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■ 目次 ■

  1. パッケージツアーと個人手配旅行
  2. 個人手配旅行の実際
  3. 旅先の下調べとプランニング
  4. 出発〜現地第一日目
  5. 現地第二日目
  6. 現地第三日目
  7. 現地第四日目
  8. 現地第五日目
  9. 現地第六日目
  10. 現地第七日目
  11. 現地第八日目〜帰国(九日目)

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■ 1. パッケージツアーと個人手配旅行 ■

観光旅行では、目的地が国内にせよ海外にせよ、大別するとパッケージツアーと個人手配旅行の二種類がある。さらに分ければパッケージツアーには、添乗員までついている100%お任せタイプのものと、フライトに現地の宿(アコモデーション[accommodation])と空港と宿の間の送迎だけがついているようなタイプのものがある。一方個人手配旅行には、エージェントなどを通してその選択肢の中で格安航空券や宿を手配してもらうもの、航空会社などが用意する旅のパーツ(宿やエアーなど)を組み合わせて購入するタイプ、そして一から十まで全部自分で手配するタイプなどがあるだろう。細かく分類を考え始めるときりがないのだが、分類することがここの目的ではないので、とにかくパッケージツアーと個人手配旅行の二つがあるということだ。

日本人が海外へ観光旅行に行く場合、圧倒的にパッケージツアーが多い。私なりにその理由を考えてみると、ツアー利用者がツアーを選ぶ最大の理由は、言葉や見知らぬ土地・街への不安が大きいからではないだろうか。ツアーになったからといってそれらの不安がなくなるわけではないのだが、現地に日本語のわかる係員がついてくれるし、空港と宿の間の送迎がつくだけでもかなりありがたいことであるのは間違いない。これは私の勝手な想像ではなく、私自身の過去のツアー利用経験からそう感じているのだ。とにかく手配から旅まで細かいことは全部旅行会社にお任せで出来るし、途中フライトのイリーガルなどがあっても旅行会社がなんとかしてくれることが多い(必ずしもそうとは限らないとは思うが)のは楽チンであるのは確かだ。

つまり、パッケージツアーのメリットは、極論すれば何も知らずとも、英語や現地の言葉を全くしゃべれなくても、目的地について何も知らずとも、とにかく目的地に着いて、寝る場所は確保できることにある。また、おまけについていたり、旅行会社のオプショナルツアーにある市内観光や島内観光などを使うと、短時間の内に日本語解説付きで主要な名所が回れてしまうことだ。

何もしらずに現地についてしまう、というのは色々問題があると思うのだが、市内ツアーや島内観光にはそれなりのメリットがある。ツアー会社の都合で土産物や免税店につれてゆかれることがあるのは嫌であるが、現地に住んでいる現地の方(あるいは日本人)から、日本語で現地の事情が聞けるのはこういうチャンスを除いて他にはあまりない。個人旅行で自分たちだけで動きまわるだけだと確かに自由自在に動けるが、下手をするとその背景知識などもなく、単に名所を見ただけで終わってしまうことのほうが多くなるし、背景知識があるとないとでは旅の面白さには雲泥の差が出てくる。

エアーの利用に関して言えば、ツアーや格安券(IT料金の客)は極端なことを言えば、たまたま旅行会社の事情等で自社を利用してくれた客だが、航空会社を指定してフライトを取った客は、理由はともあれわざわざ自社を指名してくれた客だから、顔には出さないにせよ扱いには差が出てくる。端的に言えばシートである。一般にPEX運賃や正規料金の客は前方席、その中でもFFP上級クラスの客はその中のさらに良い席だが、ツアーや格安券の客は十羽一からげで後方席である。飛行機の場合は前に行くほどシートのグレードが高くなっており、単純に言えばファーストクラスが最先端、次がビジネスで、それからエコノミーであることを考えてもわかる。実際機内サービスも前方のほうから始まることが多い。また、日本航空の場合、PEX(JAL悟空)運賃や正規料金では、事前座席指定サービスを受けることが可能で、その料金クラスで空き席さえあれば欲しい座席を確保できる。しかし、ツアー客や格安券の客ではこれを予約時にするのは不可能だ。チェックインの時に、できるだけ前方をとかリクエストするのが関の山である。

ツアーを利用するときに何が嫌かというと、なにかにつけ待ち時間が長いことだ。こちらが時間より早めにいっても、必ず時間より遅れてきたりする人がいるし、現地空港の集合場所では到着後なかなかそろわないから、思いっきり待たされることになる。個人手配旅行なら自分達一行がそろえばそれでOKで、荷物を引き取ったらあとは誰を待つ必要もなく、レンタカーデスクに行くなり、シャトルに乗るなりして、目的地に向かえばよい。ハワイのネイバーの場合でいえば、まずホノルル国際空港の団体出口を出てから待たされるのだが、これがかなり長い。ようやく諸確認などが終わってネイバーターミナルに移動可能になる。そしてネイバーの空港についたら、これまた同じツアーの客がそろうまで思いっきり待たされる。帰国の時ホテルのロビーに何時に集合しろ、ということで時間どおりに行っても、これまた思いっきり待たされる。同じハワイ島のコナのホテルに着く時間は、同じ便にのってもツアーと個人手配では恐らく短くても一時間、長いと二時間とかそれ以上の差が出てくると思われる。

こうしたことをいろいろ考えてみると、初めて行く土地へはツアーを使い、概略や治安・衛生事情などを知った上で、二度目以降の訪問では、不必要に延々待たされることなく、ツアーで行ったときにもっとゆっくり見たいと思った場所をゆっくり尋ねたり、リーズナブルな宿を選んだりして、現地でのゆったりした滞在を自分達のペースで楽しむことであろうか。このときアクティビティには現地ツアーなどを活用して、自分たちだけでは動きにくい場所やツアーでないと行けない場所をたずねたりするのが良いのではないか、というのが私の考えだ。

どちらを選ぶかは宿をどうするかによってもかわってくる。豪華リゾートホテルの場合はツアー利用のほうが安いことが多いが、コンドミニアムやB&B(Bed and Breakfast)を使いたいとか、日本人の少ない宿を取りたい場合などは、当然ツアーは望み薄であり、個人手配旅行になる。一部にはコンドミニアムを使うツアーなどなくもないが、コンドミニアム確約ではなく、その地域のこのクラスのコンドミニアムのどこか、というとんでもない話のこともあって、豪華リゾートホテル以外を使いたい場合は、ほぼ自動的に個人手配をすることになる。

頭からパッケージツアーを馬鹿にしたりする人もいれば、個人旅行を怖がってばかりいて絶対ツアーしか使わない人もいるが、両方使った経験から言えば、どちらも大変に損である。それぞれのいいところを取り入れて使い分けるのがが賢い旅だと思う。

合衆国ハワイ州に関して言えば、日本からの旅行客も多く、米国内にしては比較的治安もよく(もちろん米国内として常識的な注意[日本で安全ボケした私たちには常識ではないかもしれない] は必要)、衛生状態も良いから、初めての個人手配旅行チャレンジには最適な場所ではないだろうか。

気分的には、ツアーの場合は空港へいって初めて旅が始まるという気持ちなのだが、個人手配旅行だと旅を計画して手配を始めようとするときから旅が始まる。宿を調べたり(インターネットのおかげで非常に楽チンだ)、エアーを調べたり、宿とE-MAILで交渉したりするのは実に楽しいものだ。これが面倒だという人は仕方ないが、やってみるとこうした手配も非常に楽しい。こんな楽しいことを旅行会社に任せるなんてもったいなすぎるではないか。自分で楽しめる楽しみは、自分自身で楽しまないと大いに損である。

私の場合は、こうした手配ごとが好きなこと、無駄な待ち時間を過ごしたくないこと、すでにハワイははじめてではないこと、宿としてコンドミニアムを自分で選んで使いたい事、などがあって自動的に個人手配旅行になるわけだ。

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■ 2. 個人手配旅行の実際 ■

それでは、今回の私の旅行の手配を順を追って書いてゆこう。お断りしておくが、これはあくまで私達家族の旅行の場合であって、他の方にもそのまま適用できるわけではないと思うが、参考になる部分は多いはずでできるだけそういう点を意識して書いているつもりだ。また手配を始める時点では滞在地域(今回の場合は最初がHiloでその後Kailua-Konaに移動する)が決まっているというのが話の大前提になっているのは言うまでもない。

順序としては、まずは現地に行けなければ話にならないから、足の確保が先、つまりエアーの手配が先である。理由は簡単で、宿は数多くてもエアーの便(席)には限りがあるからである。ハワイ線ならともかくグアム線・サイパン線ではエアーの少なさがボトルネックで、宿はいくらでもあるのでにエアーが満席でどうにもならないケースが多い。閑散期でも土曜・日曜出発の土曜帰着の便などは相当込み合うし、特に祝祭日が入るときなどは、なぜこんな時に、と思うくらいとりにくいこともあるので、まず行動を起こすべきは航空券の手配であろう。

□ 航空券の種類 □

まず、手配すべきはエアーである。個人手配でエアーを確保するとなると、大別して「正規料金」、「IATA-PEX料金」、「ZONE-PEX料金」、「格安航空券」、「(マイレージを使った)無料航空券」などがある。原則としてこの順に制限がきつくなるが料金もこの順に安くなる。

正規料金で行くようなリッチな人は放っておくとして、IATA-PEXはどの航空会社でもつかえるというメリットがあるが一般的ではない。多くの人が海外旅行でチケットを購入するとしたら「ZONE-PEX料金」か「格安航空券」のどちらかであろう。「ZONE-PEX料金」というと耳慣れないようだが、JALなら「JAL悟空」、ANAなら「GET」といったところだ。IATA-PEXは各社共通料金だが、ZONE-PEXは各社がそれぞれの事情や戦略によって料金を決めている割引運賃だ。格安航空券はいまさら説明は不要だろうが、いろいろ裏の事情のあるといえなくもない(別に違法とかブラックとか言う意味ではないので誤解のないように)航空券ではある。

ZONE-PEXと格安券のどちらを使うかは好みによって決めればよい。価格でいえば普通はZONE-PEXのほうが格安券よりは高いが、JAL悟空だと事前座席指定が出来るとか、電話だけですべて手配できて航空券購入まで即座に出来てしまうとか、事前に航空券が発券されるので、航空券を空港渡しになるような格安券(追加料金を払うと事前に手に入れることが出来る場合もある)で出発のそのときまで航空券が手元にないとか、直前まで航空会社がわからないといった不安な面がない。さらに昨今の不況で、旅行代理店が倒産したりしているから、格安券で飛ぶ前に旅行会社が倒産したりすることだってありうる。そのかわりレギュラーシーズン(夏休みや年末年始などのトップシーズン以外)だと、相当に安くチケットが手に入ることもある。ただ、ハワイ線についていえば、日系航空会社の日本発の格安チケットなどはほとんど見かけない。

