「お替わりはいかが? 〜1397〜」 1999.05.01 (Sat) ========================== □ コインロッカーに赤ちゃん 報道によれば、今日の午前一時ごろ、川崎市内の東急東横線武蔵小杉駅前の コインロッカーから赤ちゃんが見つかったという。コインロッカーの中から赤 ちゃんの泣声がすると警察に通報があり、警察官と消防署レスキュー隊が出動 して、コインロッカーのドアをこじ開けて生後五ヶ月の乳児を救出した。 ここまで読んで、すわ幼児遺棄事件かと思ったのだが、これには続きがあっ て、中原区内のパチンコ店勤務の二十三歳の男性と二十四歳の妻が自分たちの 子供であると申し出てとりあえず厳重注意を与えて解決したらしい。近くのラ ーメン屋で食事をするのに赤ちゃんが邪魔だから、空気穴があることを確認し、 ここなら寒くないであろうとロッカーのなかに入れたという。中原警察署では このようなことから、幼児遺棄の意図は無かったものとみて厳重注意にとどめ たらしい。 幼児遺棄の意図はなくても、とんでもないところに放置して時には死に至ら しめることがある。以前には、真夏の車内に乳児を寝かせたまま置いてパンチ コ行き、炎天下で車内が高温になり、熱射病でその幼児が死んだという例もあ る。真夏の屋外に駐車した自動車の中がどういう状況になるのか、ちょっと考 えればわかるであろう。長時間駐車した車内に戻るときは、しばらくドアを開 放して空気を入れ替えないと、暑くて中に入れなくなるくらいのことは、車を 運転する人なら誰でもわかるはずだ。状況判断が甘すぎるのである。 もっと身近なところでは、自転車の乳幼児用補助座席に子供を座らせたまま 自転車のスタンドを立てて、母親が買い物のために店に入っている隙に、子供 が暴れて自転車が転倒し、座席に括り付けられていた赤ん坊が怪我をする(下 手をすれば頭を強打して死に至ることもある)というのは意外と珍しくない。 これも、子供で無くとも荷台に重量物を載せている自転車では重心がかなり上 のほうにいってしまう。重量物を運搬するために強固で安定した大きなスタン ドがついた実用車ならともかく、軽快車のちゃちなスタンドではちょっとした 弾み、あるいはちょっとした路面の傾きやハンドルの向きで倒れてしまうこと くらいは、誰にでもわかるだろう。これまたちょっとくらいは大丈夫であろう という状況判断の甘さが事故の原因に繋がっている。 コインロッカーの赤ちゃんは幸い事故には至らなかったが、これも安直な考 えから生まれたことだ。私がその状況になったら、交代で赤ん坊の面倒を見て 食事に行くであろう。最近は乳児を連れて平気で海外レジャーにゆき、機内で 赤ん坊が気圧変化に対応できず中耳炎になったり、現地で熱を出したりするこ ともめずらしくない(とりわけハワイのホノルル方面に多いようだ)が、どう もこれと通じるものを感じる。 赤ん坊は二の次、まずは自分たちが楽しむのが先、ということか。