「お替わりはいかが? 〜1451〜」 1999.06.24 (Thu) ========================== □ 羽毛掛布団の個人輸入 〜2〜 羽毛布団の特徴は何と言ってもその嵩高さというかふわふわした(fluffy)感 じにある。これはダウンがたっぷりと空気を含むからであり、空気は非常に良 質の断熱材であるから、このふわふわ感は多いほどよい。 羽毛掛布団の場合は、多かれ少なかれ羽毛を包んでいる袋の上下が何らかの 形で繋がっている。中には古いヨーロッパスタイルのように周囲以外はどこも 縫いあわせていない大きな袋になっているものもあるが、これはあまりみかけ ないであろう。この縫い方には縦横クロスになったもの、縦方向にだけ縫い目 があるもの、昔の日本の布団のようにとびとびに上下を縫い合わせてあるもの などだ。この縫い目の目的は大きな布袋を仕切ることで、羽毛の片寄りを防ぐ ことにある。また縫い目の種類として上下の布を直接縫い合わせた物、仕切り の布を壁のように使い上下の布が直接くっつかないようにしたもの(buffled) がある。 考えればわかるとおり、さきのふかふか感を保つためには上下を直接縫い合 わせたものは屑である。仕切りを入れるタイプ(buffled)より手間がかからな いからローコストで済むのが特徴だが、上下を縫い合わせる物だから縫い目付 近は羽毛を含まないただの二枚の布になってしまい、そこには暖かなダウンと 空気の断熱層がないために熱が逃げてしまう。これはいくら安くても買っては ならないタイプだ。 上下の仕切りがあるタイプ (buffled) のほうだが、これも仕切りの高さが あまり低すぎると、さきの上下縫い付けタイプに近くなってしまい、せっかく の仕切り方式もメリットがでない。この仕切りを低くすると、当然仕切りに囲 まれた中央部にダウンが集まってきて、実際以上にそこだけ盛り上がって見え、 いかにもふっくらとした感じに見えてしまう。つまり粗悪な(フィルパワーの 低い)羽毛でも、少ない羽毛でもふっくらと温かそうに豪華そうに見せること ができるのだが、あまりよろしくないのは確かだ。つまりこの仕切りはある程 度たっぷりとした高さがないと、中のダウンが泳ぎ回って空気を含むことがで きないのである。ダウンはびっしり抑えつけて体に寄せるからあたたかいので はなく、ふわふわとしたまま空気をたっぷり含んでつつんでくれるから暖かい のである。 (続く)