「お替わりはいかが? 〜1311〜」 1999.02.04 (Thu) ========================== □ E-55レポート 〜その6〜 通勤車中で文庫本を読む人は多いと思う。文庫本は小さくてかさばらずポケ ットにもはいり、なおかつ比較的安価である。混雑した車内で新聞を広げるよ りははるかに扱いやすい代物だ。さらに文庫本には古典的名作もあれば流行作 家のものもあるし、アダルト小説まであったりする。 実は、E-55でこの文庫本を読もう、というのが私のE-55を使ったたくらみの 一つで有り、現在それは大変快適に出来ている。文庫本の変わりである以上条 件がある。片手で楽にもてて腕を曲げて顔の近くで支えていても重量と大きさ が苦にならないこと。ポケットに楽に入ること。ページをめくるのに両手を必 要としないこと(大抵は片手は吊革とか鞄でふさがるものだ)。これらの条件 をE-55はクリアしてくれる。 サイズは良いとしてどうやって読むのか。KView(伊藤栄一郎氏作による、 http://www.oohito.com/ からダウンロード可能)というフリーソフトウェア を使えば、E-55上のメモリもしくはコンパクトフラッシュ上のテキストファイ ルの閲覧ができる。そしてスクロールはE-55側面のアクションコントロールで 出来るので、片手だけでファイル選択、閲覧、スクロールOKなのだ。 では、元の文章はどうするか? 著作権法の規定で作者の没後50年を過ぎた 作品は著作権が消滅する。これらの作品を有志が入力してインターネット上で 公開しているものがある。有名なところではエキスパンドブックのボエジャー が運営している「青空文庫」( http://www.voyager.co.jp/aozora/ )がある。 だが、当然の事ながら現存の作家のものは、作家本人(もしくは権利保有者) が公開を承知した物を除いて存在していない。それでは新しいものはどうする かというと、全部ではないが一部はCD-ROMの形で出版されている。新潮社が 「新潮文庫の100冊」というものを出している。定価は15000円で大きな書店と か、ソフトショップにならんでいるはずだ。これはエキスパンドブックの形で 収納されているのでテキストファイルに変換する必要があるのだが、そのため のソフトウェアなども存在していて、それらについては「A List of E-Text」 ( http://jcmac5.jc.meisei-u.ac.jp/etext-i.htm )に情報がある。あるいは、 検索サイトを「新潮文庫の100冊」というキーワードで検索してもいろいろな 情報が得られるであろう。 そんなわけで、今は藤原正彦氏の「若き数学者のアメリカ」、松本清張氏 「点と線」、スティーヴンソン「ジーキル博士とハイド氏」がメモリファイル に格納されている。これらを全部あわせてもたかだか700KB程度なのだ。PDAだ けではなく名作の文庫まで入ってしまう。これもE-55の特長といってよい。 (完)