現地第三日目 (2005/5/7[土])
天候:早朝は小雨、あとは晴れ時々曇り

土曜日の朝

6時半にセットした目覚ましで目が覚めた。Apartment備え付けの目覚まし(はっきりいってホテルの奴とか筆者は信用していない)と、持参の愛用旅行用目覚まし、そして携帯のNokia 3120のアラームを同時刻にセットしたが、真っ先になったのは愛すべきNokia 3120のアラームだった。

それにしてもこのベッドは寝心地が良い。毎日歩いていて体が適度に疲れているせいもあるが、非常に快適に眠れる。ベッドから出て外を見るとなんと一面曇りである。バルコニーへ出てみると曇りどころか小雨(霧雨に近い)が降っていることがわかって愕然。今日はちょっと遠出しようかと思っていたのだ。

いずれにせよ宿に篭るわけではないので、いつもとおりマギーのカップ麺で朝食だ。袋麺も買ったのだが、考えてみたら鍋はあるけれど丼があるわけもなく、適度なサイズのボールもないのでまだ食べられずにいる。このままゆくとお持ち帰りになりそうな予感。カップ麺とジュースで簡単な朝食を済ませて、戸締りなどを確認して出かける。

[朝食メニュー]

Spring Hill Mewsは、ホテル形式ではなく本当のアパートメント形式で、日本で言うとビラなんちゃらとかに近いものがある。一階だからバルコニー(二箇所ある)はどちらも駐車場に面していたりするので、戸締りを忘れない。ここの戸締りは網戸(といっても網のほかに金属製のちょっと頑丈っぽい格子が入っているもので、片側だけ開くガラス扉に重なるようになっていて、それ自身にも錠前が付いている)と扉の両方の錠前をロックしていることなどを確認。電気のスイッチなども確かめて部屋を後にするが、やはりちょっぴり肌に時々雨があたる。しかし、空は明るくなってきているので期待が持てる。

Central Station

Central StationでIPSWICHまでの料金を調べるとZONE7なのでZONE3までのWEEKLY TICKETは使えないから、ZONE7までのOFF PIEAK DAILY TICKETをAU$6.60で購入する(片道だとAU$4.00)。自動券売機は小銭しか使えないので要注意というところで、幸いにも両替機がCentral Stationにはあるのでこれで両替。

実は筆者より前に中学生らしい子供がAU$10札を両替しようとしていて、何度入れても札が戻ってくる。困った顔で振り返って後ろに居た筆者の顔を見るので、"I'll try." (じゃ、私がやってみよう) といって筆者は自分のAU$10札を入れると一発で認識してAU$2コイン五枚が出てくる。その子、やや驚いて "Why!?" (え〜、なんでぇ)。んなこといったって良くある話だわな、特に外国の両替機とか自動販売機はさぁ。"Try another note."(別の札で試してごらん)というと、AU$20札をだして今度は両替できたらしい。ちなみに札はイギリス英語でnoteですな、billとは言わん。

Ipswichに向かって

さて無事切符も買って(この切符で今日は休日なので丸一日ZONE7までの範囲は乗り放題だ)8時6分発のIpswich線に乗る。行き先は所要時間52分のIpswich市。実はここは東京の練馬区と姉妹都市提携を結んでおり、練馬区の公立中学の生徒とIpswichの生徒は毎年何名か交換留学をしているのだ。

筆者は留学とは無関係だが、練馬とは少なからぬ縁もあるから、IpswichがBrisbaneからさほど遠くなく電車で行けることを知り、是非訪ねてみたかったところだ。さらに姉妹都市提携を記念して、ここのQueens Park内にはNerima Garden(練馬ガーデン)というものが昨年末近くに完成したというのでなおさら見たいわけだ。

さすがに50分少々乗ると乗り応えがある。土曜の朝9時過ぎで反対方向だから電車の中も結構空いている。途中、Sherwoodというところ(Zone3)には駅舎に "Sherwood Arboterum"はここで下車!と書かれていた。そのまま解釈すればシャーウッド森林公園というわけか。駅から歩いてもさほど距離はなさそうなところが、一人で行って面白いとも思えない。天気の良い日にピクニックがてらくるのがよいような場所かもしれない。電車は9時前に定刻どおりIpswichに到着。

