第9日目

帰国の朝

帰国の朝48時間以上前にやっておくべきことは、空港までのワイキキエキスプレスの予約である。これは電話で行えばなんと言うことは無く、フライト時間を告げればその3時間ほど前のピックアップ時刻を告げてくれる。今回の帰国は、JL75便、ホノルル空港を11時40分に出発する便だから、ピックアップ時刻は3時間ちょっと前の朝8時30分ごろになった。

こうしたピックアップは、早めにくることも多いので、朝5時45分に起きて朝食をとり、最後の荷造りをして、8時10分には一階に下りてチェックアウトを済ませた。すると待つこと10分ほどで、案の定予定より早くワイキキエキスプレスがやってきた。

バスは私たちのあと、さらに何箇所かホテルを回りホノルル国際空港に到着した。いよいよ、これでしばらくハワイともお別れである。ハワイに着いたときは、これから8泊、丸一週間以上あるのだとルンルン気分だが、楽しいときが過ぎるのは実に早い。悲しいかな楽しいバケーションはこれで終わりだ。

ホノルル国際空港

ホノルル空港ではチェックインの待ちもなく、JALカウンターで即座にチェックイン終了だ。この空港はセキュリティチェックの外には何も面白いものはないので、チェックインを済ませたら中に入ってしまうしかない。

まだ搭乗までかなり時間があるので、一階の庭園のほうに下りて散策し写真を何枚か撮る。この中国風、和風、トロピカル風庭園は観光客も少なく、日差しが気にならないのであればなかなかいいところだと思う。最後の免税店でショッピングに明け暮れる多くの日本人観光客には、この庭園を知る人も少ないのではないだろうか。

しばらく庭園で過ごした後、上に戻りJAL便が出るコンコースとは反対側のコンコースへ行き、スターバックスでコーヒーを買い、コンコースのベンチでハワイ最後のコーヒーを味わう。そういえば、昨年の一人旅でも同じことをしたっけ、とか思い出しながら妙に感傷に浸ってしまうのは歳をとったせいだろうか。

いつまでもここにいても仕方ないので、JALのコンコース(ダイヤモンドヘッドコンコース)側に戻り、途中のアイスクリームショップで、コナコーヒーアイスを買い($4.04と高い!)、妻と二人で食べる。量が多かったのだがなかなか美味しいアイスだ。

ハワイといえども、アメリカだから食文化に関しては正直に言ってかなり貧弱なことは否めない。はっきり言えば、旨いといえるものはほとんど無い土地だが、フルーツとアイスクリームとパイとフレッシュジュースは美味しい。あと、どこのレストランでもクラムチャウダーは美味しい。実際問題、これ以外はみなとんとんといってよく、雑誌などでいろいろ紹介されるが、みなほめ言葉は大なり小なり誇張にすぎず、そこそこの五十歩百歩だと思う。これはハワイというかアメリカには独自の食文化というものが存在しないことにも大きな原因があるかもしれない。

日本、中国、韓国などはその程度はともかく、多くの土地でそれらの料理を見かける。とくに中華料理は世界中どこへいっても食べられるようで、彼らのパワーのすごさには頭が下がる。日本料理だっていろいろバリエーションはあるにせよ、やはり世界各国で日本の料理にお目にかかれることがあるというのは、そこに独自の食文化があるからであり、私たちはそれを大切にすべきだろう。アメリカ(北米)のように、独自の食文化をほとんど持たない国に比べたらなんと幸せなことか。

そんなことを考えながらこの8日間の思い出が走馬灯のように頭をよぎり、友人達の笑顔も思い出され、後ろ髪を引かれる思いでJL75便に乗り込んだ。

成田

JL75便は定刻より30分ほど早く成田に着いた。しかし、成田空港というのは着陸してから空港を出るまでになんと時間がかかることか。

まず滑走路に着陸してからゲートに付くまでがとんでもなく長い。特に第二ターミナルは滑走路から、第一ターミナルを挟んで反対側にあり、直線で計っても地図上は2km以上あるから、時間がかかる。その上、夕刻にはゲートがふさがっていて空くのを待ったりすると、なお、時間がかかってしまう。

さらに、成田空港はバゲッジクレームで荷物が出てくるまでが恐ろしく長い。入国審査の列で待たされた後でも、まだまだベルトコンベアが動く気配すらないことが多い。そして荷物を引き取って、税関の列に並び、ようやく外に出られる。滑走路に着陸してから、ここまでいつもおおむね一時間近くはかかっているのはいいかげん嫌になってしまう。ハワイでの楽しい思い出もこの成田で吹き飛んでしまうというものだ。

ともあれ、今回の旅も無事終了し、友人夫婦二組とも楽しい時を過ごすことが出来た。特にマウイで私たちに4日にわたり終日あるいは送迎などで付き合ってくれた友人夫妻には、心より感謝したい。本当にありがとう。

(第9日目終了)

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