「お替わりはいかが? 〜1480〜」

1999.07.23 (Fri) ==========================

□ 羽毛寝具の良し悪し 〜3〜

 あとは生地だ。生地の柄はなく無地のほうがよい。どうせすっぽりカバーを
かけるのであるから、飽きがくる柄物よりはどんなカバーをかけても布団の柄
がすけない無地が一番である。布団の柄に金をかけるなど実に馬鹿げた話しだ。
布団屋にお金を寄贈したいのなら別だがそうでなければ布団の柄に金をかける
必要は無い。生地でもシルクを使った物などがあるが、大切なのは生地の目の
つみぐあいである。これがしっかりしていないと、どうしても羽毛の噴出しが
避けられないからだ。当然お金があれば繊維がながくしなやかな超長綿やシル
クをつかったものがドレープ性にも優れているのはいうまでもない。

 そしてキルティングの方法だ。まず上下の布をミシンでガーッと縫い合わせ
たキルティングの布団は絶対に買ってはいけない。その部分の羽毛の厚みがう
すくなり保温力が極端に落ちるからだ。キルティングは必ず仕切布を使ったタ
イプ(baffled)であること。その間隔は細かいほど羽毛の移動はすくなくな
るが、一方でふっくら感がそこなわれてくる。私が今使っているカナダから直
接買い付けた羽毛布団は、仕切は縦方向の一箇所だけであるが仕切の厚みはな
んと12インチもあるので、ふっくら感は日本の布団の倍以上である。羽毛が記
事の中でふっくらとふくらみ保温力を増していて非常に快適である。

 最後にフェザーベッド。これは最近この雑文で書いたばかりなので多くは触
れないが、これはダウンピロー同様、いやことによればそれ以上に日本国内で
は調達が難しい代物だ。まれに羽根敷布団といったものがあるが、実にひどい
ものばかりである。これもさきにあげた2社のいずれからから調達可能である
ので興味がある人はカタログをチェックしてみると良い。

 羽毛寝具の中で失敗のダメージが比較的低くて手を出しやすいのはダウンピ
ローである。枕なら、また買い換えようかと思う価格・サイズであるが布団だ
となかなかそうはゆかない。とりあえずはダウンピローは個人輸入で購入し、
羽毛布団は慌てずにいろいろな寝具店を見て回ることだ。経験的に羽毛掛布団
のお買い得が出るのは、デパートで年に二回春と秋に開かれる寝具市のときだ。
初心者としてはとりあえず、一流デパートのこういうところで、布団そのもの
のメーカーにはこだわらず数万円程度のものを買えば、失敗する可能性が少な
くそこそこ良い物が買えるだろう。

(完)