「お替わりはいかが? 〜1435〜」 1999.06.08 (Tue) ========================== □ 大学入試英語にはTOEFLを! 〜2〜 ところが、中学・高校・大学を通じて決定的に欠落しているのが、実用英語 のヒアリングとスピーキングだ。それが故に、英語を八年間勉強してるはずの 大学四年生でも、英語専門系の中の一部学生や留学経験者、あるいは積極的に 実用英語会話を英会話学校などで勉強している人を除けば、道端でいきなりア メリカ人に話し掛けられると固まってしまうか、ジャパニーズスマイルを浮か べてニヤニヤしているか、そのままモゴモゴ言って逃げてしまう。これが英語 に離れて久しいサラリーマンになると、まっさきに逃げ出してしまう人が格段 に多くなるのはいかがなものか――言葉だけの問題ではないとは思うが...。 とにかく、先々の生活やコミュニケーションであまり訳には立たない受験英 語などは現状では即刻止めるべきだ。長文読解などが役に立たないとは言わな い、それらは非常に重要な英語能力の一つだが、そのまえにまず日常会話をマ スターするほうが先ではないか。難しい文学は辞書を併用すれば読めるけれど、 挨拶もろくにできず、バケーションの海外旅行程度ですら英語にはかなり不自 由するような状況はどうみても正常ではない。 そもそも日本の学校教育に英語が取り入れられている目的はなんなのか、こ れが明確ではないから誤りが生じる。学校で英語を教えるのは何のためなのか、 それがなぜ英語であってスペイン語やフランス語や広東語ではないのか。カリ キュラムを考えている文部省はこの点をどう考えているのか、教える教員側は どうとらえているのか、そして教わる生徒はどうとらえて何を期待しているの か。ここのところが全然見えない。現状では、その目的を疑いもせず、だれも が「そのように決められているから、言われたとおりやっている」にすぎない のではないか。 私の想像であるが、義務教育のうちから外国語教育が取り入れられている本 来の目的は、国際化社会の中で生きる為の重要なコミュニケーションツールの 一つが英語だからではないか。良し悪しは別にして現状では国際共通語に一番 近いのが英語(米語)である。もちろんそれが通じない地域は非常に多いが、 特定の地域や人々をターゲットにしない状態で、とりあえず日本語以外に外国 語を一つ覚えるとしたら、それは英語だろうというのは適切な選択だし、実際 仕事や遊びに役に立つことは多い。 (続く)