「お替わりはいかが? 〜1420〜」

1999.05.24 (Mon) ==========================

□ 気分はあぶろーど

 東京に住んで四捨五入すれば二十年になるが、その間一度も「はとバス」に
乗ったことも無かったし、東京タワーも行ったことがなかった。それがひょん
な事から、私が通っている英会話学校の先生たちと「はとバス」ツアーに乗る
ことになった。ちなみにNOVAという英会話学校は行くたびに先生が違って
おり、先生を指定しての授業予約は不可能だそうで、こんなふうに生徒と先生
が仲良くできることはまずないらしい。

 私がアレンジしたのは、もちろん外国人向けの英語コースで、午後半日で東
京タワー、皇居外苑、浅草寺、仲見世を経て銀座で終了して締めて3900円
というツアーである。参加者は、英語コースということであり外国人が多いの
は当たり前であるが、外国人と同伴の日本人もちらほら見うけられた。外国人
といっても欧米人だけであるわけではなく、比率としては欧米人より東南アジ
ア系の人が多いようだった。"Tokyo Afternoon Cityrama" とコース名で浜松
町バスターミナルを午後1時40分に出発する。案内役のバスガイドはうら若
き乙女ではなく、経験豊富そうなおじさまコンダクターで、発音は典型的なジ
ャパニーズイングリッシュではあるが、なかなか楽しくガイドをしてくれた。

 東京タワーというのは近くにあるだけになかなかゆかないもので、一階は水
族館、二階はショッピングアーケードとレストラン・喫茶店、三階は蝋人形館、
四階はトリックアートギャラリーになっている。主展望台は二階建てでエレベ
ータで運ばれるのは二階で、下へ降りるエレベータに乗るには一階のほうへ階
段で降りてから乗らねばならないというバリアフリーを無視した施設である。
ここは地上150メートルだが、地上250メートルの特別展望台というのが
ある。ツアーで行けるのは時間と費用の関係で主展望台だけであるが、個人で
ゆくと前述の全部の施設に入れる券で2800円と安くない。施設的に古いの
で車椅子での見学は厳しいものが多く、特別な手助けや特別扱い無しには難し
いのが残念だ。

 印象的なのはやはりコンダクターのおじさんで、日本人観光客相手の普通の
ツアーなら聞くことができないようなジョークや説明を聞くことができて非常
に楽しい。実際問題、東京に住んでいるけれど東京や江戸のことをいかに良く
知らないかよくわかった。普通のはとバスツアーだと東京に住んでいると気恥
ずかしいというところもあるが、周囲が外国人ばかりだと自分も外国人になっ
たつもりで楽しむこともでき、なかなか愉快な経験ができる。

 ただし、浜松町バスターミナルでの出発のアナウンスなども英語であり、さ
らに車中アナウンスはすべて英語だから、最低限のヒアリング能力は必要であ
るのは言うまでもない。といっても、車中のアナウンスより、出発案内のアナ
ウンスを聞き取るほうがひょっとしたら難しいかもしれないが、一度経験して
みる価値はある。