「お替わりはいかが? 〜1382〜」

1999.04.16 (Fri) ==========================

□ 戦争マニュアル 〜2〜

 さて、日本という国は米国からみると、米国の影響力を極東・アジア地域に
維持するために絶対に欠くことが出来ない存在であり、戦略的にも太平洋から
極東地域にかけての防衛線の要でもある。さらに重要なのは、日本は技術先進
国であり、米国の高度技術を駆使した軍用艦船(イージス館など)や軍用機
(早期警戒管制機など)をなんとか保守できるところだから、朝鮮半島有事の
際には日本全体が戦略的に不可欠の地域になる。敗戦以降日本は急激にアメリ
カと接近し、心情的にも他国に比べると米国というのは身近であり抵抗感も比
較的少ないであろう。つまり日本全土を基地にするにはもってこいの地域なの
である。

 「日米防衛協力のための指針」では、言葉は「後方支援」といったソフトな
言葉に置き換わっているが、実際には「後方支援」という言葉はそのようにソ
フトなものでごまかされるべきものではなかろう。戦略的では敵をたたく手段
の一つとして補給路を絶つというのは定石の一つである。朝鮮半島で紛争・戦
争が勃発し米国が介入を始めたとき、日本はその補給基地つまり後方支援に回
るのである。物資輸送中継はもとより負傷した将兵の手当て、破損した装備等
の修繕を行うであろう。それらのためには、ひょっとしたら民間病院、民間の
重工業関連施設、民間空港なども使われるであろう。敵から見ればこれは立派
な軍事支援であり、米国の軍事力をそぐには日本の主要な米軍基地、自衛隊基
地、病院、道路、鉄道などを破壊するのがベストである。これらを破壊するに
は軍事基地以外はミサイルなどによる正面攻撃でなくとも、テロリスト的な攻
撃方法のほうが、日本の国民の心理攻撃の面からしてもはるかに効果的であり、
テロへの恐怖が米軍への反感へに変わるのにさしたる時間はかからないだろう。

 もう一つ不可解な言葉が「周辺事態」という言葉だ。「周辺」とは「物のま
わり」のことであり、「事態」とは「物事のなりゆき」のことである。つまり
「日本のまわりでのなりゆき」ということになるのだろうか。外向的な配慮か
ら「周辺事態」などという言葉が苦肉の策で考え出されたのだろうが、このよ
うな曖昧で玉虫色の言葉でごまかされるべきではなく、周辺各国首脳とも十分
な話し合いをし理解を得た上ではっきりと明記すべきではないか。法律・条約
の類で曖昧にごまかすことは、曲解に繋がりはては暴走への引き金を引きかね
ないおそれがある。また、条約類では英文と日本文の差も問題だ。日本文のほ
うは国民への反応を考慮して妙な訳を付けられたりするので要注意だ。

 ともあれえ、「日米防衛協力のための指針」といった類の物は、もっと議論
して国民レベルの認識を高める努力も必要であろう。あまりにも事を急きすぎ
るような気がしてならない。

(完)