格安券かZONE-PEXのどちらを選ぶかは、最終的に自分がどこに価値を求めるかということだから、自分の条件の中で妥協できるところと、妥協できないところを見定めて選ぶしかなくて、よく旅行雑誌にあるような格安券を一方的に勧めるようなことは出来ない。メリット、デメリットやリスクをよく把握して選ぶことだ。

ちなみに、私の場合は、安全性と安心感を重視し、さらに便指定はもとより事前座席指定が欲しいから、ZONE-PEX派である。価格にしてもシーズンオフの時はツアーより割高だが、ピーク時はむしろツアーより安いことも多い。

□ マイレージプログラム(FFP) とエアーの予約 □

旅行雑誌などを開くと「マイル」という言葉がちらほら出てくる。あらかじめ航空会社を決めてそこのFFP(frequent flier program) メンバーになっておくと、搭乗距離に応じてマイルがもらえる。これをためると無料航空券が手に入るというやつである。たとえば、JALではハワイの往復のフライトマイルは7,662マイルで、マイレージでは正規運賃で7.,662マイルがもらえ、JAL悟空(ZONE-PEX)だとその七割、ツアーや格安券などのIT料金だと五割がもらえることになる。一方無料航空券を貰うには、手元のマイル数の貯金がハワイ往復は40,000マイル、北米で50,000マイルが必要になるわけだ。

年に一度か二度くらいしか、それも近場のハワイとかにしか行かないのだから、マイルなんか無縁だと思っている人も多いと思う。実際私もしばらく前まではそう思っていた。しかし、実際には大違いのこんちきちん、日常生活の中でもどんどんマイルはたまってゆくのである。それがショッピングマイルというやつだ。

私の場合は、JAL MILEAGE BANK(JMB)会員になっているのだが、日系航空会社はツアーなどのIT料金やZONE-PEX運賃だともらえるマイル数は少ないのに比較して米系航空会社では100%もらえることが多いし、何かにつけボーナスマイルも多いから、フライトによるマイルは米系のほうがたまりやすい。しかし、JMBの場合は、クレジットカードとドッキングしたJALカードというものがあり(もちろん米系にも似たようなものはある)、これを使ってツアー費や航空券代、ホテル代などを支払うと、最大100円につき2マイルがもらえるし、キャンペーンなどの期間にあたるとうまくすれば、100円につき3マイルくらいもらえることもたまにあったりする。100円で2マイルというと少ないようだが、たとえば50万円のツアー費をこのカードで支払うと、10,000マイルがもらえることになり、フライトマイルとあわせると13,831マイルが手に入ることになる。普段の買い物などもできるだけこのカードを使うようにすれば、意外にたまりが早いものだ。米系だと100円=1マイルのところが多いが、JALのマイレージ特約店でJALカードを使うと100円につき2マイルになる。

マイルがたまっても使えなければ問題外なのだが、JALの場合は意外と使えることが多い。米系だとハワイへ行くのには路線に選択の余地がないことが多く、特にNWなどは時期によってはなかなか無料航空券で席がとれないと聞いたことがあるが、JALの場合はハワイ行きは成田発だけではなく、地方空港からも出ている。同じ無料航空券の範囲で成田発が一杯でも、羽田から札幌にとんで札幌からホノルルにゆく便なら空いているということもある。実際、私の昨年のマウイ島では、最初の希望日程では空きがなくて羽田から札幌に飛んでそこから札幌発ホノルル行きを提示されたこともある。

マイレージプログラムに入り、JALカードなどの航空会社のカードを持っていることのよさはもう一つ予約時と発券時の便利さにある。あらかじめ航空会社に住所や氏名などを登録しておくわけだが、これにより、予約のときには会員番号をいうだけですみ、名前の聞き間違いによる名前の記録間違い(これは放置すると別人であるとみなされ搭乗拒否されることもあるので必ず訂正を受ける必要がある)なども起こりえない。さらに発券もJALならJALのチケットダイヤルに電話するだけですみ、そのまま宅急便で自宅まで航空券を送ってくれるが、その際の送付先も事前に登録された住所になるから、ここでも住所間違いは起こりえない。さらに支払いに際してはカードでマイルが貯まるというメリットがある。予約から発券までが全部電話だけで出来、下手をするとJRのみどりの窓口で並んで新幹線の座席を買うよりも手間がかからないくらいだ。

私の場合も、JALの国際線予約デスクに電話をしたら、まずJMB会員番号を伝え、本人確認を経た後、あとは日程と便名、希望座席を言うだけですべて完了する。ここで確認のために必ずITINERARY(旅程表)をFAXしてもらうのを忘れないようにすることは重要だ。人数や日程、便名、時刻、 経路などすべてを自分の目で確認するのは個人手配旅行の基本中の基本である。個人手配旅行はとにかく自分の目で確認することの積み重ねである。

実際問題、JMBなどのマイレージプログラム+クレジットカード(JALカードなど)の会員になれば、ZONE-PEXの航空券を買うのは、成田までの成田エキスプレスやスカイライナーの券を買うより簡単で手間がかからない。こうした会員になっていることのほかに基本的なコツがあるとすれば、あらかじめ利用航空会社の時刻表を調べてプリントアウトを手元に置くことだ。これで自分の手元でも時刻を確認できる。ここでも電話の向こうの担当者を100%信用するのではなく、自分の目で確認するわけだ。なんでもとにかく自分の目で確認だ。ツアーではないから、頼れるのは自分だけなのである。うまくいったら手配の醍醐味だし、しくじったら次回への教訓である。

とにかく時間帯のよい便のよい席を確保するには、ひたすら早めの行動あるのみである。ZONE-PEXの運賃は日系航空会社の場合、四月から九月までの半年の料金は二月中旬に、十月から翌年三月までの分は八月中旬に発表される。中には、料金が出ていないと予約できないと思っている人がいるのだが、実際はほぼ一年前からZONE-PEXの予約は可能なのである。ZONE-PEXの条件には搭乗何日か前までに購入し、かつ予約後七十二時間以内に発券が必要という条件があることが多い。しかし、料金が出ていない場合はどうなるのか。答えは簡単で料金が出たらできるだけ早めに発券してもらうことである。発券後は取り消しに万円単位の費用がかかる(今回のJAL悟空14だと三万円)のが、この料金プランの制限事項の一つであるが、これまた発券迄であれば何度でも無料で予約変更が可能だ。こうしたことを踏まえた上で先手必勝である。

ちなみに、航空会社の時刻表はWebで調べられる。URLがわからなければ YaHoo(日本)YaHoo(米国) で航空会社名で検索すればすぐにわかるだろうが、主要な日系航空会社とハワイ島内を主とするの航空会社のURLは以下の通りである。

日本航空 http://www.jal.co.jp/
JALカード http://www.jalcard.co.jp/
全日本空輸 http://www.ana.co.jp/
アロハ航空(日本) http://www.alohaair.com/japan/index_jp.htm
アロハ航空(米国) http://www.alohaair.com/
ハワイアン航空(日本)  http://www.int-acc.or.jp/hawaiianair/
ハワイアン航空(英語)  http://www.hawaiianair.com/
アイランドエアー(日本) http://www.alohaair.com/japan/islandair_jp.htm
アイランドエアー(英語)
アロハ航空と共通
http://www.alohaair.com/

□ 宿を確保する □

エアーが決まったら次は宿である。宿にはハワイだと、ホテル、コンドミニアム、B&B(Bed and Breakfast)などがある。パッケージツアーの場合は、カタログに載っているホテルから選ぶだけだから話は簡単、場所と予算でほぼ自動的に決まってしまう。決まってしまうといってもホテル確約というのは少なくて、たいていは小さな時で「または同クラスのホテル」とかかかれていて、ピーク時などだと予想外のホテルに連れてゆかれたりすることだってありうるが、それはこういう風に逃げ道が作ってあるからどうにもならないであろう。

今回の旅行は、最初二泊Hiloに滞在、その後五泊をKailua-Konaに滞在するから、それぞれの地域で宿を探すことになる。また私たちのパーティは、大人二人、中学生一人の家族が二組の合計六人だから、部屋は二部屋必要で、できればコネクティングが近い部屋を用意してもらうことになる。

個人手配の場合、宿を手配するには、日本でのエージェントを通す(JTBなどの大手やアップルホテルズなどのホテル手配専門のところ)か、現地エージェントを通す、直接宿にあたるといった方法がある。

日本でエージェントを通す場合は、支払いは日本で済ませてしまいクーポンを持って現地に飛ぶことになるので部屋探しや値段交渉などは簡単だ。しかし間にエージェントが入ることで料金は高くなりがちだし、部屋の細かな希望は伝えられないか伝わりにくい、あるいは伝言ゲーム式にだんだんこちらの要求が間違って伝わることになりかねない。また、部屋の問題でトラブルがあったときには、場合によっては「貴方がクーポンを購入したエージェントと交渉してくれ」ということになりかねない。しかし、予約や支払い手続きはきわめて簡単なのは大きなメリットだ。

現地エージェントを通す場合、そのエージェントが信頼できるかどうかというのがわからない。何度か使ったことがあればともかく、そうでなければ信頼できるところかどうか知るすべはほとんどないに等しい。また、日本のエージェント同様に細かな希望は伝わりにくいであろう。しかし、価格的にはおそらくどの方法よりも安い価格で入手できる可能性が高い。

そして最後が宿に直接である。ホテルなら直接ホテルに電話やFAX、E-Mailでコンタクトをとるわけだ。その場合、必ず何か割引プランがないかを尋ねるのは重要だ。割引プランをオープンにしているところもあるが、たずねてみて初めて出てくるところだって少なくない。List price (Rack rate、定価みたいなもの)で、使ってくれるならわざわざ割引を持ち出すまでもないのは商売としてあたりまえだろう。ダメもとでたずねてみるのは大切だ。宿の割引そのものはなくても、レンタカーとのセットになったお得なコースや、島内航空券とセットになったものなどがあるから、とにかくいろいろ尋ねてみることだ。そのためには、ある程度英語がしゃべれるか、英語でメールが読み書きできるかは必須であろう。安く確実に手に入れるためにはそれくらいの努力はやむを得まい。それがダメなら高くなるのを承知で日本のエージェントを探すことだ。

