「お替わりはいかが? 〜1468〜」

1999.07.11 (Sun) ==========================

□ 再び旅先のマナー 〜1〜

 過去に何度も書いているが、またもや旅先のマナーの話しだ。私がこれだけ
しつこく書くというのは、それだけ旅先のマナーについて無関心な人を多くみ
かけるということでもある。

 誰が言い出したか知らないが、日本には「旅の恥はかき捨て」などという誠
にけしからん言葉がある。善意に解釈すれば「日常自分が暮らしている土地で
はあたりまえの事になっており、周囲の顔見知りの人に改めて尋ねるのは恥ず
かしいが、旅先でならそのような顔見知りも居ないから、わからないことは気
にせず尋ねて良い、仮にそれを笑うものが居ても、どうせ旅先の一時のことな
のだから気にせずともよい」と考えられる。

 だが、世の中そういう善意の解釈ではなく、マナーのうえでは非常によろし
くない解釈がはびこってしまっているように思える。すなわち「どうせ旅先な
のだから、マナー違反の恥ずかしいことをしても気にしなくても良い」といっ
たものだ。それをもって「旅の恥はかき捨て」などとうそぶくのはとんでもな
い話しである

 日本国内でも観光地へゆけばその手の行いは目にあまる。空き缶やペットボ
トルのポイ捨てをする人、あたりかまわぬ喫煙と吸い殻のポイ捨てをする人、
アウトドアブームに乗ったにわかアウトドアブームファンのバーベキュやキャ
ンプたちの目にあまるごみ放置、何かのときに先を譲られても礼の言葉一つ発
しない無礼者、列車内などで子供が騒いでも注意一つしない親、あるいは「よ
そのおじさんに叱られるからやめなさい」といった見当違いの注意をする親、
とにかく数えあげれば切りがない。

 これらは国内外をとわず多くの国でも嫌われ非難されるであろう愚かな行い
である。それとは別に国内ではマナー違反にならないか、すれすれのところで
常識の範囲内だと思われるもの、習慣の違いに由来し現地の人からみる妙な連
中だと写るものがある。日本人に身近な海外で私自身も大好きな合衆国ハワイ
州では、どんな店でも店に入ると店員が "Hellow" とか "How are you?" と声
をかけてくることが多い。前者が単なる挨拶であるのは中学生でも知っている
から、こちらもにっこりとした微笑みとともに "Hellow" と返せば良い。これ
は単なる挨拶でもあるし、互いに悪意の無いことを示してもいる。

(続く)