「お替わりはいかが? 〜1627〜」

1999.12.17 (Fri) ==========================

□ 英語の学習 〜1〜

 私は多くの大学卒業生と同じく、英語については中学三年間、高校三年間、
そして大学二年間の合計八年間にわたり一応勉強をしてきた。それらの学校は
大学を除けばみなごく当たり前の公立学校で、アメリカンスクールとか帰国子
女の多い学校とか、あるいは特別語学教育に力を入れている学校でもなかった
から、平均的な日本人同様に大学を卒業した直後はもとより、比較的最近まで
英語など全く話せなかったし聞くことも出来なかった。

 十ウン年前の新婚旅行ではマウイ島に行ったが、これは多くの新婚さんの例
にもれずハネムーナー向けの高価なツアーで、他のツアー同様にツアー内では
ほとんど英語を話さずに済んだし、ツアー外のレストランでは「メニューの名
前、please」という幼稚な片言だけで通し、ホテルでクリーニングを依頼する
時には、旅行者用英会話集を見て暗唱試験さながらにくりかえしくりかえし、
何度も口の中でもごもご言ってから電話に向かったりした。

 その後、子供が生まれたため海外旅行とはしばらく縁が無かったが、娘が小
学四年生になり、言って聞かせれば理解できる年齢でハワイくらいのフライト
なら騒がないであろうという年齢になったので、我が家にとっては2度目のマ
ウイ島に行った。このときはハネムーンのときほどひどくはないにせよ、英語
については喋れない・聞けないというレベルに大きな変わりは無かった。

 英語圏への旅で英語が喋れるのと喋れないのでは、旅の楽しさやひろがりが
まるで違うのに気づいたのもこのときである。旅の楽しみの一つには現地の方
やメインランドからの旅行者との触れ合いがある。それはいろいろなシチュエ
ーションが考えられるが、とにかく英語ができると出来ないではハワイでの楽
しさに雲泥の差がある。まして日本語がほとんど通じないマウイやビッグアイ
ランドではなおのことである。レストランの予約をして海側のテーブルを取っ
てもらう程度のことに、いちいち会話集を開くようでは旅の楽しさを味わう以
前に面倒で仕方ない。その結果口を聞くのが最低限ですむファーストフードば
かりをつかうことになったり、スーパーで買ったものだけを食べたり、ちょっ
とした観光でも道一つ聞けなかったりして旅の楽しみは激減するのだ。

 さらに問題なのは、当時の私を含めて多くの日本人成人には何故か欧米人に
話しかけられると逃げてしまう、あるいはなんとなく怖くて話しかけられない
で固まってしまう傾向があることだ。これは単に外国人と接するのに慣れてい
ないだけの話しなのだが、日常生活ではこれを解消するのは非常に難しい。

(続く)