「お替わりはいかが? 〜1378〜」

1999.04.12 (Mon) ==========================

□ 次期東京都知事 〜1〜

 東京都知事選挙が終わり、次期東京都知事は石原慎太郎氏に決まった。石原
氏と言えばつい「NOと言える日本」という著書を連想してしまう。今までちら
りと眺めたことは会ったが読んだことは無かったが、氏の人となりや思考の一
旦を知るのには良い機会かもしれない。わざわざ購入して印税を進呈するのは
しゃくにさわるので、今度地元の図書館でも探して見ようと思う。

 私は都民であるから都知事選には選挙権があり、ちゃんと一票の権利を行使
してきた。誰に投票したかはともかく、氏には投票しなかった。それどころか、
誰に投票するかを決めるに当たって、まっさきに消去法で対象から消した候補
なのである。そういう意味では私の一票は知事当選には結びつかなかった。

 それはともかく、新知事が選挙期間中どのような主張をしてきたのであろう
か。これは来る23日の初都庁以降、我らが都知事になる方を理解するためにも
是非しっておきたいところであり、氏の主張をしかと記憶にとどめておき、こ
の先自分自身の中で実際の知事としての活動と対比して行きたいのである。

 さて、石原氏の視線は終始一貫して見事なまでに都民の頭上を越えて国政に
向いていたようだ。その昔、国政と都政を同じレベルで考えるなと主張した方
の選挙演説とは信じがたいものであった。氏はかつての主張とは裏腹に、見事
なまでに都知事選挙に国政レベルの話を持ち込んだ。記憶に新しいところでは
横田基地返還問題だ。野中官房長官は石原氏の主張に対し、防衛・外交は国の
専権事項であり東京都知事といえども、一首長の関与するところではない、と
またもや怒りの野中と化してしまった。石原氏を警戒する声は速くも経済界や
外交分野にまで及んでいるようで、選挙中に中国を「シナ」と言ってはばから
ず外務省をやきもきさせ、米国などは氏のこれまでの主張を懸念し、日本での
ナショナリズム台頭の動きを警戒すらしている筋もあると聞く。そこまでおそ
れるような人物でもあるまいとは思うが、「東京の行く道を日本は行く」とい
うジンクスもあり、あながちそれらの警戒を笑止千万ということもできない。

 さらに横田基地問題では横田基地をほとんどつかわれていないと主張してい
たが、現実には第5空軍と第374輸送部隊が駐屯し、年間発着回数は一万数千回
を超えるという。そして基地周辺では旅客機とは比較にならないほどの騒音を
まきちらす軍用機の耳をつんざく轟音に悩まされている人が居るというのに、
つかわれていないとはどういうことだろう。タカ派で好戦的なの石原氏の事だ
から、日本あるいは日本の近くで紛争・戦争が勃発し、横田基地が前線基地や
補給基地にならないかぎりは「使われていない」のかもしれない。その理屈で
行くと日本中の自衛隊や米軍の基地は「使われていない」事になってしまいそ
うである。

(続く)