コンドミニアムの場合は、アストンやアウトリガーのような大手や一つの建物全体を一つの会社が所有して運営している場合と、大きな建物の中の一部分だけを所有して、それをレンタルするバケーションレンタルといったところがある。前者の場合、中でもアストンはホテル式のデイリーメードサービスを提供していたりすることもあるし、フロントも完備しているのが特徴だ。一方バケーションレンタルだと本当に部屋貸しだから、同じ建物であってもたとえばアストン所有のユニットとバケーションレンタル所有ユニットでは、サービスや室内アメニティに差が出てくるし、同じ建物内でもバケーションレンタルの客はアストンのサービスを利用できないのは言うまでもない。しかし、一般に価格としてはバケーションレンタルのほうが安い。

アストンなどの場合は、到着したらフロントへいってホテル同様にチェックインすればよいし、チェックインまで時間が早ければ荷物を預かってもらえばよい。チェックアウトもホテルと同様だ。一方バケーションレンタルではまずキーの受け取りが問題になる。とくに管理会社がちょっと離れたところにあって、そこへキーをとりに行かねばならないときなどはかなり面倒になることもある。また、タオル交換などもアストンは毎日やってくれるが、バケーションレンタルでは毎日の交換などはないのが普通で、出発時には部屋の清掃料金とかを取られることもあるので、単に初期の使用料金だけはなく、トータルの料金と手間で考えたほうがよい。どちらが良いとか悪いかではなく、自分の好むスタイルにどちらが合っているかの問題である。

私の場合、今回の旅は、Hiloの宿はHilo Hawaiian Hotelを使い、Kailua-KonaではコンドミニアムのAston Royal Sea Cliff Resortを使うことにした。Hiloのほうは、隣り合ったコネクティングルーム、Kailua-Konaのほうはコネクティングはないから、2BRコンドミニアムルームのできるだけ近い二部屋をリクエストした。どういう経過でこの二つのホテルを選び出したかについては、後述する。

どちらも、インターネット(Web)で調べて、そこからメールを出して割引の有無などを尋ね、なんどかのメールの往復のあと納得できる条件が出たので予約を入れてもらい、即座に国際FAXでクレジット番号に、予約条件を書き添えて送付し、可及的速やかに予約確認書(Printed confirmation)を郵送してもらった。ここでもやはり書面による自分の目での確認は絶対必要な条件である。

Hilo Hawaiian http://castle-group.com/Hilo_Hawaiian/
Aston Hotels & Resorts (英語) http://www.aston-hotels.com/
アストンホテル(日本語) http://www.astonhotels.gr.jp/
アップルホテルズ http://www.appleworld.com/

上記で紹介したアップルホテルズのサイトは、ここから申し込んでクーポンを購入して手配することもできるが、ここが契約しているホテルについては、かなり詳細な情報があるし、ホテル(宿)によっては利用者の声なども掲載されているので、一見に値する。室内設備情報などもかなり詳細だが、これはどこまで信じればよいかはちょっと疑問が残るところもなくはない。別にうそだというわけではなくて、情報メンテナンスがまめに行われていない可能性があるわけで、100%この設備表などを信じないほうが無難だというだけだ。とにかく自分の目で直に確認したものは盲信してはいけないのは個人手配旅行の鉄則だ。

私の予約過程を振り返ってみよう。まずHilo Hawaiianのほうだ。

2000/01/19 23時 E-Mailにて当方のプランを知らせて空きの有無、ディスカウントプランの有無を知りたい旨を通知。
2000/01/20 14時 ホテル側より最初の返信、割引プランの提示あり。直ちにその内容について確認と質問を送る。
2000/01/21 03時 ホテル側より回答あり、同時に部屋を押さえた旨の連絡もあり。折り返しコネクティングをリクエストする。
2000/01/21 14時 ホテル側よりコネクティングをリクエストに入れた旨の回答あり。
2000/01/22 00時 国際FAXでクレジット番号を送付したことを通知し、確認の上予約確認書の送付を求める。
2000/01/22 03時 ホテル側よりFAX受領と予約確認書を発送した旨の連絡あり。
数日後 予約確認書を受領、内容に問題がないことを確認。

続いて、Aston Royal Sea Cliff Resortである。

2000/01/18 10時 Webページから、日程と人数をしらせ空きの有無と、ディスカウントプランの有無を知りたい旨を通知。
2000/01/20 13時 アストンより一次回答あるがOceanViewRoomのプランが無かったので折り返し再度メール。
2000/01/21 10時 OceanViewRoomについてのプラン提示の回答。確認したいことがあったので折り返し質問メールをする。
2000/01/21 13時 アストンより質問メールの数分後に回答到着!
2000/01/21 23時 提示条件で予約する旨を条件を再度記して提示、同時にFAXを送る旨を書いてメールをする。
2000/01/22 00時 国際FAXでクレジット番号を送付したことを通知し、確認の上予約確認書の送付を求める。
2000/01/22 12時 アストンよりFAX受領と予約確認書を発送した旨の連絡あり。
数日後 予約確認書を受領、内容に問題がないことを確認。

このようにいたるところで確認を怠っていないのがおわかりいただけるだろうか。各過程でしつこいくらいの質問や確認をしているが、両アコモデーションとも応対は非常に良い。もちろんこれらの応対はすべて英語による電子メールで行った。

□ レンタカーを確保する □

さて、エアーと宿が決まったら現地での足である。レンタカーを使わないときは現地のシャトルサービスを予約することになるだろう。これは昨年秋のマウイの時に使っているのでそちらを参照してもらいたい。

レンタカーは一般に日本で予約してゆくほうが安いといわれており、実際その通りというケースも多いそうだ。また、今回の私たちのように六名という比較的大人数のパーティだと、普通の乗用車ではダメでミニバンになるが、ミニバンは台数も限られているから、早めの予約と確認が必須である。万が一予約がとおっていなかったりして、普通車しかなかったりしたら悲惨なことだ。

今回の旅ではレンタカーの手配は、私ではなく同行家族の旦那様のほうの役割となっているで、この部分については後日何か注意点があれば追記したいと思う。私のほうは、ナビ専門となるので、ナビに必要な情報を集めることになるのだが、これは後のほうで紹介する。

とにかく、レンタカーも保険にはケチらずに、十分な確認をして日本で予約をしてゆくことだろうか。あと、国際免許証と日本の免許証、運転者名義のクレジットカードをお忘れなく、というところで、別に難しいことは何もない。

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■ 3. 旅先の下調べとプランニング ■

テレビの番組の中で、ハワイにきている観光客に、世界地図を見せてハワイの場所を示してください、と依頼するシーンがあった。もちろん正しく答えられる人もいるのだが、中にはとんでもない場所を示す(たとえばヨーロッパの方とか地中海の方とか東南アジアのほう)人もいて、なんとも恥じさらしな話である。せめて自分が遊びに行くところの場所くらいは知っていて損はないと思うのだが、お気楽な人が少なくないのには驚いた記憶がある。

同じ遊びに行くにしても、いろいろな歴史や風土などを知っているのと知らないのでは、楽しさがちがう。ハワイにブランドショッピング目当てだけで来る人には関係ないのかもしれないが、それではハワイの本当の楽しさ・素晴らしさはわからないままになる。ここはやはり一発奮起していろいろ調べてから旅に望もうではないか。

□ 宿をきめる □

そうはいっても宿あっての旅だから、下調べの最初は泊まる場所というか宿さがしから始まる。先の項では宿を決めた後実際に宿の手配をするところを書いたのだが、ではそれらの宿を決めるにはどうしたのか。

私の場合、ハワイに関しての口コミベースの情報源は、

が第一だ。ここはハワイ関係の情報が集まっており、ある程度あたりをつけたホテルについて過去の書き込みなどを検索して調べてみると、いろいろな情報が得られる。ほかにいくつかのMLもあるが、私の場合の筆頭となる口コミ情報源は@niftyのFPACIFICである。

次に参考にしたのが、英語のガイドブックだ。なぜ日本で発売されている日本語のガイドブックではないかというと、それらの多くは豪華なリゾートホテルの情報が中心であり、コンドミニアムなどの情報は非常に少ないからだ。それに比べると英語(アメリカ製)のハワイのガイドブックは情報が非常に多い。ブランドショッピングばかりに偏った内容とは異なり、宿(ホテル、コンドミニアムなど)やレストランも幅広く紹介しているし、アクティビティの紹介も日本のガイドブックは足元にも及ばない。残念ながら日本のガイドブックで役に立つのは地図くらいのものだ。それ以外は私の場合、まったくといってよいほど役に立たないものばかりだ。

私がハワイ関係で参考にしているガイドブックはこちらに紹介しているので参照していただきたい。どれも私が自信を持って勧められるものだ。残念ながら日本では入手困難だと思うが、amazon.comなどから一ヶ月半くらいで安価に入手できるので、よろしければお試しいただきたい。

これらの情報を参考にして二箇所の宿をきめた。Kailua-Konaのほうは、私がアストンのファンだから比較的簡単に決まったが、Outrigger Kanaloa at Konaとは最後まで悩んだが、FPACIFICでの書き込みから最終的にAston Royal Sea Cliff Resortにきめた。問題はHiloのほうなのだが、こちらはFPACIFICでも情報が少なくて(その分宿も少ない)、結局英語のガイドブックと、ホテルのWebサイトを参考に決めた。まあ、どちらも現地を見ないで決めているわけだから、外す可能性もあるわけだが、これは国内外をとわず条件は同じだからやむを無い。ダメだったら次回から使わなければ済むだけの話だ。見てもいないものにあまり深刻に考えても始まらない。

□ プランを練る □

宿まで決まれば、あとは現地での行動プランを考えるのが楽しい。昨年の旅行ではKailua-Kona起点でVolcanoやHiloにはゆっくり時間を取れなかったので、今回はHiloに滞在して、Hiloの街とVolcanoを楽しんで、そのあとKailua-Konaに移りハワイ島の西部と北部を楽しもうというわけだ。

どのようなプランになるか実際には、現地にいってからいろいろな事情で変わる可能性があるが、今のところ次のようなプランを立てた。これは昨年の経験からぜひ行きたいところはたっぷり時間をとり、どうでも良かったところは外した。

