「お替わりはいかが? 〜1454〜」

1999.06.27 (Sun) ==========================

□ 今夏の女性の足元 〜1〜

 まもなく七月、この時期になると街をゆく若い女性の服装もほとんど盛夏と
かわらなくなってくる。違うとしたら一枚羽織る薄手のものを手に持っていた
りバッグに入れていたりすることだろうか。

 視線を彼女達の足元に落とすと、例によって踵の高い履物が多くあり、さら
によく見かけるのは底全体の厚さが何センチメートルもあるような分厚いタイ
プの履物だ。これは単なる流行に過ぎず早ければ何ヶ月か、遅くとも2〜3年
程度以内には滅び行くであろうと分かってはいても、はっきりいって無様であ
る。靴その物が無様というよりは、底が固く極端に分厚い靴を履くことで、歩
き方がものすごく変なのである。

 人が歩く場合、親指を中心とした足指で地面を蹴り、直後に反対側の足の踵
で地面を捉え、土踏まずがクッション代わりになり足の裏全部が着地する。と
ころが「超」分厚い靴底の彼女達を見ているとそんなふうには歩いていない。
底が分厚い物だからつま先で地面を蹴ることができず、同様に踵から着地する
こともままならない。極端に言えば地面と平行に足を持ち上げ地面と平行に足
を着地するのである。おっかなびっくり歩いているようで非常に滑稽である。
これが下り階段になるともっと変で、分厚い靴底が階段にかからないようにす
るためなのかわからないが、下ろす足を後ろから横へまわり前方に出すような
外向きの半円を踵が描いている人が少なくないが、これまたものすごく滑稽で
無様極まりない。

 歩き方がおかしくなると、その影響は全身に及ぶ。足元の安定感が失われる
から自然に前かがみの猫背状態で歩くことが多くなるし、下半身の疲労も格段
に高くなるであろう。当然それにともない歩行あるいは直立状態の人体をささ
える脊椎にも負担がかかり体の各部へ異常が波及するであろう。あるいは長期
にわたるこうした悪影響が骨盤を変形させたりしないのであろうか。骨盤に悪
影響が出ると当然出産にも影響が出るかもしれない、とちょっと大げさな心配
もしたくなってくる。

 もう一つ、彼女達のこの夏の流行として気になるのはサンダルである。従来
から通勤電車での女性のサンダル履き姿は夏の風物詩ともいえ、男性の汚れて
臭いそうな革靴の足元とちがい、ペディキュアが綺麗に塗られて手入れされた
足元にはさわやかさすら感じる。そのサンダルは、庭先で履くような「つっか
け」タイプ(ミュールという)ではなくオフィスで制服と一緒にしてもおかし
くない、バックベルトタイプのおしゃれなもの、と相場がきまっていた。

(続く)