「お替わりはいかが? 〜1485〜」

1999.07.28 (Wed) ==========================

□ 星の観察

 娘の夏休みの理科の宿題の一つに「星の観察」というのがある。冬の星座の
代表格は北半球では文句無く「オリオン」だが、夏は何があるのだろう。とり
あえず思いつくのは「夏の大三角形」である。別に「夏の大三角形」という名
前の星座があるわけではなく、三つの明るい恒星を三角形の頂点とする三角形
である。三角形の頂点は、「はくちょう座」のα星「デネブ」(1.3等星)、
「わし座」のα星「アルタイル(いわゆる彦星、0.8等星)、「こと座」のα
星「べガ」(いわゆる織姫星、0.0等星)であろう。「はくちょう座」は南半
球で見ることができる「南十字(サザンクロス)」にちなんで「北十字(ノー
ザンクロス)」と呼ばれることもあるが、日本では「はくちょう座」のほうが
有名だろうし、学校で習うのも「はくちょう座」として習うはずだ。

 真北に向いて水平線から三十数度くらいのところを見上げれば「こぐま座」
のα星「北極星(ポラリス)」が(2.0等星)みえる。北極星そのものは日本
でもその言葉だけは知らぬ人は非常に少ないと思われる有名な星だが、実際に
見ると思ったほど明るくない。明るさという意味では「うしかい座」のアーク
トゥールス(0.0等星、今の時期であれば夜九時ごろに天頂からほぼ真西に三
十度くらいのところに輝いている)のほうがはるかに明るく見える。名前の割
に地味な輝きを放っている北極星だが、すぐ近くに8.2等星の伴星を伴った二
重星であることはあまり知られていない。さらに主星は、二つの星が互いにく
るくると共通な重心をもつ軌道を回る連星であることはなお知られていないか
もしれない。また天の北極が過去から未来までずっと北極星であるわけではな
く、歳差のため五千年前は「りゅう座」のα星トゥバンで、今から一万二千年
後には北極星ではなく「こと座」のα星べガになるという。とりあえず、今は
天の北極は北極星で日週運動の中心も北極星であることに間違いは無い。

 その北極星を挟んだ両端が「おおぐま座」の熊の尻尾から背中にあたる部分
の北斗七星、それと北極星を挟んで反対側にみえるのが「カシオペヤ座」であ
る。北斗七星のひしゃくの部分の二つの星、「おおぐま座」のα星であるズー
ベとβ星のメラクの二つを結んでその距離の五倍の延長上に北極星があること
はあまりにも有名だ。「カシオペヤ座」も北斗七星に負けないくらい有名で、
北斗七星とともに北極星を示すことができる星座で、このW形の星座は非常に
わかりやすい。

 こんな風にわかりやすい星座が沢山あるのだが、いかんせん練馬の空はあま
りにも汚れているし街明かりで明るすぎる。実際晴れている日の夜に空を見上
げても、夏の大三角形のうち二つしか見えないとか、北斗七星の柄杓のつけね
の星が見えなくて北斗六星になっていたりする。もはや東京の都心近くではで
綺麗な星空を見ることは不可能だ。