「お替わりはいかが? 〜1350〜」

1999.03.15 (Mon) ==========================

□ 車椅子で鉄腕ダッシュ

 日本テレビで毎週日曜日午後七時から「鉄腕ダッシュ」という番組が放送さ
れている。昨日(十四日)の放送の中に「車椅子で大都会をすすめ」とという
サブタイトルのチャレンジがあった。これは足に怪我をした男女二名がTOKIO
の国分太一君と、山口達也君それぞれの付き添いで、新潟県から東京、横浜ま
でゆき新幹線やバスを使って観光・食事・土産の購入をするというものであっ
た。

 結論から言うと番組で放送された部分はかなりスムーズに進んでいた。見た
方はわかると思うが、放送された部分を見る限り障害は勿論あったのだが、太
一君や達也君の努力、タクシーの運転手氏やバスの運転手氏、JR等の駅員氏
や周囲の方の協力があったからなのは言うまでもない。

 今、自分が突然車椅子の世話になることになったとして、朝起きてから身支
度を済ませ、自宅を出てから勤務先の自分のデスクにつくまでに、どれくらい
の障害があるだろうか。あるいは自宅からいつも買い物に行くスーパーや本屋
へいって帰ってくるまでにどれくらいの障害があるだろうか。あるいはちょっ
と買い物へゆくために都内もしくは最寄りの大型デパートで買い物をして食事
をして帰ってくるまでにどれくらいの障害があるだろうか。車椅子で乗り越え
られる段差は介助無しでは二〜三センチほどが限度だそうで、数センチを超え
るような段差を一人で超えるのは相当困難らしい。まして階段などが論外であ
るのは言うまでもない。スロープがあったとしても、徒歩では何でもないよう
なスロープでも車椅子では登りにはかなり辛く、下りはかなり危険なことも多
い。日本の建築文化の特長として地面から上がったところに床をつくることが
多く、これがバリヤーになることが多い。

 さて、身近なところで自宅で身支度をしてから勤務先の自分のデスクにつく
までを思いおこして頂きたい。あるいは明日の朝出勤するときに注意してみて
いただきたい。先に書いたようなバリヤーが数多くある筈だ。あるいは駅前の
歩道の放置自転車で本来なら楽に通れる車椅子も通行止め状態で、やむなく車
が多く通り危険な車道を通らざるを得ないかもしれない。これが通勤ではなく
旅行などでも状況は同じだろう。

 そうやって自分の周囲を見回すと、いかに車椅子で外出することに対しての
バリヤーが高いか、特に人が集中する都心なり観光地なりではそういう配慮が
残念ながら皆無に近いか、よくわかるだろう。ちなみに、私が気に入っている
マウイ島やハワイ島では米国人の車椅子観光客を当たり前に見かける。注意し
てみるとホテルやレストランにはバリヤーが非常に少ないのだ。これは日本の
観光地のホテルやレストランとは雲泥の差と断言できる。個々の施設をみれば
かなり行き届いた配慮があるところもあるが、全体的には日本の都会は相当お
そまつといわざるをえない。

 いくら経済が豊かになっても、こうしたインフラ面が改善されない限り優し
い街作りの国とはいえまい。