「お替わりはいかが? 〜1474〜」

1999.07.17 (Sat) ==========================

□ Feather Bed 〜1〜

 日本の寝具店の店頭ではほとんど見かけない寝具として「フェザーベッド
(Feather Bed)」というものがあるのをご存知だろうか。名前から想像して羽
毛寝具の一種であることは容易に想像できるだろう。しかしベッドという名前
から、羽毛で出来たベッドというものを想像すると外れてはいないがちょっと
ちがうものになる。

 北米で "Feather Bed" というと何を指すか。ベッドメイキングの手順とし
ては、マットレスの上にベッドパッドを乗せて、上からフラットシーツかフィ
ットシーツ(fitted sheet)でカバーする。昔はフラットシーツ全盛であり、今
でもホテルなどではフラットシーツを使っているが、一般家庭ではフラットシ
ーツの割合が高くなっているようで、それは北米のベッドリネンのカタログを
見ていてもわかる。

 さて、フェザーベッドに話しを戻そう。先に書いたようにベッドメイキング
ではマットレスの上に、ポリエステル綿かウール綿をつかった薄いベッドパッ
ドをひくのだが、そうではなく羽毛を詰めた一種の敷布団を乗せるのである。
ベッドマットの上に敷布団を乗せるというのは、寝心地を悪くする典型のよう
なもので、よく安物寝具の通販写真にあるように、マットレスの上に合繊敷き
布団をひくのはどうはどうにもいただけない。しかし、世の中には例外という
ものが必ず存在する。この場合の例外がフェザーベッドである。

 フェザーベッドはいろいろなものがあるが、良質なフェザー(スモールフェ
ザー)をツインサイズ(日本で言うシングルサイズ)で6ポンド〜8ポンド積
めた物だ。詰め方もいろいろあってトラディッショナルなスタイルである、一
つの大きな袋につめただけのもの、横方向(寝たときに体と直角に交わる方
向)に2箇所から4箇所くらいの内部仕切布を入れたもの(baffled)、縦方
向(寝たときに体と平行な方向)にツインサイズではやはり2箇所から3箇所
の仕切布(baffle)を入れたもの、縦横に仕切を入れたものの四種類がある。

 北米の寝具販売のカタログやWeb通販サイトを見ていると、トラディッショ
ナルな1バッグタイプは皆無ではないがほとんどみかけない。これは寝ている
間に、体重がかかる肩や尻の部分の羽毛が移動してしまい底付き感が出てしま
うことによるのだろう。ただしその結果羽毛に囲まれるような感じになるので
そのようなのが好みの人にはいいのかもしれない。

(続く)