「お替わりはいかが? 〜1314〜」

1999.02.07 (Sun) ==========================

□ 小学校とディケアセンター

 先日、偶然テレビで、私が高校生時代に住んでいた家の近くにある小学校が
映っていた。自分が通ったわけでも卒業したわけでもないので記憶には薄いの
だが、地名と学校名でぴんときた。

 私が住んでいたころは、まだ子供が大勢通っていて満員御礼状態だったのだ
が、今は少子化が進んできたのかクラスも減って空き教室も増えてしまってい
るのだという。その空き教室を有効利用するということもあって(もちろんそ
れだけではないとは思う)、小学校と老人のディケアセンターを同じ敷地内、
同じ建物内に作ったようだ。小学校の近くに老人ホームを作ったりディケアセ
ンターを作ったりしてるところは他にもある。どこだったか記憶が蘇らないの
だが、東京都にもあったように思う。

 昔、私が小学生のころは、三世代同居などは別段めずらしくなくて、実際私
も子供時代の多くを、両親だけではなく母方の祖父母と共に暮らした。当時は
(あるいは今もかもしれないが)、祖父母と共に暮らすのは別段めずらしくな
い一方で、「おばあちゃんっ子は三文安い」とかいって、祖父母に甘やかされ
て育つのはよろしくないとかって、公団賃貸住宅が多くなってきたこともあっ
て核家族化が進み始めてきた時代だ。私の祖父母、特に祖母は後から思うと躾
には非常に厳しい人らしく、後日母から聞くところでは、食事時にはいつもき
ちんと正座して座っていたそうであり、それも母や父から言われたのではなく、
祖母がそのように躾けたらしい。そのせいか、私は宴会などでも足を崩すのが
未だに苦手である程度は正座しているほうが楽である。

 それはともかく、今の子供達、これは我が家の娘も含めてであるが、普段祖
父母とは一緒に暮らさないから、老人との接し方を知らない子供が多い。祖父
母と共に暮らし、人が老いて行く様をその眼で確かめつつ、やがて命の火が消
えるのも見届ける。人が生まれてそして死んで行くことを見るのは決して悪い
ことではない。人が生き死ぬことはどういうことなのかを幼いころから知るの
は大切だ。

 核家族化が進んだ現在、特に住宅事情劣悪な大都市やその近郊では三世代同
居は困難だ。そういう意味で小学校と老人施設を同居させるというのは、むし
ろ家族に負担をかける三世代同居より優れた案だと思う。私個人は娘に親の面
倒などみさせる必要はまるっきり考えていないし、親は子を育てる義務はある
が、子は親の老後の面倒をみる義務はないという考えだから、こういう施設が
ふえるのは賛成だ。子が親の面倒をみる必要がない、というのはいろいろ意見
もあろうが、いずれ私の考えも書いてみることにしよう。