Ipswich

Brisbaneを東京23区とするなら、Ipswichはさしずめ立川か八王子といったところ。Ipswich線でCentral駅を出て二箇所ほどのショッピングセンターのあるところ(Toowong駅とIndooroopilly駅)を過ぎると、後はちっぽけな無人駅が続き、乗車時間52分後に久しぶりに大きな駅になるがそれがIpswich。

駅の改札を抜けると、日本でもよくあるように通りを挟んで向こう側にショッピングセンターがある。とりあえずショッピングセンターは目的ではないので、空港でもらったIpswichのパンフレットの小さな地図を頼りに、まずはQueens ParkのそばにあるVisitor Informationに行ってみる。

朝早くて人が少ないショッピングセンター 青空に美しい教会
IpswichのCBDを望む Visitor Information Centre

道順は簡単で駅を出たら左に折れて突き当たるとそこがBrisbane Streetなので、そこを左に折れて途中右手にCOLESを見ながら10分弱歩くと公園が見えてくる。そのまま道なりに進むとやがてVisitor Informationが見えてくるので、ここに入ってみる。

中にはおばあちゃんの係員が居て、"Hello, may I help you?"と声を掛けてくるので、"Good morning, I'd like to go to Nerima Garden."というと、地図があるのでそれで説明してあげるわという。練馬とIpswichは姉妹都市で自分は練馬にゆかりがあるものでブリスベンに遊びに来ていて、どうしてもIpswichと練馬ガーデンが見たいのだというと、それはまあ!と大層驚いていた。ここでIpswich市のロゴ入りフリッジ・マグネットを見つけてAU$3.55で購入。これはここにこないと買えないぞ。

部屋を出たときには一面の雲だったが、途中少しずつ晴れてきて、IPSWICHに到着したら雲はあるものの晴れ間に浮かぶ雲になっていて日差しは強く暑い。出るときは肌寒かったのでジャケットを持ってきたが、とても着ていられない。Tシャツ一枚でもいいくらいだ。

練馬ガーデン in Ipswich, Australia

練馬ガーデンのとなりには、Nature Centreもあるのでそこも見て行くと良いと教えてくれたが、その前に喉が渇いた。公園内唯一の売店・カフェをみつけて、そこでDIET COKEのボトルを購入。AU$2.50。

ここまで駅から15分ほど 唯一の売店

Nature Centreは直ぐ分かったが、練馬ガーデンがちょっと分からなかった。しばらく地図を見ながらうろうろして、いきなり日本っぽい門と塀を発見。おお、これが!門には「練馬園」と書かれてあるが、これを読める地元の人はまずいないだろうなぁ…。Queens Park、Nature Centre、練馬ガーデンは全て入場無料。どこも閉まるのが4時頃と速いので、とにかくオーストラリアでは早起きして早く行動するのが一番だ。

Nerima Garden入り口の門
岩波元区長の名前が見える 園内には誰も居ない
静かで気持ちよい
ブリスベンであることを忘れてしまいそうだ

中に入ると、完全な日本庭園というわけでもなく日本庭園を西欧風にアレンジしたらこうなるかという感じ。さほど広いわけでもないが、朝はやいせいもあって誰も居ない。誰か居たら声でもかけて話をしてみようかと思ったのだが、誰もいなくては仕方ない。園内を一周してもすぐに終わってしまう程度。練馬に縁のない人にはどうでも良い場所だが、練馬が好きな人や縁がある人ならぜひ訪ねたいのがこのIpswichだ。

Queens Park Nature Centre

次にNature Centreに入る。ここも大して広いわけではないが、さすがオーストラリアだけあって、カンガルーとディンゴとワラビーとウォンバットはどこの動物園に行っても必ず居る。

ここはカンガルーには触ったり出来ないが、滅多に見ない東洋人を見てカンガルーも不思議な顔をして互いに顔を見合わせていた。


「ねぇねぇ、あのおっさん、ほら、あの東洋人、あれ何人かな?」
「フィリピンかな」
「中国かな」
「東南アジアのどこか?」
「日本人……じゃないみたいだな、中国人って顔でもない」
「不思議な奴だな、ここで東洋人を見たのって、いったいいつの話だっけ」
「いつだろう、去年練馬ガーデンができたときかな?」

