「お替わりはいかが? 〜1472〜」 1999.07.15 (Thu) ========================== □ 車中の騒音 毎朝、毎晩何気無く乗っている通勤電車の車中にはいろいろな音があふれて いる。走行音は当然であるが、この時期になると冷房の音が結構うるさい車両 がある。通勤電車の車両一両あたりの冷房能力は家庭用エアコンの約十倍、お よそ二万キロカロリーの冷房能力があるらしい。能力と騒音は正比例しないに せよ比例関係にあるのは間違いの無いところで、中にはとんでもなくうるさい 車両もあるが意外に音ばかりで冷えが悪かったりするのはちょっと不愉快であ る。 不愉快といえば、数年前までは通勤電車のなかの不愉快な騒音には、ヘッド フォンステレオのイヤホンから漏れるシャカシャカ音だった。あっちでもシャ カシャカ、こちらでもシャカシャカと耳触りでカンに触る音があふれていた。 しかし、イヤホンの音漏れ防止対策が進んだり、耳掛け式ヘッドフォンが流行 ってきたせいもあって、近ごろではあまりシャカシャカ音を耳にしなくなり、 シャカシャカ音の元はヘッドフォンステレオからポケットラジオのほうが多く なってきた。ポケットラジオについているイヤホンには音漏れ防止対策がなさ れていないものも多く、ラジオの愛好家のおじさん世代はそうかんたんに新し いものには買い変えないから、なおさら昔の音漏れイヤホンを愛用することに なる。イヤホンでラジオを聞いている人からは、意外に大きな音漏れがしてい ることがあるので気をつけられよ。 ヘッドフォンステレオの音漏れに交代して主役の座に輝いているのは、携帯 電話とPHSの呼び出し音である。「車中での携帯電話やPHSの使用はご遠 慮ください」というしつこいアナウンスやマナー遵守の呼びかけが功を奏して いるのか、呼び出し音がなると停車中なら車外にでたり、走行中なら席をたっ て人の少ないほうに行ったり、「今は電車の中だから折り返し電話をする」と 相手に伝えてすぐにきる人が増えてきたのは良いことだ。しかし、さすがに電 源を切ったり、マナーモード&留守番モードにしたりする人は少ないようだ。 実際問題私も覚えていればそのようにすることがあるが、現実には忘れること のほうがはるかにおおく、切ったまま忘れてしまうことの弊害もあってあまり 切ることが無い。万一不幸にしてかかってきたら、車中であることをつげすぐ に切り折り返しにするようにしている。このような人が増えたことで耳障りな 話し声は明らかに減っているが、呼び出し音や着メロは相変わらずにぎやかで ある。 他人事ではないのだけれど、呼び出し音が皆がバッグやらポケットをごそご そやる光景は現代的な滑稽さがある。