「お替わりはいかが? 〜1479〜」

1999.07.22 (Thu) ==========================

□ 羽毛寝具の良し悪し 〜2〜

 次に羽毛掛布団。これは国内でも海外でも良い物が買えるが、同じ値段を出
すと日本国内より北米のほうがよりよい品質のものが買えるし、品質が同程度
なら送料を考えても北米のほうが安く買える事が多い。とはいってもいきなり
海外で買うのはリスクも高いし万人にお薦めはしない。

 初心者として国内産を買うならいくつかのポイントがある。一流寝具メーカ
ーの品だから良いとは絶対に限らないことは肝に銘じておくべきだ。まず品質
表示タグをしっかりと見極める。ホワイトグースダウン95%以上のものを選ぶ
こと。ダックダウンでもよいが鳥の体サイズはグースのほうが大きくダウンボ
ールのサイズもダックよりグースのほうが大きいのである。ダウンボールのサ
イズは保温力とふっくら感(fluffy)には非常に大切な要素である。

 また指先で何箇所か中身を掴んでみて堅くて細いものが絶対に指先触れない
ことだ。この堅くて細いものは掛布団には使わないフェザー(羽根)やスモー
ルフェザー(小羽根)が混入している証拠なのである。これらは敷布団や座布
団・クッション(throw pillow)に使う物であり、まっとうな掛布団には普通
は使わないものだ。重量あたりのコストではフェザーとダウンではかなり差が
あるようなので、何も知らない羽毛寝具初心者を煙にまき、また品質をおとし
てでも利益を確保し売値も安く見せるには格好の材料なのである。

 また一部店の店頭では「当社の羽毛布団の中身」と「お客様から羽毛布団の
リフレッシュ加工の依頼をうけた一流メーカーの羽毛布団の中身」をケースに
入れていかに「当社の羽毛」の良さを訴えているところがある。これそのもの
は嘘ではないと思うが、対比されている「一流メーカー」のものをよくみてみ
るとその比較が適切かどうか疑わしいところがある。すなわち、「当社の羽
毛」は現行店頭販売製品の羽毛であるが、「一流メーカーの羽毛」は添付され
ている品質表示タグをみると「ダウン60%」とか「グレーダックダウとかいっ
た品質の低いもので、それもこういう品がまかりとおっていた十年以上も前の
品ばかりである。比較するならどちらも現行商品同志で行うべきであろう。嘘
を言っているわけではないが、展示のトリックにごまかされてはいけない。比
較するなら品質も向上している現在販売されている品と比較すべきだ。実際問
題国内で同じように羽毛布団を販売していて、ある程度の差はつけられても圧
倒的な差など普通はでないものだ。

(続く)