「お替わりはいかが? 〜1374〜」 1999.04.08 (Thu) ========================== □ とはいえ、Microsoftは... 〜1〜 根拠もなく、やたらと烏合の衆のごとく声高なMicrosoft批判の風になびい て、「MSのやることだから...」とった投げやりな調子での批判を私は好きで はない、とは昨日書いたとおりである。 とはいえ、現実にはいろいろ問題があるのは確かだ。WindowsNTのセキュリ ティホールについても、潰せども潰せどもつぎからつぎへと発見されているの は周知の事実である。WindowsNTはPC用OSとしして、かなり大規模なものであ り、ユーザもLinuxに比べればおそらく桁違いに多いだろうから、クラッカー としてクラックのしがいがあるのかもしれない。 WindowsNTのセキュリティホールがふさいでもつぎつぎでてくるのには理由 がある。それはWindowsNTが独立したOSではないからである。いや、正確には WindowsNTそのものは独立したOSなのだが、特にMicrosoft社製サーバーアプリ ケーションやInternetExplorerやら時にはMicrosoft OfficeがOSと深く関わっ ており、OSと一体化しているから、本来なら独立OSとしてセキュリティホール は段々少なくなって行きバグも現象してゆくのだが、それらを潰すより速い速 度で、BackOfficeを初めとしたアプリケーションでOS領域まで食い込んでゆく から、そこに新たなほころびが生まれるのである。いってみればBackOfficeや らMicrosoft OfficeやInternetExplorerも含めたシステム全体がOSみたいなも ので、それがつねに機能追加のバージョンアップするものだから、セキュリテ ィホールはもとより、バグ曲線も収束するどころか発散してゆきかねないのだ。 BackOfficeだけではなく、NTのServicePackというのも曲者で、単なるバグフ ィックスではなく、大小取り混ぜた機能追加を同時に行うものだから、あるバ グを潰しても機能追加に関わる別のところで新たなバグが発生する訳だ。これ では安定したソフトウェアには永遠に落ち着かないだろう。言ってみれば、ゴ ミを片づける尻から散らかしているようなものだから、綺麗に片づくわけがな い。 私自身は、WindowsNTはMicrosoft社が言うように安定して堅牢なOSだとは思 わないが、Microsoftを常々批判する方々が言うほどに悪い物でもないと思っ ている。すなわち、用途を限ればこれはUNIXマシンやUNIX上のいろいろなアプ リを組み合わせるより、はるかに簡単かつ安上がりにシステムを組むことが出 来るので、情報化は必要だが投資はできるだけ押さえたい向きには適切だと言 えなくもない。ただ注意すべきは、先に述べたような不安要素が無くなりそう もないので、企業の対外システムや基幹システムには不向きであり、逆に小規 模な部門で使うにはこれは逆に持ってこいだと思う。 (続く)