「お替わりはいかが? 〜1473〜」

1999.07.16 (Fri) ==========================

□ 二代目のエアコン

 いまから十数年前に結婚したときに新居にエアコンを買った。それから今に
至るまで途中二度転居したから二度取り外しをしており、ガスチャージを二回
おこない、さらに二度目の転居のときには取り外したついでにということで、
一旦業者が持ちかえってガスチャージだけではなくフルメンテナンスをした。

 そんな風にメンテナンスをしながら大切に使ったおかげで、十数年にわたり
冬場の暖房、夏場の冷房、梅雨時の除湿に大活躍してくれた。最初は暖房も冷
房も十分に効いたのだが、後年はそれまでの二度のメンテナンスにもかかわら
ず暖房能力が著しく落ちてきた。しかし冷房能力のほうは大した物で、六畳の
リビングと隣の六畳の和室、さらにとなりの六畳の台所まで夏場は結構快適な
温度に保ってくれるくらいの冷房能力があった。それでも暖房の効きが非常に
わるいし、エネルギー効率もよろしくないことから、十数年目にして昨年よう
やくエアコンを買い換えた。

 新しいエアコンは今流行の省エネタイプでカタログスペック上の冷房能力と
暖房能力は最初のそれと同じか若干大きいのに、消費電力はかなり少なめであ
る。革新的な技術改革はなくても地道な改良を重ねて少しずつエネルギー効率
は改善されてきていおりちりも積もればなんとやらである。とにかくカタログ
上は初代エアコンよりかなり優れた代物なのである。

 しかし実際に使ってみると、冷房の効き方が非常にソフト、悪く言えば鈍い
のである。暖房も似たようなもので、くわぁーっと温まる事はないがソフトに
自然に控えめに温まる。何事もさりげなく控えめにしかし着実にという日本文
化の伝統をそのままエアコンの能力に取り込んだような製品だ。冷房などはと
くに反応が緩やかなので鈍く感じることがあり、設定温度を下げてしまいがち
になるが、ソフトに着実に冷すからいつのまにか結構温度が下がっているのに
気がついて設定温度をあげることになる。温度変化が急だと体によくないのは
確かだからそういう意味では体に優しいエアコンなのかもしれない。

 とはいえ、このままだと外出から帰ったときの効き方がまどろっこしいこと
もあるということからか、設定温度はそのままだがパワーを上げて効き方のカ
ーブを急峻にするというモードがある。これを使えば外出先から帰ってしばら
くはそのモードで使い、人間のほうが落ち着いてきたらそれを解除して通常の
ソフトなモードに戻すわけだ。

 こんな風に理屈はわかっているのだが、短気な私はついつい温度設定を下げ
てちまいがちになる。どうにも困ったものだ。