「お替わりはいかが? 〜1425〜」

1999.05.29 (Sat) ==========================

□ 羽毛寝具の買い方 〜1〜

 ここで私が言う羽毛寝具とは、羽毛布団と羽毛枕(ダウンピロー)である。
フェザーベッドというのもあるが、とりあえず日本ではあまり一般的ではない
のでここでは話から外しておこう。

 日本は古来の生活習慣的背景、すなわち狩猟民族ではなく農耕民族であるこ
と)から、寝具に関しても羽毛や毛皮といった動物性の素材より、そば殻とか
藁とか綿といった植物素材がいまでの我が国では一般的だ――といってもさす
がに現在では藁は見かけなくなったが。それらを寝具につかった場合、保温
力・吸湿性・放湿性・耐久性では大きな差がでてくる。どれをとっても藁や綿
などの植物素材より毛皮や羽毛といった動物素材のほうが数段上手{うわて}
なのである。この中でも掛布団と枕の充填素材としての羽毛(ダウン)はかな
り優秀であり、他の素材の追従を許さない。

 良い羽毛布団を使ってみればわかるが、スーパーなどで安くで売られている
ポリエステル綿の掛布団とは保温・吸湿・放湿性では格段の差がある。真冬に
なるとポリエステル綿の掛布団では寒くて、毛布に加えて掛布団を二枚重ねに
したり、電気毛布やアンカをつかったりしないといけないことが多いが、良質
な羽毛布団を使えば毛布や電気毛布などとは、おおよそ無縁になるのである。

 近年中国産の安い羽毛が入手できるようになったので、羽毛布団の価格が随
分安くなり、デパートのバーゲンでは四万円前後から買えるようになった。し
かし、デパートや寝具店で中身の羽毛のまともな羽毛掛布団を買おうとすると
十万円近くするのが現状である。安い物は重さを稼ぐために、掛布団には不向
きなフェザーを混ぜている。一羽のグースからダウンは少ししかとれないが、
フェザーは沢山とれるから価格がまるで違う。国産では良質なダウンやフェザ
ーが確保できない我が国の場合、どうしても原価を押さえて売価を下げるしか
ないのだ。だから、デパートでは1万円近く出しても、安物のフェザーのピロ
ーしか買えないのである。

 ただ、知識としてしっておかねばならないのは、ダウンとフェザー(スモー
ルフェザー)は機械で振り分ける限りどうしてもダウンに若干のスモールフェ
ザーが混じってしまうことだ。アイダーダウン(今や絶滅寸前の種だそうだ)
などのように特別希少で高価なものは手で分けるとしても、量産用のものはダ
ウンといっても少量のスモールフェザーが混じっている。だから日本では
100%ダウンという品質表示はありえない。100%ダウンという表示が数万円程度
の掛布団であったとしたら、それはあきらかに嘘の表示といってよい。アメリ
カの場合は品質表示でこうした割合を示す必要はないが、やはりダウンの表示
であってもある程度までもスモールフェザーの混入は許されている。

(続く)