第4日目 2 August 2004

Blue Mountains National Park

今日は日本から申し込んでおいたブルーマウンテンツアーの日である。申し込んだツアーはWild Blue Gum主催の「4WDで行く(野生の)カンガルーウォッチング&ブルーマウンテンツアー」というもので、妻子のためにも日本語ツアーである。

ホテルへのピックアップは7時45分と早いので、朝食は昨日購入しておいたクロワッサンやフルーツで簡単に素早く済ませる。ホテルのフロント前の玄関で待っているとやってきたのは、オーストラリアの自動車メーカーのOKAの14人載り4WDのツアーバスだ。今回の客は筆者たち家族だけだというので、貸切状態である。

Glenbrookにて野生の親子カンガルー発見

シドニーを西に出て一時間ほどすると、Blue Mountains National Park内のGlenbrookに入り車を止めてそこで軽くモーニングティーとなる。ここで野生のカンガルーを見ることができるのだそうだ。ガイド氏は園内備え付けの屋外テーブルにピクニックバスケットを置くと、周辺へカンガルー探しに出かけた。

筆者たちもついてゆくが、今日は珍しく姿が見えないという。だが、さすがガイド氏、子供を袋に入れて少ない草を食んでいる母親カンガルーを見つけた。母親カンガルーは神経質になっているし、オスのカンガルーの中でもひときわ大きく目立つものは力もかなり強いので、あまり近寄らないようにといわれている。遠くから、うーん、10m少々くらいだるか、見ていると時々こちらを見るが、また一所懸命草を食む。

今年は雨が少ないので餌となる草も少ない
Glenbrookのピクニックエリアは広くて気持ちよい ピクニックエリアでティータイムの準備をするガイド氏

Koala parkのカンガルーは数も少ないし動き回れるスペースは少ない。CairnsのWild Worldのカンガルーは数も多くて相対的に場所も広いので、それなりにのびのびしているが、いずれにせよ人間になれて暢気にしていることには変わりない。ここでも、数が多ければそれなりに凄い風景になるとは思うが、本来なら冬場でも芝が青々としているというこの場所も、今年は雨が少なくてカンガルーの餌も少ないからカンガルーも見かけることが少ないという。

だが、このGlenbrookに入る途中では2〜3箇所でカンガルー数匹をそれぞれ見かけており、車の音に警戒するかのように皆が立ち上がって耳をそばだて音のする方向を見ていたのが印象的だ。このあたりはやはり動物園のそれとは違う…って当たり前。

Three Sistersの伝説

モーニングティーを終えてGlenbrookを出たのが9時40分。ここからしばらく車を走らせて次に向かうのがThree Sistersだ。はっきり言えば自然の造形でたまたま三本の柱状の岩が巨大に天空を目指すがごとくそびえたっているのを、女性三名の姿になぞらえたらしい。

これが Three Sistersだが、どうみても三つの岩にしか見えない
Three Sistersの展望台 Blue Mountainsがまさに青く輝いている

当然それにまつわる伝説も一杯あるわけで、ガイド氏から紹介された伝説の一つが次のような話。

昔この地域に三人姉妹と父親が住んでいた。父親は魔法の杖を持っていた。皆は幸せに暮らしていたが唯一の悩みは魔物がその谷に住んでいることだ。あるとき、ひょんなことで姉妹の一人の投げた石が谷に転がり落ちて運悪く魔物の巣へ転がって気持ちよく寝ていた魔物を起こしてしまった。怒った魔物が娘たちを襲おうとしたので、父親が娘を守るために魔法の杖で娘三人を岩に変えた。その後魔物は父親を狙ったため、父親は自分に向けて魔法をかけて鳥に変えた。だが、そのとき魔法の杖をなくしてしまい、娘たちは人間に戻れなくなって今でも魔法の解けるのを待っている。父親は今でも杖を探してブルーマウンテンを飛んでいる。

そんな話を思い出しながら、見学を終えてスリーシスターズを出たのが、11時5分。

Scenic World

次に向かうのはScenic RailwayとScenic Skywayだ。ここには傾斜角世界一(50度を越える)トロッコ列車と、絶景のロープウェイが二線あるが、そのうち一つ(スカイウェイ)は現在リフレッシュ工事中。というわけで、ガイド氏オススメのコースが、Scenic Railwayトロッコ列車)で下まで降りて、15分ほどのボードウォークのあとロープウェイ(Senicsender)で上って戻ってくるというもの。この逆のコースを使っても良いが、やはりあの体感的には垂直に近いトロッコ列車で下ることだろう。というわけで、ガイド氏オススメのコースを取る。時間を有効に使うために、私たちがトイレに行っている間に(下のほうへ降りるとトイレはない)チケットを代理購入してくれる。

