「お替わりはいかが? 〜1352〜」 1999.03.17 (Wed) ========================== □ WorkPadとE-55の欠点 〜1〜 先日までに書いたWorkPadとE-55の比較シリーズの補足である。一連の雑文 では某雑誌での比較記事があまりにも馬鹿馬鹿しく実用の現実を無視したもの だったので書いてみたのだが、あまり欠点には触れていない(だからといって 長所にもあまり触れてはない)。 まずはE-55の欠点である。端的に言えば三つある。一番大きな欠点で致命的 となりうるのが動作速度である。私の場合、投げつけるほどではないとは思っ たがそれでも耐えられる限界であり、何かするたびに砂時計が出て待たされる のは困ったものである。シチュエーションによってはいらつくことがあるのは 確かである。 第二の欠点は電池の持ち時間の悪さである。スペック上は単四アルカリ乾電 池で連続表示のみで40時間、連続入力と表示が1:10の割合の時に25時間となっ ている。このように条件を示して駆動時間を示すのはフェアだとはいえるが、 まだまだ現実的ではなく、いろいろ操作していると持って十数時間、PDAとし て普通に使うとまあ、二週間持てば御の字である。ちなみにA-60というハーフ VGAサイズの同社のモノクロCE機では、もっと持ちが悪くて何度電池を替えて も十時間も持たなかった。あまりにも酷く資源浪費なので、オプションのリチ ウムイオン電池を買ったが、これはオプションを買わせるための謀略ではない かとすら疑いたくなる。 そして液晶の視認性である。決して悪いとは言わないが、まだまだコントラ ストが悪い。もっとくっきりとしたコントラストがほしいものだ。PCと違って 屋内の薄暗いところでつかったり、屋外の晴天下で使うことも多いのである。 薄暗いところではバックライトがあり、電池消費を考えるとまあこの程度のラ イトでもよかろうとは思うが、室内で使うときにもう少しコントラストが欲し い。まあ、欠点とまではいかないかもしれない。 おまけの欠点はダサいケースである。本体にやや厚みがあるのにくわえて、 この縦型海苔巻きケースをつけると重くかさばってしまう。現実の問題として 冬場であればダウンのポケットにいれておけばそんなにかさばらないが、これ が春から夏になると、かさばるがために入れるところがなくなってしまう。 つまり、E-55の場合は、動作速度が今の三倍〜数倍、電池の持ちは同じく三倍 から数倍、WiZみたいなスリムな液晶カバーを装着し本体の厚みを今の三分の 二くらいにすればこれはかなり素晴らしいマシンであること疑いない。 特に重要なのが最初の二点である。これはPDAとしてばりばり使うには絶対 譲れないところであるが、最近発表されたE-500/E-507などをみるとカシオは そういうものを改善する意志は皆無なようだ。動作時間が6時間(動作:表示が 1:10のとき)、反射型ではない通常のTFTカラー液晶パネル搭載、MP3デコーダ と今更の35万画素程度のデジタルカメラ搭載、そのうえ大きさは一回り大きく、 重量は255gときたもんだ。ひょっとしたらカシオはこれは「PDA」ではなく、 「Palmsize」の「PC」なのだと言いたいのかもしれない。使い方によってはこ れで恩恵を受ける人もいるだろうが、PDAとしての基本性能を求めるなら、間 違っても絶対に死んでも選んではいけないマシンだ。 Palmsize-PCはもはやPDAではありえない。 (続く)