そんなカンガルー同士の話が聞こえてきそうだった。

Ipswich駅前のMall

練馬ガーデンとNature Centreだけが目的なら一時間もあれば見てしまえる。あまり長く居ても暑くなってきたので、CBD(Central Business District)のほうへ戻る。シドニーやカナダのトロントでもそうだったが、新しい町並みの中に古い建物が混じっていてそれが不自然ではないのだ。こうゆう新旧渾然としているところが大好きだ。ブリスベンだってシティホール(実は筆者はその昔。シティホールとは公民館かと思っていたことがあってネイティブと何か話が合わないなと思ったらとんだ勘違いだったってなことがあった)は古いが勇壮で美しい建物であり、市のランドマークでありicon(シンボルマーク)もある。同様にニュージーランドのクライストチャーチはカセドラル(大聖堂)がそうだ。ブリスベンもそうだが、ここでもPost Officeの庁舎は何故か古い建物だ。

ブリスベンのQueen St. Mall周辺は観光客がそれなりにいるが、さすがにIpswichにはそれらしいのは皆無である。それどころか東洋人の気配すらほとんどない。どこにでも居る中国人もさすがにここでは見かけない。みな、オージーの地元っ子らしい人ばかり。

駅のそばのMallに行くと、11時を回っていることもあって人通りも多かったがモールそのものは中央部が工事中なのでQueens St. Mallのようなわけにはゆかない。途中でディスカウントのカジュアルウェアショップを見つけて、シャツを見てみるが手ごろな値段で手ごろなものがない。フットウェアの店も見てみるがやはりムートンブーツはAU$50くらいするところもあり、安くてもAU$30ほどなので、Kマートのは安いわ、やはり買おうかな、などと思っているうちに時計を見ると、あと10分ほどでCITYのほうへ向かう電車の時刻だ。

CITYへの電車

11時40分初のCITY方面行きに乗る。今度は順方向(笑)ちうこともあって、駅に止まるたびに車内が混んで来る。オーストラリアの電車でよく見かけるのが座席に新聞が放置されていることが多いこと。日本でも網棚の上に放置などされて大抵はゴミになってしまっているが、オーストラリア(シドニーでもブリスベンでも)では、自分の手時かなところに放置新聞(報知新聞じゃないぞ)があれば悪びれずに手にとって読み始める。読み終わるとたたんで席の横において車輌をおりる。網棚がないということもあるが、新聞が読み物として再利用されている風景はちょっとほほえましい。これが東京でみると「いじきたねぇなぁ」とか思うのだろうなぁ、オーストラリアやニュージーランドに来ると時間がゆったりと流れていて気持ちもおおらかになるが、東京に戻るとまた忙しくとげとげしい自分に戻ってしまう自分、忙しさにまぎれて気持ちのゆとりもなくなっている自分に気づくのは日本を離れた時だ。そういう心のゆとりがなくなっていることに、気づくのはやはり重要だと思う。筆者が一人旅にくる理由の一つがここにある。

Toowong

さて、電車はToowongについたので例によってここで下車。今回はToowong Villageの外へ出てみるが、ここはToowong Villageの外へ出るとめぼしいものはWoolworthくらいしかない。

腹も減ったし昨日は贅沢したので、今日は質素にToowongのフードコートの"TWO WONGS"というチャイニーズの店で、"SELF SERVE BUFFET (LEARGE)"にしようと思う。さてここでの注文はどうするのかなと思っていると、端っこに使い捨ての皿があり、それを勝手に取って勝手にいろいろ持って、レジで金を払うのだ。お腹が空いていたので野菜や魚、肉類を沢山とる。この手の店の常として味が濃すぎるのが難点だが、野菜がタップリ取れるのはよろしい。料理がAU$7.50でオレンジジュース(瓶入りのSmall)がAU$2.05であわせてAU$9.55でした。とりあえずいつもの一人旅の味で満腹(笑)。

[昼食メニュー (Toowong Viilage内TWO WONGS)]

そういえば、シャンプーとリンスを買ったのは良いが持ってかえるとしたら口を塞がないといけない。妻からの依頼によるパルモリーブ(洗剤)も口を閉じないといけない。100円ショップで買ったセロテープを持ってきたがこりゃひどいわ、使い物にならない。ってわけで、ToowongのKマートでセロテープを購入(AU$2.50)。ついでに紳士用のムートンブーツを見るがやはり安いわここは。勝手帰っても半年ほどははけないわけだが、それでもいいじゃん、ってことで今度来たら買うことに決定、とりあえず今日は買わない。

BrunswickのMuffin Breakへ

さて、BranswickにMuffin Breakがあったから、そこでお茶にしようと、Toowongから乗ってそのままBranswickまで行く。改札をでると正面にあるのだが、あれ、ガーン、閉まっている!なんと!

