「お替わりはいかが? 〜1405〜」 1999.05.09 (Sun) ========================== □ 日本人は甘く見ろ? 〜1〜 前々日、前日と二分割で「文句を言わない日本人」と題して、何かトラブル があっても日本人観光客は文句を言わない人が多いのではないかという趣旨の ことを書いた。理由はいろいろあると思うが、例に出したグアムだと、納得で きないことはその場で文句を言うのが掟であり、特に支払いが絡む物であれば 支払ってしまったらそれは納得の証であり、変だと思っても支払ったら負けで ある国だ、ということを忘れているのか、知らないのか涙をのむ人が少なから ずいるのには非常に驚いた。 グアムに限らず、よく話を聞くのが日本人だとみるととんでもない値段を吹 っかけて「ぼる」(上品に言えばoverchargeだろうか)というやつだ。グアム 関係の旅行の掲示板などを見ていると、過去のグアム旅行経験者の話には実に 有意義なものが多いがなかにはとんでもなく妙なものがある。ぼられるという 点では、たとえばグアムのとある回転寿司だ。これはいくつかのガイドブック にもリーズナブルな価格で食べられる店として紹介されているが、ここで家族 四名程度で回転寿司(一皿一ドルなにがしかのものらしい)を食べて会計をし たら、なんと二百ドル近くを取られたというのである。 個人的には、グアムまでいって、それも何週間という長期滞在ならともかく、 たかが数日の滞在で回転寿司でもあるまいにと思うが、それはともかく二百ド ル(銀座の寿司屋のカウンターなら別だが、回転寿司であるのだから、いくら 家族四人で食べてもせいぜい数十ドルであろう)という金額にも恐れ入ったが、 結果的には黙って支払ったらしいこの人にはもっと恐れ入った。なぜ、支払う 前に文句を言わないのか。書きこみによればいちおう明細を要求したらしいが、 カーボンコピーがないという店員の言葉にそのまま引っ込んでしまったらしい。 こういう時、私がとりあええず最初に想像する理由は「やはり言葉が日本語 だけしか話せないツーリストで文句もろくにいえなかったのだろうかしら」と いうあたりかもしれない。 確かに言葉の問題は相手に甘く見られないためにも重要であるのは確かであ るが、その不正らしき金額に怒りをみせない姿勢のほうにまず問題がある。英 語なんかしゃべれなくても、こういう時は日本人特有の静かに怒るやり方では なく、頭の先から脚の先まで、全身に怒りをあらわにして抗議し、警察でもど こでも行ってやるくらいの気持ちで文句をつけないとダメだろう。言葉なんか 日本語だって怒りの気持ちは通じる物だ。だまっていると相手はつけあがるだ けだ。「バカ」とか「マヌケ」といった言葉が英語圏でも意外と通じてしまう のと同じである。 (続く)