「お替わりはいかが? 〜1426〜」 1999.05.30 (Sun) ========================== □ 羽毛寝具の買い方 〜2〜 一般に物を安く買う・安く売るには、原価を下げる以外に、流通経路をシン プルにし途中での利益の上乗せの機会を減らすことだ。簡単に考えれば工場か らの製造直販が一番安く買えることになる。これは羽毛布団でも同じ事が言え て、一般的には大手メーカーの羽毛布団を小売店で買うと高いに決まっている のである。ならばメーカーから直接買えば良い、とは理屈の上での話であって、 日本ではそれは簡単ではないのはご存知の通りだ。 日本の羽毛掛布団の価格が高いか、安いかを知る手段として、アメリカやカ ナダのWebを使った通信販売、カタログ通信販売の価格と、日本でのデパート の通信販売や店頭販売の価格を比べてみるとよくわかる。アメリカでは店頭よ り通信販売のほうが主力で製品の種類もずっと多い。日本は逆で通信販売より 店頭のほうが種類や業者の数もずっと多い。それらの互いに主力な販売方法で 見てみると、日本で言ういわゆるシングルサイズの掛布団で、カタログ販売で は、ホワイトグースダウン使用で250〜500ドル程度。同じような品質の 物を日本のデパートや寝具専門店などの店頭でみると、だいたいその倍以上の 価格帯になるようだ。羽毛掛布団を買うときに、良い物を安く欲しければ国内 だけに目を向けずアメリカやカナダにも目を向けたほうがよい。 ただし、その場合、日本の寝室のほうが暖房不備で寒いので、羽毛の充填量 は多いものを選ぶべきである。どこの通信販売でも中身のダウンの種類と充填 量(重量=オンス(oz)であらわされている)とフィルパワーは最低限のチェッ クが必要だ。 フィルパワーとは慣れない言葉で、日本の羽毛製品では使われることがない のだが、これはダウンの品質の目安である。日本だとダウンとそれ以外のフェ ザーなどの希望的な割合(実際に測定され完全に保証された割合ではないこと に注意)しか表示されていないから、ダウンの良し悪しは分からないが、この フィルパワーがあるとダウンの品質の目安になる。どういうものかというと1 オンス(約28.3495グラム)のダウンが何立方インチに広がるかという ものだ。良質なダウンほど嵩高{かさだか}になるから、理屈にかなったメジ ャーメントである。ちなみにフェザーだとフィルパワーは300程度、これが ダウンになると600以上になるが、羽毛布団には700程度以上のものが望 ましい。アメリカやカナダの羽毛布団のカタログを本やWebで見ていると、こ のフィルパワーが書いてある。当然の事ながらフィルパワー800くらいにな るとそれなりに高価であるが――とは言え日本よりずっと安い、価格ランクを それでつけているのが明確になっている。 (続く)