「お替わりはいかが? 〜1396〜」 1999.04.30 (Fri) ========================== □ 江戸東京博物館 小学校六年生になり社会科に歴史がでてくるようになって興味が沸いてきた のか、「江戸東京博物館」(東京都墨田区横綱一丁目、JR両国駅徒歩1分)へ 行きたいと言い出した。この博物館へは二年だか三年ほど前に妻と娘と私の三 人で行ったことがあるのだが、当人はそんなことは覚えていないらしい。確か この雑文にも書いたことがあるから、同じ事を二度書くことになるのだが、ま あいいだろう。 両国の国技館の隣にある頭でっかちで平べったい建物が「江戸東京博物館」 である。七階建てのこの建物は六階と五階が吹き抜けの展示スペースになって いて、七階は喫茶・レストランと図書室、四階は収蔵庫、三階はチケット売り 場と休憩コーナーがあるだけのだだっぴろいふきっさらしの広場、二階と一階 にチケット売り場・企画展示室・ミュージアムショップ・案内、地下一階に映 像ライブラリがある。こう書くとただのビルのようだが、三階部分が空洞で柱 だけになっており、高床式の倉(くら)をイメージして設計され、高さはもっ とも高いところで62.2mあり、江戸城天守閣とほぼ同じ高さだという。敷地面 積は三万平米で東京ドームグラウンドの2.4倍らしい。 内部は大きく「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」にわかれ、入り口のある六階 のチケットゲートを抜けると、五階をまたぐように日本橋が再現されている。 江戸ゾーンには多くの図・画・資料・像があるが、私が気に入っているのは精 緻に再現された各種の縮小再現模型である。大名屋敷、江戸の町並み、江戸の 町の上水、三井越後屋(三越の前身)、両国橋西詰、芝居小屋等などとにかく 非常に手がかかって精密に再現された模型は感動的ですらある。これが東京ゾ ーンになると、模型から実物大再現建築物が出てくる。朝野新聞社、下町の庶 民住宅、和洋折衷住宅、戦時中の住宅の室内などがこれまた非常にリアルに再 現されている。中でも面白いのは朝野新聞社の建物の中に作られた鹿鳴館のモ デルで、これは床の下につくられており、床は厚さ3センチ半のガラスで作ら れている。模型の据えられた床からは三メートルくらいあるだろうか、結構高 くて妙に怖いのである。時間がくると模型が作動して鹿鳴館の中のパーティの 様子をみることができる。 今回行ってみて気がついたのは、結構外国人の見学者が多いことだ。チケッ トゲートをぬけるとすぐ右手のボランティアコーナーで英語(他の言語もある が毎日ではない)のガイドサービス(無料)の申し込みができる。このような 歴史博物館を素人が英語で説明するのは非常に難しい。そもそも日本語ですら ろくに説明できないし、物の名前も知らないことが多い。いわんや英語になる と、日常会話やビジネス会話とは違うボキャブラリと歴史の知識が必要になる から、多少英語ができたからといって通訳説明ができるわけではない。実際、 英語の説明をしているそばにたって、しばらく聞かせてもらったのだがなるほ どうまく説明するものだと感心するばかりだ。 この博物館、小学生というよりは大人が行って面白いところだ。帰りには両 国ビアステーションで両国地ビールを一杯やって棒のようになった足を休める のも一興かもしれない。