さて、このトロッコ列車。SkyperfecTVのトラベラーズイングリッシュという番組でも見たけれど、いや、時間にすれば2分程度の乗車時間で速度も十数km/h程度だが、椅子から前のめりで転がりそうだというのもあながち大げさではないくらい凄い傾斜だ。下に下りてしばらくまっていると次の回のトロッコが下りてくるが、やはり女性の叫び声が聞こえてくるのはちょっと楽しい。子供に言わせると眼鏡が取れて前方にすっ飛びそうだったということだ。

ここからSenicscender(80人乗り大型ロープウェイ)の駅までボードウォークを散策する。このボードウォークはよく見ると土台が鉄骨で組まれていて、ちょっとなんだかなぁ、うさんくさいというか自然無視というか…。ボードウォークから外れるなというが、少なくともボードウォークの筆者の歩いた部分は鉄骨で高く組まれていてそこから外れて歩きようがない。外れたらおっこちてかなりの怪我をすること間違いない。とにかく尾瀬あたりのそれとは全然違う。ちょっとがっくり。だが、ここを五分も歩くと手が冷たくなってきて気温の低さを感じる。

今日は晴れて風もなく気温も高いのだが、さすがに谷のほうは寒いくらいだ。アンダーシャツに厚手のシャツ、ハーフジップのセーターの上に裏がフリースのパーカーを着ても決して暑くは無い。

Senicscenderを待っていると最初は筆者たちと他に2〜3名しか居なかったのが、いつのまにか韓国人の団体さんがきて、まあ、うるせぇこと、うるせぇこと、オーマイガッ!だから団体は嫌いなのだ。日本人の団体は比較的静かなほうだと思うが、韓国人とか中国人の団体はおそろしくうるさい。良い悪いは別にして正真正銘声高に喋りまくっているのは参った。なんというか、金タライに蟹を沢山入れたみたいにガサガサと…。うーむ…。

ゴンドラの下側のターミナル 写真だと傾斜の急さがわからない
速度は遅いが急傾斜なので怖い 昔はこうやって石炭採掘をしていた
炭鉱後 Senicscender
80人乗りで結構でかいゴンドラ 深々とした緑が美しい
Blue Mountainsの山々も美しい Seanic Worldの駅というかメインの建物

ロープウェイから見下ろす風景は絶景だ。グランドキャニオン(行ったこと無いけど)を小規模にして一面緑にしたらこんな感じになるかって例えると理解がしやすいかも。とにかく、美しいことは間違いない。遠くにかすむ山はユーカリの木から蒸散したユーカリ油の微粒子が空気中に漂い、それが光を屈折させて波長の短い青い光だけが遠くまで届き、山全体が青く見える(だからブルーマウンテンというのだそうだ)のは本当のことだった。デジカメで取ったら、マジで一面青なのはびっくり。(単純にホワイトバランスの問題だけではあるまい)

katoomba

次に向かうはようやくカトンバの街。ここでは自由散策(プラス自分でお昼)だ。車中でガイド氏が簡単な地図とお食事マップをくれた。時間は1時間半あるがオーストラリアンタイムの1時間半だから大しては無い。そこで手っ取り早くそこから選んだのが、中華のYOUNGS(ヤンズ)である。子供は、Special Fried Rice、妻はCombination Wangtong Soup(五目ワンタンスープ)、筆者がCombination Egg Noodle Soupだ。味は結論から言うと大変よろしい。ワンタンやヌードルも値段はAU$10ちょっとだが、具がタップリだ。ワンタンかヌードルかどちらが良いかといえば、ワンタンのほうが良い。やはり潅水の入っていない中華麺よりはワンタンのほうが美味しいし、ヌードルのほうは小麦粉の味がスープにしみてしまっているので、スープの味が落ちているのだ。落ちているとはいえ、ランチのチャイナとしては安価で美味しいのでオススメである。

Katoombaのメインストリート 中華のYOUNGS、結構美味

[昼食メニュー]