1日目 時差ぼけとフライトの疲れもあるのでHilo市内でぶらぶらゆっくりする予定。
Rainbow Falls, Big Island Candies, Coconut Island, Liliuokalani Park, Waiakae Center (Wal-mart), Prince Kuhio Plaza(longs/Liberty HOuse/Cinnabon), Hilo Hattie, Nani Mau Garden, Mauna Loa Macadamia Nut Factory などをぶらつき対象の候補に上げており、適当にまわる予定だ。
2日目 Kalapana, Lava tree park, Volcano National Parkへ。
3日目 HiloからWaimea経由でKailua-Konaへ移動。コンドミニアムでの食料調達をかねてKailua-Konaを回る予定。
4日目 Kahaluu Beach ParkとPuuhonua-o-honaunau National Historical Parkへ。
5日目 ハワイ島北部へ。Pololu渓谷、Lapakahi State Parkなど。コナ コーヒーベルトのコーヒー農園も。
6日目 Hapuna Beach。
7日目 予備日程、夜はパッキング(帰りたくないよう〜!)
8日目 帰国のため出発 (T_T)、日付変更線を超えて9日目夜に成田に到着。

このプランを決めるにあたって参考にしたのは、ハワイのガイドブックで紹介したハワイ島のガイドブックの中の二冊、「Hawaii The Big Island Revealed / The Ultimate Guidebook (Second Edition)」 と「PARADISE Family Guides, HAWAI'I THE BIG ISLAND」である。とにかくこの二冊は現地での行動プランを決める情報を得るのには、これ以上のものはないくらい重要だった。

また情報というのは、こうした観光情報だけではない。ハワイの暮らしを綴った本、ハワイの大自然について書いた二冊の本(これもハワイのガイドブックで紹介している)だ。それは、「ワールドカルチャーガイド1 ハワイ 島・ひと・くらしのもっと奥へ!」と「ハワイの自然  3000万年の楽園」の二冊だ。これは単なる旅行ガイドではないが、読んでおいて絶対に損は無い本だと思って、今も一所懸命読んでいるところだ。

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■ 4. 出発〜現地第一日目 ■

□ 出発前 □

荷物は一週間前の日曜日にまとめてパッキングして、大中二つのハードケースに納めてある。ほとんどの物は大きいほうに詰めて、木曜日(出発の二日前)に、空港往復宅急便に託した。こういう大切な荷物はコンビニなどでには預けないで、必ず営業所に電話をして引き取りに来てもらうことにしている。今回も同じように取りに来てもらったのだが、今回は荷物を引き取る前に私宛の荷物の配達があった。

その荷物というのは、先日JALの国際線チケットダイヤルに電話をして発券してもらった2000/10/22〜30までの「おじさんマウイ+オアフ一人旅PART2」の航空券である。ハワイというところは帰っきた瞬間には、またすぐに戻りたくものなのだが、今回の旅は終わったら、すぐに2ヵ月後の現地でのプランニングという楽しみもまっているから、これはもう嬉しくてたまらない。やはり気に入った場所への旅行は、年に一回ではあまりにも少なすぎる。

朝食の後、空港宅配便の伝票番号をもとに、ヤマト運輸のWebページにアクセスして荷物のトレースをしてみると、昨日の午後三時には成田に到着しているようだ。荷物を空港へ送るときの心配が本当に間違い無く届くだろうか、ということだが、これが少しでも解消できるのは有りがたいものだ。現地についたらロストして荷物があとから来たというのはたまに聞く話しだが、成田に着く前にロストしていたのでは洒落にならない。楽ができる分、不安が増えるというのは困るのだが、24kgもあるトランクを抱えて空港まで行く気にはならないからやむを得まい。

フライトは夕方の六時半過ぎなのだが、この時期はまだまだ成田が混雑するので早めにいったほうがよい。早めに行くというのは、多分に私の性格でもあるのだが、実際問題、あまった時間を潰すのは簡単だが、足りなくなった時間を取り戻すことはできないからだ。それにあまった時間は本を読んでも良いし、愛機 Jornada680 (WindowsCE) で旅行記でも書いていればよいのだから、なんとかなるものだ。早すぎるのは許されても、遅すぎるのは許されない。家を出るまでにはまだ四時間ほどある。シャワーを浴びて昼食をとる時間を引いても二時間ほどあるが、本でも読んでいるとしよう。

□ 成田へ □

都内から成田空港に行くには、自家用車やタクシーを除けば、リムジンバス、JRの成田エキスプレス、京成のスカイライナー、JR普通列車、京成の普通の特急などがあるが、現実的な選択肢としては、私の場合は成田エキスプレスか京成スカイライナーだ。昔は成田エキスプレスを多く使ったが、池袋始発が少ないことと、家族三名分では往復で6000円も京成スカイライナーより高いので、最近はもっぱら京成スカイライナーである。時間的にみても遠回りする成田エキスプレスより京成スカイライナーのほうが早い。

成田エキスプレスにはもう一つ嫌いな点があって、四席が常に向かい合わせになってシートが回転しないことだ。こうすることで背中合わせの部分に荷物を置くスペースができるのは理解ですが、固定というのはあまり好きではない。

□ JL80便 □

成田はお盆のピークを過ぎたこともあって、セキュリティチェックも出国審査もさほど混雑していなかった。妻はパスポートコントロールより先の制限区域内の免税店に嬉々として突撃してゆき、ホワイトニング下地乳液と下地を買ったようだが、私には興味がないのは言うまでも無い。

今回のフライトはJL80便で、ゲートはサテライトにあるゲートとなっているので、例のシャトルに乗らねばならない。しかし、どうでもよいけど、毎回思うのは成田空港とはなんと無機質な空港なのだろう。ビル内も非常に狭いし敷地全体に余裕がないから、ゆとりスペースが作れないのかもしれない。

ともあれ、JL80便はさしたるディレイもなく定刻にゲートを離れた。

さて、今は日本時間では 00/08/19 20:21、ハワイ時間では 00/08/18 01:21 である。今回の旅行ではフライトはJAL悟空14を使用し、悟空の下期料金が発表される前の二月に予約を入れておいたので、リクエスト通りのシート番号の前方席である。

JALの国際線予約に最初に電話したときにわかったことだが、このフライトはB747-400の最新型コンフィグレーションK14の機材で、コンフィグレーションそのものは、ファーストクラス、エクゼクティブクラス、エコノミークラスと三クラスあるが、運用は全席エコノミーなのである。当然サービスはエコノミーであるが、シートと付帯設備はファーストだったりエコノミーだったりするわけだ。前方席は原則としてIT(ツアー)ではなくノーマル運賃、正規割引運賃などが優先的に割り当てられるから、前方席に座るのはおのずからツアー客ではなく個人旅行客がほとんどになる。IT料金の客の多くはたまたまJALに搭乗した客だが、個人旅行客はわざわざJALを選んだ客のほうが多いのだから、料金差とともにそれくらいの特典の差があって当然だ。

この便は全席エコノミー運用だから、理屈からゆけばファーストクラスシートにエコノミー料金で座ることも不可能ではない(実際客が居た)わけだが、ノーマル運賃(ハワイ線にノーマル運賃で載る客がいるかどうか疑問だ)のほうが優先だろうし、さらにJMBグランデ会員といったマイレージの上級会員のためにブロックされていて普通の客はその席は取れない可能性もある。ともあれこうした席をとるのは、予約のときの運と経験であろうか。努力するもののみが報われるのであり、ツアーでぜんぶお任せでは通常は味わえない快感だ。

さて、このJL80便(2000/8/19のフライト)では、K14コンフィグレーションで全席にMAGIC-IIという個人用テレビが備え付けられている。シートは当然ビジネスのスカイラックス(SKYLUXE)シートで非常に快適この上ない。同じ料金でも予約の時期と方法一つでこういう美味しい席が取れることもあるのだから、美味しい話しだ。原則としては知っている人でかつ運が良い人だけが座れる席だ。

MAGIC-IIそのものは、フライトが夜の睡眠時間にかかるからゲームやらテレビの恩恵に預かる時間はすくないが、シートだけでも十分である。フライトの疲れは睡眠時間の少なさとシートの心地悪さに起因するから、これはもう雲泥の差である。だからといって自費で純粋にビジネスを取ることなどは、ほとんど無理に近いし、マイルをこのアップグレードに使うのももったいない(一度やってみたいとは思うが)から、結局こうしたセコい道を探し出すことになる。セコくても合法で快適ならそれでよい。

さて、時刻はハワイ時間で午前一時半だ。少しでも睡眠をとらなくてはいけないから、この当たりでJornada680をしまうとしよう。

□ ホノルル国際空港 □

JL80便は一番メインターミナルに近い側のゲートに止まった。座った場所がエクゼクティブシートで、機外に出るのもほどんど一番に近いから、最後尾のツアー用の席に比べると雲泥の差であり、この差がイミグレの行列に並ぶのとほとんど並ばなくてよいのとの差になる。

今回はWIKIWIKIバスに自動的に誘導されて乗りこむ。これまたほとんど一番乗りに近い。WIKWIKIバスは混乱を避けるためか、どの車両に乗りこむかを係員が誘導しており、自分で好きな車両を選ぶ余地がない。ハワイベテランの方の本(かなり有名な本で何種類か出ている)に寄れば三両編性の中央の車両に乗るとメインターミナルのイミグレーションへの階段が違いと言われるが、必ずしもそうとは限らなくて、今回は最後尾の私の車両が一番近かった。途中WIKIWIKIバスが思いっきり急停車して、中にたっていたアメリカ人が尻持ちをつき、また握り棒の一部が外れてしまったが、とにかく無事にメインターミナルに到着だ。

WIKIWIKIバスをほぼ先頭集団で降りたから、当然イミグレーションへも先頭集団で乗りこみ、そこで乗客は分散されて、実際には待ち時間完全にゼロで入国審査完了である。ピークを過ぎたとはいえこの時期にして珍しいかもしれないが、個人手配旅行で前方席を取り、意識して混乱にまきこまれないようにすれば、ホノルルのイミグレーションでさほどまたされることもないのではないだろうか。だが、多くの場合ツアーではイミグレーションの長蛇の列に溜息を付くことになる。

この後、荷物を引き取ることになるのだが、バゲッジクレームへ降りたら小さなトランクがちょうど回っているところであり、さらに大きなトランクのほうに至ってはすでに並べられていた。ホノルル国際空港のイミグレーションが一番載りで、なおかつバゲッジグレームについたら荷物がもう出ていたというのは初めての経験だが、これはWIKIWIKIバスが急停車したりして時間がかかったからもしれない。しかし、この荷物の速さはまるでビジネスクラスである。今までツアーと個人の両方でホノルルに入ったことがあるが、その経験の範疇ではツアーのほうが荷物が出るのは遅く、個人のほうが荷物が出るのが早い。これは偶然かもしれないし、そうでないかもしれないのだが、よくわからないところだ。

