46州の州政府と総額2060億ドルの和解で合意したばかり
だという。また、連邦政府が年間に支出しているたばこによる病気治療費は、
推定で年間200億ドル(約2兆円)にもなるというから、訴訟金額もおそらくこ
の程度なのだろう。

 いずれにせよ、日本では考えられないことだが、米国の訴訟は廃煙・嫌煙主
義の私は痛快そのものである。税収の一部をたばこ税に頼り、たばこ農家には
他作物への転作奨励をするわけでもなく、のらりくらりとタバコを容認してい
るの個人的には許しがたいところだし、供給側がこの調子なら喫煙マナーも最
低最悪なのが多い。喫煙者にとっては、タバコは精神的なリラックスを得るた
めの重要な手段らしいが、おおよそ認めがたい屁理屈である。駅のホームや線
路脇、歩道や車道の側溝、横断歩道近辺に散らばる吸殻をなんとするか? 通
りぬけるのさえおぞましい新幹線の喫煙車両の空気の汚れをなんとするか? 
本人はリラックスして快適でも副流煙や悪臭を周囲に撒き散らしている悪行を
なんとするか? ヤニで壁や家具、天井を汚すのを何とするか? 自分だけが
快適さを得られれば、周囲への迷惑や損害はどうでもよいのか? なま物の香
りが重要な寿司屋で平気で煙草をふかす馬鹿物はすぐに負い出せ、同じテーブ
ルや近隣のテーブルが食事中なのにおかまいなしに煙草を吸うなどもっての他
だ。

 好き嫌いはともかくも、一刻も早くやらねばならないのは、喫煙と健康との
因果関係のより明確な証明と、喫煙者が周囲に与える害の証明であろう。後者
は漠然としているが、前者は容易ではないにせよやらねばならない。そして、
喫煙者に対して喫煙による病気治療に関しては、一切の健康保険を適用外とし
事後に喫煙との因果関係があきらかになったら、保険負担した医療費の返還を
患者に請求する。また、喫煙者本人の生命保険は料率を大幅に高くし、非喫煙
者の十倍くらいに設定し、その同居家族の生命保健も五倍くらいにするのだ。
自分から進んで危険を取りこむのだから料率は違っていて当たり前だ。さらに
煙草の販売が禁止できなければ、一本五百円くらいに値上げする。つまり一箱
一万円である。

 とまあ、こんなことを夢想していても腹がたつだけで、世間様の煙草への風
あたりは甚だ生ぬるい。煙草に関する限り喫煙者の意見の尊重など戯言だ。喫
煙者は吸いたければ自他ともに無害であることを自ら証明しなくてはならない
し、マナーにつていてもその責任がある。