「お替わりはいかが? 〜1339〜」

1999.03.04 (Thu) ==========================

□ Palmsize-PCとPalm/Pilot

 PDAと言った場合、日本でシェアトップはなんといってもシャープのザウル
スであろう。良くも悪くも市場の独占に近い状態だ。これが米国になるとどう
なるかというと、どうやら3ComのPalm/Pilotであるらしい。Microsoftが開発
したWindowsCEのPalmsize-PCはどかというと、日本でも米国でも大したシェア
は占めていないし、猫の目のようにかわるMicrosoftの方向性が見えないから、
今後どこまでPalmsize-PCが続くのは非常に怪しいのではないか。

 内容的にはどちらにもメリット、ディメリットがある。標準ソフトウェアに
ついていえば、Palm/Pilotのそれははっきりいってかなりシンプルである。特
にPIMについてはPalmDesktopのそれは恐ろしく単純である。シンプルあるいは
単純というのは高機能なPIMからみてそうだということであり、紙の手帳の代
わりに単純につかうだけならそれでも十分なのかもしれない。このあたりは個
人密着型のソフトウェアだから嗜好やライフスタイル、仕事によってかなりこ
となるから一概に良いとか悪いとか言えない。

 WindowsCEを搭載したPalmsize-PCの良さは、Windows95/98/NT4.0を搭載した
PCとの相性の良さである。クレードルによるケーブル接続あるいは赤外線で
PCと接続した状態では、PCのほうからPalmsize-PCのフォルダ構造やファイル
が見えるから、原則としてPCのハードディスクと同じように扱える。しかし、
その一方でWindowsの癖を引きずっているのかわからないのだが、実行用メモ
リの食い方が非常に荒い。内蔵アプリは起動したら狩猟することは出来ないし、
起動にも時間がかかる。CASSIOPEIA E-55では16MBメモリだが、実際のところ
これでぎりぎり最低限といってもよい。Microsoftが得意とするリソース(資
源)の大食いである。

 一方Palm/Pilotは68000系のCPUを使いPalmOSというOSの管理下で動いている。
WindowsCEはメモリを実行用のメモリと、メモリディスク(RAMディスクといっ
たほうが通じやすいか?)として使っているが、PalmOSは全部がメインメモリ
であるようでメモリファイルといった概念がない。従ってメモりが有効に使え、
現在の最新機種であるPalmIIIx(あるいはWorkPad)では4MBのメモリでPIMだけ
であればとうてい使い切れないほどの領域となる。Palm/Pilotの特長はその動
きの軽さである。これは最新のザウルスがやっと追いつけるほどの動作の軽さ
であり、とてもヘビーなCEからは考えられない身軽さで、PDAに必要な電源を
いれて、すぐにどのツールでも使えるという条件を確実に満たしている。

 標準状態の機能ではPalmsize-PCが上であるが、動作の軽さではPalm/Pilot
が上である。どちらもどちらである、