個人でネイバーへ行くには、外へ出る前にインターアイランドへの乗り継ぎカウンターがありそこでチェックインしたり、荷物を預けるのだが私はあのシステムを全く信用してない。他人の手にゆだねると時間を減らすことで、荷物のロストや遅延の確率が確実に減るからだ。安全確実を求めるなら他人に任せずに自分の手で確実に各ステップをこなすことが重要だ。荷物の場合は、とにかく可能なところは自分で荷物を運ぶ、人の手にゆだねないというのは無用なトラブルをさける鉄則であると信じている。

ヒロへのフライトまで時間があるし、小腹が減ったのでインターアイランドターミナルのスナックコーナーで$2.00也のサイミンを食べるなど、家族それぞれがちょっとお腹を満足させたところで、早めに列に並ぶべくゲートへ行くと、すでにツアー客の列が出来ているではないか。ホノルルからのネイバーのフライトでは主翼の上を避けた左側の席が眺めがよいのだが、今回は三十分前ですでに大量のツアー客の列ができていたのはびっくりだ。それでも、なんとかぎりぎり左側の眺める席を確保できた。しかし、実際に飛んでみると、今日は全般的に雲が多く、ラナイ島は上空から見えたが、マウイ島のそばを通過するときには完全に雲に隠れていて見えなかった。そのままずっと雲海をつっきり雲の中を下降すると雨のヒロ国際空港である。

□ ヒロ国際空港 □

ヒロの空港は初めてだが、想像通りというか当然というか小規模な空港である。娘がトイレに行きたいというので、周囲を観察する暇も無くとにかくトイレをさがして直行だ。今まで、カフルイ(マウイ)、ケアホレ(ビッグアイランド)、ヒロ(ビッグアイランド)と三つの空港を利用したが、カフルイ空港が一番規模的にも大きいようだ。

□ レンタカー □

ここからはレンタカーになるわけだが、今回の旅で同行の妻の従姉のご主人が予約したのはハーツである。ここでアクシデントが一つ。受付の人が言うには(無論英語だ)、私たちに割り当てる予定だったミニバンがパンクしてこれから修理するためにエンジニアを呼ぶというのである。そのかわりに隣のバジェットが世話をするというのだ。内容を引き継いでくれて要約無事車が借りられた。やはりやっていて良かった英会話とはこのことである。言葉があまりわからないと、ここでちょっと、あるいはかなり困ってしまうかもしれない。ちなみに、ハーツの受付のおばさんは、一年間全世界のハーツで有効な$50.00のサーティフケート(割引)をくれたが、これを私が使うことはあるまいということで、ご主人のほうに渡しておいた。

当初の予定通り、私はナビ席にのり地図(地球の歩き方リゾート・ハワイドライブガイドを図書館でコピーしたやつと「HAWAII THE BIG ISLAND REVEAED」の地図)を見て進行指示を出す。着いたホテルが「HILO HAWAIIAN HOTEL」だが、ここでまたハプニングが一つ。予約はコネクティングを二つだったのだが、ノースモーキングのコネクティングはなくてスモーキングルームのコネクティングだという。さすがに予約のときにノースモーキングまでは指定していなかったので、一行と相談の上ノースモーキングだがコネクティングではない部屋を選ぶ。

□ 最悪な HILO HAWAIIAN HOTEL の日本語スタッフ □

ちなみに、このHILO HAWAIIAN HOTELだが、滞在中フロントの日本語スタッフの方はお世辞にもいい応対とはいえない応対だった。さきのコネクティングの問題では、もうぶっちょうずらで、めんどくさいというのが顔中に現れていて、話していてかなりムカついてきて、フロント責任者を呼べ!と怒鳴りそうになったくらいだ。こちらは最初からちゃんと英語で話しているので、別に日本語スタッフでなくてもよいから余計なお世話なのでなおさら腹が立つ。その点現地の英語スタッフのほうは、ごく普通のスマイルを浮かべた対応だったのだから、なおさらその違いが鼻についた。

わがままな日本人団体ツアー客の相手でほとほと疲れているのかもしれないが、それにしてもあの態度はひどい。ろくに調べもしないで、部屋が無いときたものだ。まるで貴様なんぞに充てる部屋はないという態度がみえみえだ。予約のときのメール対応がよかったのとは雲泥の差だ。

はっきりいって、この日本語スタッフの印象でこのホテルの印象がきまってしまった。この先ヒロに滞在することが会っても二度とこのホテルは使わないし、他人にも絶対にすすめないことを心に誓った。ホテルそのものは悪くは無いので残念ではあるが、私の評価は最低最悪の部類に入ってしまったのは、ほかならぬフロントの彼女の責任である。

まあ、大手旅行会社とタイアップして大量の客をとれるから、私のようにわざわざ「HILOHAWAIIAN HOTEL」を選んだ客はどうでもよいのであろうか?つくづく団体ツアー客が多い宿はつかいたくないものだ、とあらためて感じた次第だ。

□ ヒロの街 □

さて、時刻はまだ十時過ぎなので、荷物を預けてプリンス・クヒオプラザに向かう。ここで子供たちはおもちゃ屋さんなどをうろうろし、二時間ほど経過したところで食事に向かう。向かう先は「CAFE100」だ。住所しかわからないので、YaHoo Maps でプリントアウトした場所をたよりに探すが、そういうものが見当たらない。その近辺を行きつ戻りつしたあと、子供たちが腹がすいたと騒ぎだすので、「CAFE100」は断念し、「Ken's House of Pancakes」に向かうことにした。ちなみにその後再度通りの番地を確認しながら走ったところ、YaHoo Mapsで住所から探し出した場所はとんでもないところ(通りだけはあっているが番地は見当違い)だった。当てにしては行けないのがYaHoo Mapsだ。

しかし、途中でHINANO ST.に入ったため、すぐさま思いだしたのが「BIG ISLAND CANDIES」である。そこでガイド(私)は急遽ここに立ち寄ることにし、無事美味なるクッキーを調達し、

その後「Ken's House of Pancakes」に向かった。何を頼もうかと思ったが、前回ここで食べなかったロコモコを、妻と娘はサイミンを頼んだ。ここのサイミンは結構美味しいが、変わっているのが焼き鳥が入っていることだ。ところがその焼き鳥が結構美味なのであり、妻はほかほかの暖かい白飯があれば言うことないなどという。。サイミンも焼き鳥もどちらも美味だが、その両者は恐ろしくミスマッチである。ミスマッチだけれどまずいわけではなく単に変わっているというだけであり、サイミンの類は量的にとんでもない量ということはないから、とりあえずどこの店でも安心して食べられる。

「Ken's House of Pancakes」は昨年一月はもう少し店内も綺麗だったように思うが、今は壁紙もはがれかけていたりしてちょっと裏ぶれた感じだが、ヒロで唯一24時間営業のレストランだし、ロコには人気のある店であることは確かだろう。店はうらぶれてきたが、価格は安いし、味もわるくないのでお勧めの一店だ。

この後、「マウナロア・マカデミアナッツ工場」にいって見学しようと思って訪ねたら、今日は週末だというのをすっかり忘れていた。ラインが止まっているのである。仕方なくちょっとしたナッツ類だけを買って退散。これでは見学しなかった昨年一月と同じパターンではないか。

次の目的地はプリンス・クヒオ・プラザ内の「Safeway」だ。明日は早くおきて、室内で簡単な朝食を取るための食品を買うのだ。私は「Safeway」はあまりすきではない。レジデントにはまとめ買いの旨味が得られるが、旅行者では量が多すぎたりしてあまり実用的ではないし、価格も旅行者の滞在日数と購入量を考えるとかなり高いスーパーだ。そういう意味ではマウイの「Foodland」、ハワイ島はKailua-Konaの「KTA」のほうが好きである。

それはいいとして、途中電話で、ヒロ・ハワイアンのクィーンズ・コート・レストランに予約を入れる。ここの週末ビュッフェは金土はシーフード・ビュッフェ、日曜日はハワイアン・ビュッフェだが、これらがロコには結構な人気で、英語のガイドブック(「HAWAII THE BIG ISLAND REVEALED」)では予約を強く推奨と書かれている。

実際行ってみると、一見日本人っぽい顔の客が目立ち、「ぐわぁ、これは日本人ツアー客の固まりの店を選んでしまった」とひどく後悔したが、よくみると服装が日本人旅行者とは明らかに違う。どうやら八割、九割はロコの客のようだ。どうやらくだんのガイドブックの記述は本当のようだ。

ビュッフェは飲み物込み(ワインでもビールでも決めてしまえば、おかわりをどんどん注いでくれるワンコ・ワイン、ワンコ・ビールだ)で大人約30ドル、子供は半額だ。料理は結構美味しくて、これはロコに人気があるのがわかる気がする。料理の種類が多いし日本人からしても味は結構いい。これはお勧めできる店だ。とにかくロコが強く支持する店というのは味が好みにあうかどうかは別にしてそれなりに支持される理由があるわけだ。

こんな風に書くと平穏無事なようだが、実はずっと雨にたたられどうしだ。天気予報によれば今日の雨量は多いときで一時間に一インチほどあったようで、突然降ってはやむということの繰り返しだ。これがずっとつづいていて、駐車場の車と入り口の間でなんどぬれたかわからない。

とりあえず、一日目は終わった。

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■ 5. 現地第二日目 ■

□ Volcano National Park □

ホテルの部屋で前日「Safeway」で買っておいたドーナツという簡単な朝食を済ませると早々にホテルを出発した。

08:45 HILO HAWAIIAN HOTELを出発(天候は雨)

最初は11号線を途中左に折れて、Kalapanaに行くつもりだったが、曲がったところを間違えたと思って引き返し、そのままVolcanoへ先に行くことにした。結果的にはこの道は正解だったが、間違えたと思って引き返したのも時間的には正解だった。一日でVolcanoのCrater Rim Driveをまわって、ゆっくり昼食を取り、Chain of Craters Roadを降りて、溶岩の上をしばらく歩いて戻り、さらにKalapanaまで行くのは時間的に結構苦しいことがわかったからだ。

09:47 National ParkのEntrance Stationで入場料$10.00を支払う。

Visitor Centerにたちよりしばらく展示物を見学したり、トイレを済ませたりして小雨の中をいざ出発!

