「お替わりはいかが? 〜1318〜」 1999.02.11 (Thu) ========================== □ ダイオキシン騒動 すでに新聞・雑誌・テレビなどのマスメディアで報道されているとおり、テ レビ朝日のニュースショウ中で報道された埼玉県内で栽培されている野菜につ いての、ダイオキシン残留量が問題になった。騒ぎのもととなったテレビ朝日 のその場面は見ていなかったし、現実にダイオキシン残留量に関して他県・他 地域と多くの側面での客観的かつ同条件での分析調査データが存在しない以上、 どこが多いの少ないのといっても無意味であるし、発ガン性が確認されている とはいえ摂取量との関係や他の摂取物との因果関係も解明されていない以上、 やたらにさわぐのは愚かな事だ。もちろんだからといって安全であるわけはな く、危険であるという学者の指摘を頭から無視するのはこれまた愚かなことで ある。 ここで私が指摘したいのは、マスコミの報道姿勢である。昔からある局が何 らかの失敗をすると、他局はまるで鬼の首でもとったか、戦国時代なら敵の大 将の首でもとったかのように騒ぎ立て非難するのが少なくないことである。今 回も例外ではなく、多くの局は多かれ少なかれテレビ朝日をやり玉にあげてい る。もちろん、こういった姿勢が全て悪いわけではなく、これがマスコミ全体 の報道の質を向上させることになんからの影響があるのは確かであろう。とは いえ、やはり一方的にやり玉にあげるだけのマスコミが多いのには腹が立つ。 別に、私自身および私の親族や友人はだれもテレビ朝日の関係者ではないのだ が、自分も同じ立場のマスコミでありながら、自己の反省無くして他人の間違 いだけをやり玉にあげるやり方は好きではない。同業者の他人の過ちや暴走は すなわち自社にもおこりうる話であり、現実に過去をひもとけばそういう過ち が存在しないマスコミなどそれこそありえないのではないか。 競争相手だから自分はどうあれ、商売のため、自分が生き残る為には相手を 叩きつぶすというのは、これは競争原理に照らし合わせると全く正論である。 しかし、マスコミという立場、自分が世の中に与える影響の大きさというもの に考慮すべきだろう。客観的な証拠を具体的な根拠を持って示さずに、非難だ けするというのは、無能であることを自ら示しているようなものだ。政治の世 界でもある種の政党は、他党非難に終始し自らのビジョンを具体的に示すこと がほとんどないようだが、私に言わせればそれと同じくらい愚かなことである。 マスコミは所詮自分の都合の良い報道しかしない。これは歴史を見てもあき らかであることを私たちは再度認識すべきで、こうした報道に踊らされないよ うな自分なりの情報網をもち、さらに情報選別能力を身につけないと、マスコ ミにおどらされるだけだ。マスコミは利用されるものではなく、利用するもの だ。