土曜日昼間のフードコート内の店でも閉まっていることがあるんかい…ちょっとびっくり。

Brunswick周辺

しかたなく、ちょっと外を歩いてみることにした。今日は休日ということもあってモールにはいろいろな店も出ていて人通りが多い。ここでもディスカウントカジュアル衣料を見つけて入ってみるが手ごろなものはとくになく退散。

前回と同じ、JUICE ENERGYで今度はExtra-C(small)を注文しAU$3.70。何かというとパイナップル、キウイ、オレンジだがなかなかうまいっす。これくらいなら家で出来るわな。特に砂糖とかも入れていない純粋の天然果汁の美味しさ。

一息ついて時計を見ると、14時半ごろ。今日は土曜日でどこの店も、スーパーすら閉まるのがはやい。COLES EXPRESSもWEEKDAYは21時までだが土曜日は17時半、日曜日は18時で閉店だ。というわけで一駅だけ電車に乗ってCentralに戻る。

Queen St. Mallでお買い物

Queen St. Mallを歩きながら、みやげ物屋に入る。"AUSTRALIA THE GIFT"という店でTシャツ3枚(一応自分と妻と娘のつもりだが)とブリスベンの3Dフリッジマグネットを買ってAU$41.97。ひょっとして今回の滞在で一番高額な支払かも(宿代を除けば…だが)。

こういうMallをあちこち見ながらふらふらと歩いていると結構時間がたつのが速くて、すでに16時。いそいでMyer Centreへ行き、そこのCOLESで夕食を買う。何にしようかと思ったが、結局夕食は昨日の延長で、COLESのサラダ(今日はパスタサラダ)でAU$1.95、冷凍のラザニアがAU$3.89。他に頼まれていたアンザックのクッキーを偶然見つけ(他にはどこでも見なかった)、他にバナナ2本、妻のリクエストでコンチネンタルのインスタントスープ一種を購入。

さすがに今日はまだ明るくて17時前なので、宿のおばちゃんが教えてくれたショートカットを逆にたどる。TURBOT ST.を過ぎて階段を登り、さらに公園をつっきる道が上り坂、最後の止めが宿の前のBirley St.の急坂で、宿へ戻るとうっすら汗をかいて息が切れた。この宿、マジでいい運動になるな。

部屋に戻って

部屋に戻って、買ってきたものを写真に撮り、いそいでシャワーを浴びて洗濯を始める。この宿は事前に依頼がない限りはWeekly Serviceなのでちょうど一週間の滞在だと途中でタオル交換などもないから、ついでに宿のタオルも洗ってしまう。洗濯機と乾燥機があるから別段大した問題じゃない。洗濯が進んでいる間に夕食。

この冷凍のラザニア、赤い箱でMcCainというブランドのLasagne (improved new flavourと書かれているが)だが結構いける。電子レンジの強で8分ほどインストラクションどおりフォークでフィルムに穴をあけてあたためれば熱々のほかほかでいただける。これはなかなかいける。McCainってのは美味しいのか、それともラザニアだからいいのか…。なんせ普通の麺状のパスタはダメだな。日本の冷凍スパゲティなんてかなり凄い技術で作られていると思うことしきり。

[夕食メニュー]

さて、風呂も終わり、洗濯・乾燥も終わり、ズボンのプレスも終わり、この日記もまもなく今日の分は終わりだ。あとは自宅に電話して…と。それから明日の計画を練ろう。明日は天気次第だが、Australian Woolshedに行ってみようかな。電車だとFerny Grove Lineにのって終点のFerny Groveからすぐのはず。Zone3なので筆者の切符で行ける。あとでInternetを調べてみよう。

それじゃおやすみなさい。

(第3日目終了) 

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