Steam Vents ---> Jaggar Museum ---> Halema'uma'u Overlock

と、まわり、子供たちが腹減ったコールをするし、おそくなるとVolcano Houseのランチブッフェに間に合わないので、ちょっと早いが、一旦Volcano Houseへ直行してランチブッフェにありつく。結構いけるがソフトドリンクがコークと水、あとは紅茶とコーヒーだけというのは子供には悲しいようだ。売店を見たりして、一時間半ほど滞在して出発したのが13:30くらいだろうか。

ここからCrater Rim Driveを時計方向に戻り、Chain of Craters Roadに入ってひたすら海に向かって落ちてゆく。前回と違って雨天なので視界がきかないのが残念だ。地図では近そうに思うが、実際には往復で丁度40マイルあり、溶岩の上をちょっとあるくことを考えると、この部分だけでゆっくり行くと三時間はかかる。それでもDead endでは雨はふっておらず、単なる曇天なので助かった。ここに一時間くらい滞在して、逆戻りしてParkを出て、Volcano Winaryへ向かう。

□ Volcano Winary □

ここでは車をとめてから猛烈な雨なので、小降りになるまでしばし車中に待機。

店(?)に入ると、いかにも観光地の売店っぽい雰囲気なのが気にかかる。私はナビなので申し訳無いが遠慮無くテイスティングをする。マウイブランが好きなので、パッションフルーツのブレンドワインがもっとも良かったのでそれを購入し、妻はマカダミアナッツハニーワインを買う。普通の白のドライとセミドライもトライしたが、セミドライはちょっと酸味がきつくて好みではなく、ドライもまあ美味しいのだが私の好みではなかったので、ノーマルのワインは遠慮した。

途中で雨が小降りになるのをまったり、ゆっくり昼食をとったりしたので、結構ゆっくり目の時間になってしまった。11号線を引き返し10マイルポイントのあたりになったら時刻はすでに夕方16:30を回っていた。天候と子供のことを考えると無理は禁物で素直にカラパナはあきらめる。天候さえよければ良かったのだが、カラパナで雨だと黒砂海岸のほうまで歩くのは下が滑って危険だし、いくら雨具をきていてもかなりぬれるから子供には無理だ。カラパナにいったらあの溶岩の上を歩いて、溶岩に消えた街の跡を見なくては意味がない。

夕食は子供達の希望もあってKFCでto goにして部屋に戻り、皆でビールを飲みながら楽しく食事が出来た。

明日は、早々にコナに向かって移動し、humidなHILOとはさよならである。やはり乾燥した土地が恋しい。

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■ 6. 現地第三日目 ■

□ カイルア-コナへの移動 □

今日はコナへの移動の日だが、ヒロをあとにする日に限って朝から良い天気なのは皮肉な話しだ。「HILO HAWAIIAN HOTEL」のチェックアウトのときには、日本語スタッフではなくて、ハワイアン-アメリカンの英語のみのスタッフだったが、ごく普通で気持ち良い応対であったが、それがやたらにすばらしく思えたのは、日本語スタッフの昨夜のそっけない応対の印象が強いからだ。やはりここの日本語スタッフのクビはすげ替えるべきだろう。しつこく書くが、二度とここを使わないし、使いたくも無いし、尋ねられたら絶対に薦めない。しかし、ここのレストランの「QUEEN'S COURT」は抜群だ。

ホテルを出発したのが8:45分頃だ。行程は反時計回りでヒロから19号線を北に進み、ワイメア(WAIMEA SHOPPING CENTER)でトイレ休憩をしたのが10時半くらい。それから190号線を南に下りパーカー牧場を抜けてカイルア・コナに入り、「THE ROYAL SEA CLIFF RESORT」に到着である。

この行程は特に記すべきことはないが、ワイメア近くまでは緑豊かな風景が続くが続くが、ワイメア手前で牧場に入ってから乾燥地帯に突入し、パーカーランチの中をアップダウンの激しい道が続く。ハイウェイとはいっても片側一車線の日本の国道とほぼ同じだ。

ヒロからワイメアまで一時間と十五分くらいだが、平日午前中なのにショッピングセンターの駐車場は満員御礼なのが不思議だ。ワイメアからカイルア-コナまでは一気に進む。ヒロのように雨天ではないが、雲が多くはっきりしない天候が続くのはあまり嬉しくない。

「THE ROYAL SEA CLIFF RESORT」についたのがちょうど12時頃だ。まずはレジストレーションして荷物を預けてから、昼食だ。昼食は眺めの良さが売りだという、クロスロード・ショッピング・センター内のデニーズへ出向く。妻はONOのバーガー、私は照り焼きバーガー、娘はチキンナゲットと大したものではない。味のほうも薦めるほどではないが、否定するほどでもなく、ランチの行き先に困ったときにはちょうど良かろう。

昼食の後、デニーズのすぐとなりの「WAL-MART」に行き、娘のリクエストのトゥィーティグッズを購入するが、妻が意外なものをみつけた。「おじさんマウイ一人旅」で紹介した「PINEAPPLE SNOW」という、マカダミアナッツのクランチとパイナップルをホワイトチョコでくるんだものだが、これが美味しいのである。それにもう一つ、マウイクッキーも見つけてきた。ここだけは「おじさんマウイ一人旅」の再現となった。しかしここでこのチョコを見かけたのはこのときだけで、あとは滞在中一度も見かけなかった。もともと生産量が少ないだけにそうそう出回らないとは、昨年聞いた話しだ。

この後、カイルア-コナのKTAストアで夕食の材料を仕入れる。女性二人と子供の相談で何故かハンバーグになり、必要な材料とサラダにつかう野菜にマウイオニオン、水、ビールなどを購入してきて、時刻は四時をまわっていた。

□ THE ROYAL SEA CLIFF RESORT □

「THE ROYAL SEA CLIFF RESORT」に戻り、部屋に入る。部屋は七階オーシャンビューの2BRであり、100平米と我が家の2倍ほどの広さがあるのが悲しいが、非常に広くてゆとりがありかなり使いやすそうだ。ただ、キッチンにときおり蟻が見られたのが気になるといえば気になるところだが、程度の差こそ有れどこでも見かけたので、蟻がゼロの部屋というのはありえあないのかもしれない。

主寝室 キングサイズベッド、電話、室内金庫、洗面台[ドライヤー付き]バス、トイレ
※目覚まし時計は無し
副寝室 クィーンサイズベッド、洗面台[ドライヤーは無し]、バス、トイレ
※目覚まし時計は無し
居間 テレビ[ビデオは無し]、丸テーブル&椅子、ソファ&テーブル
キッチン 大型2ドア冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い機、オーブン、トースター、コーヒーメーカー、小型炊飯器、四口電気コンロ、ハンドミキサー、ミキサー、電動缶切、調理器具一式、ワインオープナー、食器一式、食器洗剤、食器洗い機用洗剤、洗濯洗剤
その他 室内洗濯機、乾燥機、椅子とテーブル(居間のラナイ)、デッキチェア(主寝室のラナイ)、一回分の洗剤

□ 最悪なVolcano Winaryのワイン □

夕食のときに飲んだのが、昨日調達した「Volcano Wine」の「VOLCANO RED」と「PASSION CHABLIS」である。「VOLCANO RED」は同行の家族が購入し、「PASSION CHABLIS」は試飲してしてパッションフルーツの香りがすごくさわやかだったので購入したのだが、これがとんでもない大間違いだった。

「VOLCANO RED」は保存状態が悪いものを売りつけられたみたいで、ワインどころかワインビネガーの一歩手前であり、「PASSION CHABLIS」は試飲したパッションフルーツの香りはどこにもなく、普通にうっている市販の安ワインと同じである。これははっきりいって詐欺だ。有名なだけで、買いにくるのは観光客ばかりだとタカをくくっているのだろうか。ちなみにマカダミアナッツフレーバーのワインもマカダミアナッツのフレーバーなどほとんどしなくてまずい白ワインだった。

Volcanoへいっても立ち寄る必要すらないのが「Volcano Wine」である。一つのワインだけならともかく、別の人間が買った別の種類のワインがこの調子なので単なる偶然ではないのは確実だ。Volcanoへいっても絶対にVolcano Wineは買ってはならない。そんなものをうっていると、いずれPeleの怒りに触れるのではないか....まったく詐欺同然のエセワイン屋である。まだ、日本の量産安テーブルワインのほうがマシである。

どうしても試してみたければ、地元のスーパーでも売ってるからそれを買って試してみればよいのである。わざわざゆくほどのところではないのは断言してもよい。

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■ 7. 現地第四日目 ■

□ カハルウビーチ □

部屋で朝食を取った後、九時半くらいに宿を出て「Kahaluu Beach Park」に向かう。ここは「The Royal Sea Cliff Resort」からはすぐのところで、数分程度で到着する。ビーチとしては岩場で足元が悪く、大きさも小さなビーチだが浅瀬まで岩場があるため浅いところでもトロピカルな魚が沢山泳いでいるし、ウミガメを見ることができる可能性も非常に高い。

ただ、パーキングが小さいので朝早めにでないと車をとめるところがなくなるので朝早くゆかねばならない。午後から....なんて思ったらもう駄目で、午前中に来た人が午後昼食時になって帰るのを待つしかない。

今日行ったときはどうやら満潮だったらしくて、前回よりかなり潮が高い。昨年同様のトロピカルフィッシュを見ることができたが、今年はウミガメをたっぷり見ることができた。たっぷりどころか、スノーケリングしながら岸へ戻る途中でいきなり岩の横からウミガメが出てきて、危うくウミガメにぶつかりそうになったくらいで、目の前十数センチに大接近である。

ここでは岸にも注意書きがあるが、ウミガメの邪魔をしたり(私の場合はウミガメに邪魔をされたわけだ)、手を触れてはいけない。これは州法と連邦法で絶滅寸前種の保護ということで決められているとある。実際、触れようとすると、ライフガードが飛んできて注意をする(注意されたのは米国人達であり私たちではないので念のため....)。

さて、ここで午前中遊んだ後、昼食のためにケアウホウSCに向かうが、ここも「Kahaluu Beach Park」からすぐのところにある。迷った挙句に決まらなかったのでWendy'sのハンバーガとなった。

このあと今夜の食品を調達するために、ケアウホウSCのKTAストアへ向かう。ここはKailua-KonaのKTAよりも小ぶりで食品類もやや種類が少ない。こちらのほうがリゾート滞在客の割合が多いためであろうか、生鮮類やDELIの類が少ないのである。

今夜の食材を仕入れた後宿へ戻ったら三時半ごろだ。水着などをを室内の洗濯機に放り込んで、私は別の水着を着用して今度はプールへ向かう。とにかくインルームランドリーがある宿は便利このうえない。しばらくプールで子供達と遊んだ後、部屋に戻りシャワーを浴びて、スノーケルやマスク、ウォーターシューズを洗う。

