「お替わりはいかが? 〜1411〜」

1999.05.15 (Sat) ==========================

□ 歯の検診

 多くの人は歯医者が嫌いで、とりわけあの「キュイーン」という音を聞くと、
パブロフの犬のごとく条件反射で気持ちが暗くなるという人も多いようだ。私
自身はどうかといえば、三十年以上歯医者とは縁が無かったから、虫歯の痛み
というのもいまだかつて経験したことが無い。

 とはいえ数年前、会社の健康診断の一環として行われる歯科検診で、少し怪
しいところがあるというので、地元できわめて評判がよい歯科医にかかった。
そして見つかった初期の虫歯を治療したが、この虫歯治療というのが永久歯に
なって初めてのことだった。三十年以上歯医者には縁がなかっただけに、その
時は歯石がすごくて、治療前に歯石をとるのが先だということになり、歯石除
去だけで都合四回ほどかかり、ようやく治療となった。一連の治療はさほどい
たくはないものであり、やはり相変わらずパブロフの犬もどきの方の気持ちは
今だかつて経験していない。

 その歯科医は、毎年誕生日前後になると検診のお知らせという葉書を送って
くれる。もちろん検診なりそこで異常が見つかったときの治療費用は支払わね
ばならないが、葉書がくると予約をいれて診てもらえば、確実に年に一度ちゃ
んとした歯科医で歯茎と歯のチェック、歯石除去をしてもらえるのはありがた
い。

 このおかげで、昨年、今年と検診で診てもらいその場で歯石除去をするだけ
で放免してもらっている。歯科医に言わせると、私の歯の質は非常によいそう
で、きちんと手入れをすれば死ぬまで自分の歯で噛むことができる、との太鼓
判を頂いた。そうまで言われたら、毎年のチェックも欠かすことはできない。
きちんと歯石除去をし、歯磨きをし、チェックをしてもらわねばならないのは
言うまでも無い。

 この歯科医の検診で診てもらうようになってから、会社の歯科検診は受診を
拒否している。これは別に我侭ではなく、受けないこともできるのである。前
に受けたことがあるからわかっているが、チェックだけならともかく、ちょっ
と歯石があると、歯科医ではなくどこぞの歯科衛生研究所の歯科衛生士の卵み
たいな若いお嬢さんが、慣れない手つきでがりがりやるのである。歯はへぼな
奴にさわせると非常に調子がわるくなるというのを、自分の親を見てしってい
るから、絶対にそういう奴らには触らせたくないし、彼女達の腕がひどいこと
は一度がりがりやられて知っている。それに過去の治療や歯の具合などの状況
も知らずに、やれここはこうだの、あそこはどうだのと教科書どおりに勝手な
ことをほざきまくるのである。こんなへぼ検診を毎年つづけて受けるほど酔狂
ではない。

 ただ、唯一感謝すべきは、このへぼ検診のおかげでとても腕と人柄がよくて
良心的な歯科医に出会うことができたから、そこだけは感謝せねばならないの
だが。