「お替わりはいかが? 〜1429〜」

1999.06.02 (Wed) ==========================

□ 旅先のセキュリティ

 海外旅行といえば、目的がバケーションであれビジネスであれ一番重要なの
がパスポートである。普通の人にとってはそれが唯一の身分証明書(ID)で
ある。これを無くすと日本に再入国することすらできなくなる。これほど重要
な物だから、当然偽造という悪の道もあり、偽造のための材料として日本人の
パスポートなどは特に狙われやすいらしい。本当かどうか分からないが、そこ
そこ良い値で売りさばけるというのを聞いたことがある。

 これほどまでに大切な物を、旅先でどうやって保管するかというのは重要か
つ永遠の課題である。日本で旅行ガイドブックなどを読むと、ほとんどの本は
室内のセイフティボックスかフロントのセイフデポジットに預けることを推奨
している。私もセイフティボックスを利用するが、これで安心かというと決し
てそんなことはない。

 疑い始めれば切りが無いのは確かだが、ホテル室内の簡単な錠だけのセイフ
ティボックスは、こじ開けるのはさほど難しくは無いし、合い鍵がどこまでき
ちんと保管されているか疑問だ。室内の掃除のときに合い鍵を使われて盗まれ
て知らん顔されれば終わりだ。フロントのセイフデポジットだって、同じでフ
ロントデスクをどこまで信用するにかかっている。比較的マシなのは、セイフ
ティボックスが電子錠で客が自分で暗証番号をセットするタイプだが、まだま
だこうしたものを導入しているところは少ない。

 中には一番良いのは常に身につけることだという人もいて、下着の下にクビ
からぶらさげたり、ズボンの内側にぶらさげる袋を愛用する人もいるらしいが、
これは使えるところが限定されている。私のように南国のビーチリゾートが主
たる行き先の時は、上はTシャツかポロシャツ、下は短パンということが多く、
そんなかさばる物は目だってしかたないし、汗でべとべとになってしまう。何
よりビーチやプールに入るときまで持っているわけにはいかないからどうにも
ならない。

 土地柄(その土地の安全性)やホテルの水準がある程度のものであれば、室
内のセイフティボックスやフロントのセイフデポジットを利用するのが、比較
的安全だということになるのだろう。ちなみに米国在住の知人によれば米国人
はまず間違いなくセイフティボックスかセイフデポジットを使うのではないか
ということだ。結局のところそのあたりがあまり怪しい宿には泊まらないのが
一番ということか。