「お替わりはいかが? 〜1331〜」 1999.02.24 (Wed) ========================== □ 家を買うということ 〜2〜 次に私が驚くのは、メンテナンス費用や月々のローン以外の費用のことをあ まり考えないで飛びつく人が結構多いことだ。「形ある物はいつか壊れる」と いうが、家とて例外ではない。 マンションにせよ一軒家にせよメンテナンスフリーの建築物など現時点では 存在しない。大抵は五年単位で小規模な補修が必要になり、十年単位で大規模 な補修が必要になる。たとえば木造モルタル一戸建てでは、外壁の吹き付けや 塗装が必要になるし、マンションでも外壁やバルコニーなどの金属部の塗り替 えが必要になる。さらに給湯器などの設備も老朽化する。十年位するとこんど は屋根の手入れが必要になる。とにかくマンションにせよ一戸建てにせよ維持 には金がかかるのである。 この維持をこまめにやらないと、本当にどうにもならなくなったときの修繕 費用は莫大なものとなり、地道にこつこつと補修していたほうがずっと安くな り、建物へのダメージもずっと小さい物になる。 マンションなどのパンフレットをみると管理費と修繕積立金というものがあ る。物件価格の高騰にともないこれらの金額が異様に安い物件が増えた。最初 の時点での見かけや上っ面の設備だけは豪華にしてあり、価格の高さをつくろ っているが、本当に重要な管理や修繕はまったくかんがえられていない物が非 常に多いのは要注意だ。 常識的に考えるとわかることだが、管理費というのは共有部分の維持管理に あてられる費用で、人件費や委託管理料、水道や電気代などの諸費用のことで ある。当然の事ながら、まめにきちんと管理しようとすると当然人件費もかか るし他の費用もかかる。だが、管理らしい管理は何もせず、廊下やエレベータ の電気代だけの支払いにあてておけば安くて住むが、住居としてはどんどんス ラム化してゆくのは必至だ。 もう一つ修繕積立金が何千円などという物件がほとんどだが、あれで修繕が まかなえるとおもったら大きな誤りだ。そんな甘い考えをしている人は一戸建 てにせよマンションにせよ買うのはやめたほうがよかろう。たかだか何千円の 積立てだけでマンションの修繕がまかなえるほど日本の物価は安くないのであ る。 (続く)