□ コナ-サンセット □

時刻は夕方六時過ぎ、これから三十分後にはコナ-サンセットがバルコニーでみられるはずだ。同行の家族のご主人とともに、バルコニーの椅子に陣取ってビールを飲みながら、そのときを待つ。

やがて正面の西の空が赤く染まり始め、青空と絶妙の取り合わせを作りだす。ラハイナ-サンセット同様にみるみるうちに日が沈んでゆくのは驚く。ラハイナのフロントストリートで見るのと違って、椰子の木などが手前にあるため、ものすごく南国的な風情を作りだす。ラハイナ-サンセットも美しいが、コナ-サンセットも美しい。

ちなみに私がとまった部屋は一番通りに近いオーシャンフロントだが、朝六時前に起きれば、部屋の前の通路からはサンライズも拝むことができるから、まさに絶好のロケーションである。あまり海際の部屋だと波音が夜中にも結構うるさいかもしれないが、私たちの部屋は上出来の場所ではないだろうか。

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■ 8. 現地第五日目 ■

□ プウホヌア・オ・ホナウナウ国立歴史公園 □

昨日はビーチだったので今日はビーチではなく観光の日である。日焼けと体力を考えると続けて、連日ビーチはきついものがあるからだ。

プウホヌア・オ・ホナウナウは昨年も行っているので、とくにどうということはないのだが、入場料は大人が2ドル、12歳以下は無料だ。

ここには史跡の外側、海岸側に岩場がありここの水が大変美しいであるが、今回そこへ出てみると驚いたことに海亀の集団が居た。それも十数匹は居たであろうか。肉眼では見にくいのだが、私のポラロイド製の偏光ガラスをつかったサングラスだと水面のギラギラがなくなって水中までかなりくっきり見えるのである。ときにはウミガメが団子状に固まったり、波の影響で山になったりして、これはめったに見られないものをみた気分だ。

今回はカハルウ-ビーチでも三匹みかけたし、一匹は目の前十数センチでも見ることができたから大変満足である。

□ Holualoa Kona Coffee □

プウホヌア-オ-ホナウナウのあと、コナ-コーヒーロードへ向かう。「地球の歩き方リゾート・ハワイ島」では沢山あることになっているが、実際車で走ると非常にわかりにくい。道路にはマイルポイントがあるのだが、日本のガイドブックには地図には存在しないのであるから距離がわからず役にたたない。まったく日本製のガイドブックというのは、どこまで実用的でないのだろうか。こんなガイドブックばかりしかみないから、日本人の間の旅行文化は育たないと言われるのだ。

コーヒーロードを進んで、ようやく見つけたのが、Holualoa Kona Coffeeである。ちいさなここのパーキングに車をとめると、従業員(社長?)のおじさんがやってきてガイドをしてくれるというという。コーヒー豆が育つのに必要な条件や収穫(なんと全部手摘みである)、そして大きさと重さでの分類などをする。ちなみに最高級のピーベリーは全収穫量の5%しか取れないのである。だから同じ100% Kona Coffeeでも豆の品質には雲泥の差があることをこの目で見ることができた。

そうして皮をむかれて洗浄され分類された豆は天日干しにされ数日から三週間くらい干される。そしてようやく生豆として出荷されるか、ローストして製品として仕上げられる。ハワイ島で良いコーヒーが育つのは、高度800〜2000ftくらいの山麓の日中の日差しと夕方から夜の雨、そして水はけのよい火山大地がいいのだそうだ。

コーヒー生産業者は数有れども粗悪な業者も多いようで、輸出用の豆は州政府が一袋ずつ検査をするのだそうだ。となると、よいコナ-コーヒーを買うためには、自分の舌と信頼できる地元の人の言葉をいくつもあつめるしかなさそうだ。

こうした説明を受けた後(当然全部英語だ)、テイスティングして、ピーベリーとその一クラス下のミディアムローストを買い求めた。この農園は偶然はいったものだが、説明してくれた方の奥様は名古屋の方だというから驚いた。

ここの製品は豆のまま卸すか、輸出するのがメインで、子袋でのリテール販売はあまりやっていなくて、ごくわずかに、ここの農園で売っているだけだそうだ。ちなみに通信販売もしているそうである。

□ Babba Gump Shrip □

前回朝食に2度つかったのが、ウォーターフロントローのジョリーロジャーだが、これが無くなってしまって、ババ・ガンプ・シュリンプになっていた。昼食で入ってもディナーで入っても料金は同じなのだと思うが、結構良い値段で、どれも十数ドルはするから、飲み物を入れると二十ドルを超えることも少なくないだろう。夕食としてはそこそこだが、絶対に昼食に食べるところではない。

私はフライド-シュリンプとクラムチャウダーとパイナップルジュースだ。パイナップルジュースは水で薄めたようなもので、ほとんど水の味しかせずこれで$2.95は人を馬鹿にしている。これではマクドナルドのコークのほうが何百倍も美味しいではないか。

クラムチャウダーはかなりコショウがききすぎているが、これはどこの店でもはずしたことがない数少ない食べ物だ。フライのほうはなかなか美味であるが、そこそこ量があるのでだんだん飽きてくる。価格を考えるとわざわざ食べにくるようなほどの価値は全く無い。お金と時間があまっていればそれもよかろう、という感じだ。

□ BIG K-Mart □

昨年は「K-Mart」だったのだが、いつのまにか「BIG」が頭についていた。商品構成も基本は同じだが、なんとなく寂れた感じが強くなって、娘の大好きな「トゥィーティ」のシャツやグッズもぐんと減っていた。場所的にはやはり「WAL-MART」のほうが、コナから近いというのもあるのだろう。また、「BIG K-MART」の近くには食品スーパーはないが、「WAL-MART」のほうは、すぐ上に「Safeway」が、通りの向かいには大型書店の「Borders]があるし、「KTA」ストアもすぐ近くだ。それに比べると「K-Mart」のほうは、近くには「リバティハウス」しかないのは結構痛いかもしれない。

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■ 9. 現地第六日目 ■

□ Mauna Kea Beach □

Mauna Kea BeachはKailuaから19号線を北上し、ケアホレ空港を左に見ながら32マイル走ったところだ。場所で言えば Mauna Kea Beach Hotelの正面のビーチである。

ビーチ全長は1/4マイルほど小ぶりなビーチで、周囲にはMauna Kea Beach Hotelしかないから、このホテルの宿泊客以外はアクセスは車以外には有りえない。ここにはパブリックパーキングはなく、ホテルの駐車場が先着30台だけに開放されている。

ゲートを通るときにビーチへ行きたい旨を告げると、まだ空きがあれば番号札をくれる。私の場合は15だったので、おそらく15番目の車だろう。ホテル正面玄関を、右手に見ながらそのまま直進すると、ビーチ利用者に開放されている駐車スペースにたどり着く。そこにはセキュリティがいて、駐車すべき場所を案内してくれ、ときどき巡回しているから、車上狙いが多い米国ではちょっぴり安心度が増すのは嬉しい。パブリックパーキングしかなくて、そこからビーチまで数分以上もかかるとやはり車上狙いが心配である。

このビーチにはビーチハウスがあり、飲み物販売やパラソル貸し出しなどもあるようだが、私が行って聞いてみると風が強いため今日は貸し出しをしていないという。しかたがないので、木陰を求めてビーチのホテルと反対側に避難する。

ビーチについたのは平日の十時前だが、休日だとさらにはやくに一杯になるというから、狙っている人はできるだけ早くにでるほうが良い。そうでないと駐車スペースもさることながら、日陰がほとんどないのでかなりきついことは間違い無い。日本の湘南あたりの日差しとは訳が違うことを忘れては行けない。特についた翌日に一日ビーチの日向にいるなんてのは、ほとんど自殺行為であるといっても過言ではない。

ビーチに出るベストタイムはやはり午前中だろう。午後になると日差しがきつくて暑すぎるのだ。もっとも紫外線の強さは午前中の方が強いとも言われているのが、肌に感じる日差しの強さと暑さは、圧倒的に午後のほうが強い。日本からついて午後までいきなりビーチにいるのは無茶だ。

このビーチにはビーチ入り口にだけパブリックなトイレと着替えに利用できる木製ベンチがその中にある。淡水シャワー二つがトイレの入り口にある。ビーチにはいってしまうと、トイレは結構遠いがトイレそのものはホテルの敷地内にあって、メンテナンスもきちんとされている清潔なトイレだ。ちなみに男子用トイレの大便器室にはドアというものが存在しなかった(といっても一番奥で仕切りがあるので座っているところが見えるわけではない)。

ビーチは大変美しい砂浜で、当然日本とは違って砂浜に空き缶や吸殻がうまっているような汚い海岸とは快適さが何千倍も違う。海岸の吸殻を見ただけで反吐がでそうになるので、こういう美しいところはとても気持ちがよい。海のほうは遠浅の砂地なので、魚の類は非常に少ない。しかし、波は穏やかで水は結構綺麗であるが、砂地なので波で海底の砂が巻き上げられるから、透明度でいえば足がとどかないところくらいまで出ないといけないが、魚が多くいるわけでもないので、ほどほどのところで遊んでいたほうが楽しいかもしれない。しかしスノーケルがあったほうが楽なのは事実でもってゆくにこしたことはないし、ホテル側(北側)の岩場のほうまで行けば結構魚には出会えるであろう。

昼過ぎにビーチを後にして、昼食は宿に戻ってもってきた食品を片付けることにした。今回はじめての宿でとる昼食で、メニューはそうめんだ。ハワイには何度かきているが、個人的にはハワイにきたらハワイの料理を味わう主義なので、意識的に和食は避けてきたので、実はハワイで和食というのはこれが初めてだった。そうめんというのは実に都合の良い食べ物で、こうした乾燥して暑い場所でも大変に美味しく食べられるものだ。

食事のあとは、ちょっとみやげ物買い出しである。みやげ物は昨日に、BIG K-Mart で購入したのだが、昨年とは品揃えも変わってしまっていてあまり買うべきものがなかったから、再度Wal-Martに立ち寄ることにしたが、その前にLanihau Centerの31でアイスを食べる。

Wal-Martのあと、夕食は簡単に Plate lunch の to go で済ませることにした。このあたりだと美味しいのは、Kopiko Plaza内のKona Mixed Plateだ。妻はLoco Moco、私は Beef Teriyaki、娘は Chicken Teriyakiでどれもいいのだが、やはりLoco Mocoがいい。これに Keauhou Shopping CenterのKTAで見つけたMaui Blanc (Kailua-KonaのCrossroad Shopping CenterのSafewayにも売っている)で完全に満腹状態だ。ハワイで外すことが少ない食べ物は、plate lunchではないか。

