「お替わりはいかが? 〜1295〜」 1999.01.19 (Tue) ========================== □ 豪華なホテルがお好き? 旅行代理店の店頭には年中ツアー旅行のパンフレットが並んでいる。年末年 始のピークを過ぎたら、二〜三月にかけては学生の卒業旅行、三月〜四月は春 休みの家族や学生の旅行が続くのだろう。その後は五月の連休、六月は梅雨で もありジューンブライドのハネムーナー以外は中だるみ、七月から八月はかき いれ時の夏休み、その後九月くらいには休みがちょっとずれている学生や独身 サラリーマンの波、そして十〜十一月は中だるみなのだろうか。ちなみに航空 会社の正規割引運賃は十一月あたりに価格の安値ピークがくることが多いらし い。 さて、私たちがツアー旅行を使うときは、ふつうは旅行代理店から海外旅行 のパンフレットを山ほどもらってきて、つらつらとながめて比べ、ガイドブッ クを買い込んで現地情報の一端を得るわけだ。それが初めて訪れる土地だと、 それが全ての情報、あるいはせいぜいインターネットなどによる断片的な情報 が全てになる。しかし、一度以上訪れた土地への再訪となると、それまでの旅 の経験から得た現地の生の知識が加わる。 私がこれまでに訪れたマウイ島やハワイ島(ビッグアイランド)へのツアー パンフレットを見ていると、そこに出てくる宿は現地でも最高級、もしくはそ れに近い高級ホテルがほどんどである。例えばマウイ島のカアナパリだと、ウ ェスティンとか、シェラトンとか、ハイアットといったホテルを価格帯で四段 階くらいにわけるなら、トップクラスのホテルが当たり前に並んでいるのにあ らためて驚かされる。ルームチャージにするとU.S.$300〜$400、あるいはそれ 以上のホテルであるから、冷静に考えるとこれは驚きである。 旅行代理店の商売としてみると、高い方が利幅も高い、一流ホテルのほうが 取引相手としても安心なのだろうか。そして利用者からみると滅多に行かない 海外旅行なのだから多少は贅沢をしたいし、宿泊単価を下げたところでその分 長く休みがとれて長期滞在できるわけでもない、というところかもしれない。 だが、それだけではなく、どうも日本人観光客は何から何まできちんとそろっ て美しい宿を求めるし、それだけの小金持ちでもあり、高かろう良かろうとい った先入観があるように思えてならない。その結果、米国人なら楽隠居した多 少金のある老夫婦とか、ある程度の収入水準のある上流階級達が主として利用 するひょうなラグジュアリクラスのホテルを、小さな子供を連れた家族ずれと か、若いひよっこ夫婦が利用するようになり、かくしてウェスティンとかヒル トン・ワイコロアのような高級の上クラスのホテルは日本人だらけになる。ま あホテルとしても、日本人客は無愛想で挨拶一つしないしマナーの心得もわる いが逆に酷く取り乱して周囲に迷惑をかけることも少なく、何より金払いがよ い。だから一般には日本人観光客への信頼度もそれなりに高かったりする。 良いとか悪いとか言ったことではないが、ツアーのパンフレットには高級ホ テル「だけ」が並び、現地の高級ホテルには日本人が過半数をしめるような事 態はどうも違和感を覚える。何か違うのではないか、そんな気がしてならない。