「お替わりはいかが? 〜1424〜」

1999.05.28 (Fri) ==========================

□ 安直な盗聴法案に断固反対する 〜2〜

 犯罪と関係無いとわかった時点で直ちに盗聴を中止し、その内容を破棄する
という規定も盛り込んだらしいが、それに対する検証手段や罰則規定などは一
切存在しない。法律というものは出来上がってしまえば解釈次第で一人歩きす
る。まして罰則的もなく、公安側の暴走に対する損害賠償も、公安側の過失を
被害者が証明しなくてはならない日本の制度下ではほとんど不可能だろうし、
米国のように盗聴実施者個人が賠償責任を負うことはまずない。仮にそういう
事態があったとしても、損害賠償責任も負わず、懲戒免職にもならず、ちょっ
との時間左遷されるくらいがいいところだろう。

 若い人にはもっと手じかなところで説明したほうがいいかもしれない。つま
り、盛んにつかっている携帯電話や文字メール、電子メールの内容が盗聴され、
かつ犯罪と無関係とわかってもその傍受内容が破棄されるという保証はなく、
将来何かのときに、それが公安側に悪用されるかもしれないのである。それで
は電子メールを暗号化すればよいということがあるかもしれない。PGPなどを
使うのは簡単だから友人同士などすべての通信に暗号化ソフトを使えばよい。
しかし、そうなると暗号化しているだけで犯罪容疑をかけかねないし、今の政
治・公安の連中は暗号化ソフトの禁止法でも作ろうと騒ぎ出すかもしれない安
直な連中だ。

 この法律は、運用暴走を防ぐための、より強固な人権保護関連法がないかぎ
り、万一公安権力の暴走が始まったら止まらなくなる。周辺事態法案の成立と
いい盗聴法案成立見とおしといい、十分な議論もなされず、違憲性も十分議論
されず権力者達の蜜の餌にされている。どちらの法律もその必要性は認めるの
にやぶさかではないが、あまりにも安直過ぎる。プライバシー無視・基本的人
権無視の恐怖政治国家に日本が成り下がるのも遠くないかもしれない。

「組織犯罪対策立法」Q & A
http://www.egg.tokyoweb.or.jp/dntba/data/soshikihanzai-qna.html

「盗聴法」案に反対する!
http://plaza10.mbn.or.jp/~jlaf/iken/98/980401.html

(完)