「お替わりはいかが? 〜1288〜」

1999.01.12 (Tue) ==========================

□ ハワイ島紀行 〜10〜

5. 現地第五日目

(9) ボルケーノ

 今日は、いよいよハワイ島のハイライト、キラウェア火山、ボルケーノ国立
公園(VOLCANO NATIONAL PARK)である。

 キング・カメハメハ・コナ・ビーチ・ホテルのあるカイルア・コナから11号
線を南へ下ること車で約二時間半ほど走るとボルケーノである。途中小さな町
がいくつかあるが、あっというまに通りすぎてしまう。相変わらず道幅は狭く
路肩も狭いのに速度制限はカーブなどでは35マイル(時速56km/h)、普通は55
マイル(時速88km/h)と日本では考えられない。だが、日本のようにやたら低い
速度制限をかけて、けっきょく誰もそれをまもらないで、40km/hのところをみ
なが60km/hで走るようなことは、少なくともここではあまり見られないので、
オウンリスクでの現実路線といったところだろうか。

 さて、ボルケーノ国立公園に到着すると、車のゲートで入場料10ドルを支払
う。そしてそのままキラウェア火山の外周道路(CRATER RIM DRIVE)を一周する。
一口に一周といっても、途中小さな博物館や、景色を見たり、車から出てカル
デラを歩いたりしていると楽に一時間以上はかかる。一番大きなカルデラは直
径が1600m、深さは410mというとんでもない巨大なもので想像をはるかに超え
る大きさだ。

 ここは随所に見所はある、溶岩でできたトンネル(LAVA TUBE)というのもあ
り、ここは車を降りて歩いてあるいて入って行くのだが、なかなかのおもむき
である。火口近辺の死の世界から、一瞬にしてカウアイ島のように熱帯雨林の
ような光景に急変するのがすごい。それでも人間が住み始めて1500年をへて、
その熱帯雨林もだいぶ縮小し、絶滅した鳥もいるそうだ。

 一般のツアーだとおそらくこの外周道路(CRATER RIM DRIVE)だけで終わるの
だろうが、実は火山から一気に海のほうまで道路(CHAIN OF CRATERS ROAD)を
降りることができる。距離にして20数マイルを走り一気に1200m以上を下ると、
溶岩流が海に流れ落ちたところに出て、その上を歩くことがでる。ここから山
の方を見ると、溶岩が流れたところは黒々とした粘度の高い溶岩が冷えて固ま
っているが、溶岩から逃れた部分は緑が残っており、黒と緑のコントラストが
不思議な世界だ。地球上でもそうそうみられる光景ではないので目に焼きつけ
ておく価値は十二分にある。おそらく一生で一度ここでしか見ることができな
い光景だ。

 車を降りて溶岩のほうに向かうと、水の携帯などを忘れないようになどの諸
注意が大きく掲げられている。その側でちゃっかり水を売っていると思ったら、
実はパークレンジャーの人で、1.5Lパックで$1.25とまあ場所を考えればかな
り良心的である。これが民間の商売人だと$3.00とかはかたいであろう。ここ
で日本の日光へ行ったことがあるという米国人観光客としばらく話しをして、
その場をあとにした。

(続く)