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■ 10. 現地第七日目 ■

□ コンドミニアムでゆっくりすごす □

今日は事実上の最終日で、当初のプランから予定は空白にしてあったところだ。今までは行くところがあったが、今日は予定は空白なのでとりあえず少しだけ寝坊である。家族での旅行の場合は、やはりこうした余裕日が絶対に必要だと思う。びっしり詰まった予定は必ずや破綻する。

最後の日なので夕方はディナーとしてカイルア-コナの「Chart House」で食事をする予定であり、その一時間半ぐらい前から Kailua-Kona の街をホロホロ(そぞろあるき)したい。ということで逆算して午前中は子供達とプールですごすことにした。

子供達があそんでいるとしばらくしてから、米国人の親子四人連れがはいってきた。彼らの子供達(といってもおそらくハイスクール位だろう)がテニスボールの投げっこをしていた。そうすると米国人の母親のほうがもう一つボールを取りだして、娘に渡し、娘が私達の子供にボールをさしだしてくれた。話しを聞いてみると貸してくれるというので、喜んで厚意に甘えることにした。

話しを聞いてみると、メインランドの人でアラスカから来ているというので驚いた。滞在は十日間でホノルルまでは直行便があるらしい。せめて一ヶ月位は滞在したいね、と先方の父親と笑いあった。

しばらく遊んだ後、ぼちぼち、昼食の時間になったのでボールを子供に返させて(もちろん"Thank you very much"と言わせたのはあたりまえだ)、"Have a nice stay!"と挨拶をかわし、別れたが、こうしたちょっとした触れあいも旅の楽しみだと思う。言葉をかけない日本人がほとんどだし、言葉をかけられても逃げる人が多いのを見るとなんだかなぁ、と思う。

昼食は軽くマクドナルドでサイミンにした。軽く腹を持たせるにはそれがちょうど良い。このあと妻の希望でLiberty Houseへ行きお土産の化粧品を少々購入し、ホテルへ戻ってちょっとだけ荷造りしてKailua-Konaの街へでた。

車で何度か通ってわかったが、車なしで滞在するとしたら、「King Kamehameha's Kona Beach Hotel」がベストだろう。あるいは、「Kona Royal Resort」だろう。「Kona Royal Resort」あたりなら、夜になっても十分徒歩でKailua-Konaの中心を散策できる。ただ、KTAストアからは遠いから食品を調達したいときは不便だ。

□ チャートハウス □

さて、夕食は待望のチャートハウスだ。例によって日没三十分前の予約だが、今日は雲が多くてきれいな夕日は望めそうもない。

手持ちの英語のガイドブックによれば、Prime ribがalways winnerだというので、メニューをみると2種類有るし、量がわからない。ウェイター氏に量を聞いてみる(量を聞くのには一人前に多いか少ないか?とか絶対に聞いてはいけない、それは一人前の基準が違うからで、尋ねるなら絶対量を尋ねるべきだ)と、Chart House Cutというやつは10ozで23.95ドル、もう一方は24ozくらいでvery very big(向こうの人間がvery bigというのだから相当にでかいのだ)で28ドルくらいだ。私が頼んだのは Prime ribのChart House Cut、妻はShrimp Scampi(ソテーされた車えびが七匹くらいとフライドライスに特有のソースをかけたもの)、娘はKid'sメニューのChicken Tenderだ。

このprime ribのChart House Cutは大正解で、最初ナイフを入れたときには硬くて、これはとんでもないものを頼んだかと思ったが、口に入れたら大違いのこんちきちん。ミディアムで焼いてもらったが、大変にやわらかい。日本の霜降りのように脂がちらばっているからやわらかく感じられてあたりまえなのではなく、赤身肉なのだが大変にやわらかくてジューシーなのだ。そのうえアディショナルで添えてくれたしょうゆベースのソースが実に良くあう。標準ではサワークリームなので、このしょうゆベースのソースもリクエストしてみるとよかろう。

ここはHuggo'sのように日本のガイドブックに満載ではなく、載っている本のほうが少ないから、日本人客も少ないし日本人ずれしていないから、ステイの最終日には最適だ。

それにくらべれば、ババ・ガンプ・シュリンプはひどい。まずくはないが大した料理でもないのに高すぎる(もっともディナーにすればそうでもないとは思うが、ババ・ガンプ・シュリンプは原則として予約は受けないようなので待たされる覚悟が必要だ)。ここへゆくならもう一声財布にがんばってもらって「Chart House」にしたほうが絶対によい。それもprime ribのChart House Cutである。

さて、そのあとパッキングもしたし、あとは帰るだけになった。どんな旅行でも最終日の夜は悲しい。

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■ 11. 現地第八日目〜帰国(九日目) ■

□ チェックアウト □

悲しいかな、今日は帰国の日だ。例によって余裕をもって午前五時半に目覚ましをかけて実際にベッドを離れたのは六時前だった。通路側(東側)から山が見えるので、外へでて山を見ると、まさに朝焼け、サンライズである。

そう、私の部屋は最高のサンセットとサンライズを見ることができるのである。

パッキングは九割方終えているので、あとは簡単な朝食を済ませてパジャマ代わりのTシャツとスパッツを仕舞いトランクを閉めるだけになり、最後の朝を自宅のケーブルテレビでおなじみのカートゥーンチャンネルなどをみて過ごした。

□ ケアホレ空港 □

ホテルをチェックアウトしたのが八時ごろ、ケアホレ空港についたのが八時半すぎだろうか。同行家族のご主人はレンタカー返却手続きを、私のほうは彼も含めて六人分のチェックインを済ませるが、当然のことながらご主人もこないと航空券を渡せないというので、しばし待ちに入る。

チェックインを済ませて中に入ると、ケアホレ空港も小さな空港だ。免税店をかねたお土産店とニューススタンドがあるだけで、ほかには大したものはない。出発ゲートは1番なのでその近くの屋根のあるベンチで待つ。まだ、日本からのコナ直行便はついていない。日本からの便はコナで折り返し、ホノルル経由の成田行きとなるが、コナでは客を下ろして最低限の機内整備と点検だけをして、乗客を乗せてJL79便となってホノルルへ飛び立つのである。

□ ホノルル空港 □

ホノルルまでは四十分ほどのフライトだが、ここで一旦機内清掃のために乗客は全員おろされる。その際、座席ポケットには捨てられては困るものは入れておかないことを注意され、頭上の収納か座席の上に置いておくかのどちらかを指示される。つまり本格的な機内清掃はここでようやく行われるわけだ。たとえばイヤホンもコナでは回収するだけで、新しいイヤホンは配布されていない。それがホノルルの整備で各座席に配布される。

ホノルル空港のセキュリティチェックから先は、国内線と国際線はごちゃごちゃになっていて、特に厳しい区分けはなされていない。

国際線側はほとんど日本との間の便なので、そのウィングで待つ乗客はほぼすべてが日本人だといっても過言ではない。DFSの呼び込みは激しい(ここが最後ですよ!と毎度おなじみだ)のにはうんざりだ。ここを逃げ出すには、下の庭園へ降りるか、太平洋航空宇宙博物館へ入るかするのが一番だろう。

ここのニューススタンドで一つうれしいことがあった。8/1に出版されたマウイのガイドブック「MAUI REVEALED」が買えた事だ。コナかヒロのボーダーズへ行けばあったのだろうが、子供たちには英語ばかりの本屋は退屈なので断念して、帰国したらamazon.comに発注しようと思っていたのである。

うれしくてニコニコしながら売店で清算すると、売店のおばちゃんが、
 「マウイへは行ったことがあるの?」
と聞く(無論英語だ)ので、
 「何度かあるけど、今回はビッグアイランドから日本へ戻るところ。二ヶ月後にはマウイに戻ってくるけどね」
というと、
 「それは凄いわね、いいわね」
と、向こうも満面の笑みで答えてくれた。

よほどうれしそうな顔だったのだろうか。ハワイというところはスマイルが似合うところで、スマイルにはスマイルが返ってくるのである。ぶっちょうづらはこの南国の楽園には似合わない。言葉の流暢さよりまずスマイルだ。

このガイドブックを見つけてうれしかったのには理由がある。今回の旅行で一番役に立ったのは日本の屑ガイドブックどもではなく、「PARADISE Family Guide」シリーズの「HAWAI'I: THE BIG ISLAND, MAKING THE MOST OF YOUR FAMILY VACATION」「HAWAII THE BIG ISLAND REVEALED」である。とくに後者は大変すばらしく、中の地図には各道路のマイルマーカーがかかれてあり、実際の道路のマイルマーカーとつきあわせると、自分の現在位置や分岐までの距離が一目瞭然なのである。これは他のガイドブックや地図にはない大きな特徴だ。

ドライブのナビ(私)用に、「地球の歩き方」シリーズの「ハワイドライブガイド」のコピーも持参したが、これは役に立ちそうでほとんど役に立たなかった。一見詳しそうだが、実際には荒っぽそうに見える「REVEALED」のマイルマーカーつき地図のほうがはるかに有効だった。

□成田へ □

JL79便はJALの機材によるJAL WAYSの乗務員での運行で、両社のコードシェア便だ。昨年まではDC10という、いまどきとんでもない機体だったのであるが、今回はB747だった。といってもdash400ではない、かなり古いタイプの機体である。

行きがビジネスシートだっただけに、帰りの通常のエコノミーシートはむちゃくちゃ狭く感じられる。

成田へ着いたのは午後四時前と予定より早かった。昨年一月のJL79便が到着したのは貨物エリアでタラップをおりてバスに放り込まれたし、十一月のときもそうだったように記憶している。そして今回もJL79は貨物エリアに到着である。どうにもこの便はうんざりだ。

ネイバーアイランドをこよなく愛する人間としては、ネイバーアイランドへの日本からの直行便はぜひ廃止してだきたいと思う。ほんとうにネイバーへ行こうと思う人、乗り換えの苦労をしてでもネイバーへ行こうとする人だけがこれるようにして欲しいと思う。マウイへの直行便が地元の反対で棚上げになっているときくが、これは大変好ましいことだ。

ともあれ、今回の旅も細かなトラブルというかマイナス点はあったのだが、全体的には非常に良かったと思う。

最後になったが、今回の旅では同行のご家族には大変お世話になったし、ことにご主人にはなれないハワイでの運転を気軽に引き受けていただき、なおかつ、私の下手なナビにも怒ることなくにこやかに運転を続けてくださったことに心から御礼を申し上げたい。

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ハワイ島紀行 2000/8/19〜8/27