食事を終えて、PARAGONという店(チョコレート屋さんでガイド氏の強いオススメ)でばら売り(量り売り)のチョコを妻が選んで筆者が注文して(笑)購入。早速妻と子供が食べてみると「美味!」だという。やはりオススメだけのことはあるようなので、とりあえずここでもオススメしておこう。

ここにもアメリカ資本が… (K-Mart)

このカトンバの街には何故かK-Martがある。K-Martと聞けば妻子がほうっておくはずも無く、短時間だったが、K-Martへ入ってみるが大したものがなくて、結局ネスレのKitKat Biteを購入。目当てのTWEETY GOODSは無かったらしい。そりゃそうだろう、ここはアメリカじゃない、オーストラリアだぞぅ!というわけで、Katoomba終了。

ツアー終了

オーストラリア製のOKAの4WDツアーバス

これでツアーの工程は終了しあとは1時間半〜2時間ほどかけてCityに戻る。ちなみに、筆者たちはラッキーなことに14時に出て15時半過ぎと予定より早くついた。車を降りてガイド氏と握手をしてツアーは完全終了。

MYERとWestfield Centrepoint

ツアーは終わったけれど、一日はまだある。部屋に荷物と重い衣類を置いて身軽になって、Metro Light RailにのりTownhallまで向かう。目当ては夕食だ。Townhallで下りて、Sydney Towerの下のWestfield CentrepointのとなりのデパートMYERに入りしばらくいろいろ見て回る。イマイチ気に入ったものがないらしく、ウィンドウショッピングだけで下に下りてそのままWestfield Centrepointへ行く。

ここもそれなりに大きなショッピングセンターでありいくつか見て回るが特に買うものもない。階下に下りて妻待望のMuffin Brealで店じまい直前のディスカウントでMaffinが二個でAU$3 (通常は一個AU$2.80)を購入。フードコートへ行ってみるがすでに店じまい状態であらかた終わっている店も多い。MYERの下にもフードコートがあるがそこも同じ状態。ならば、TownhallにあるWOOLWORTHSでデリでも買って帰ろうということになった。

その前にMYERの地下に戻ってちょっと気になる100%ジュース($2.00)のappleを飲んだのだが、これが抜群の美味。オススメの一品であること間違いない。

WOOLWORTHSで夕食調達

WOOLWORTHSではイチゴやサラダとドレッシング、DELIコーナーでチキン(HONEY-SOY DRAM、SEASONED DRAM)、POTETO BAKEDなどを購入。ここは長蛇の列ができていて、次々に早口で客をさばいてゆく。五年前ならそんなところにならぶ勇気も無かったが、今はなんとかなるので平気の平左。一言一句100%もらさず理解しなくても、日常コミュニケーションなんてのはできるものなのである。冷静に考えるとわかるが日本語でも一言一句を聞き取って判断しているわけではないのである。

買い物の後そのまま地下直結のTownhallからCityRailにて戻った。このWOOLWORLTHSは駅直結という点で東京の池袋あたりのデパ地下に近いのかもしれない。勤め帰りのビジネスパーソンで店内はごった返している。それにしても買ってよかったのはMetro Light RailのWeekly PassとCityRailのTravelPassだ。

だが、一つ買い忘れたというかWOOLWORTHSでは発見できなかったのがお酒。仕方ないので、一旦部屋に戻ってから、徒歩五分くらいのHarbourside Centreへ行きそこにボトルショップがあるので、そこでワインとビール二缶を買ってようやく準備完了だ。

部屋での夕食

我が家の海外旅行はホテルルームとアパートメントルーム(コンドミニアム)の両方の経験があるし、筆者個人のい一人旅行でも同じだ。

今回もアパートメントで我が家の倍近い広さの部屋でダイニングでワインを傾けながら食事ができる。食事のデリやワイン自身は安いものだが、高価なレストランの食事では味わえない楽しさがある。

旅先でありながら家族揃っての自宅での夕食の気楽さ・暖かさがあるし、何よりゆっくり食べられる。特に今回は印ルームランドリーもあるので、先にシャワーを浴びて洗濯機を回してしまい、その間に楽しく食事ができるなんてメリットもあり時間を有効に使える。

こういう楽しさが味わえるのがアパートメントの最高にいいところである。

[夕食メニュー]

(第4日目終了) 

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